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誓い 後編
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そしてさらに数日後。
エトは走っていた。
その後ろには足跡のように赤黒い物を印のように残しながら、振り返る事なく城の中を走り続ける。
「王様……、王様……」
その姿を見て、通りすがりの者は驚くがすぐに笑顔になって、「落ち着いて」とか、「転ばないように気をつけて」と声をかけてくれた。
百万本一気に持ち運ぶことはできないけどと作られた物、次々と咲き誇るように仕組まれた両腕いっぱいの魔法の花束を急いで王様に届けたくて、エトは地下からダッシュで執務室に向かっていた。
王様のイメージで作られたせいか、赤が過ぎて光によっては黒っぽくなってしまう不思議なバラは、控えめながら香りも豊かで廊下がどんどん少し甘い花の匂いで満たされていく。
するとすれ違った仕事仲間がアドバイスをくれた。
「今ちょうどお客様が帰られた所だから、まだ謁見の間にいらっしゃるはずよ」
「ありがとう!」
エトは改めて王様を目指して走り、謁見の間の扉の前にいた警備に呼び止められることなく、ドアを開けてもらい中に飛び込んだ。
「エト」
すぐ様声をかけてくれた王様の前まで走り出る。
「王様!……じゃなくて、ジン!」
謁見用なんてことはない、いつも通りの黒い服のジンは雰囲気づくりの数段上の豪華な椅子に座り、数人の部下と話をしていたようだった。
いつものエトなら遠慮するところだが、盛んに咲き誇るバラがエトを急かした。
階段を駆け上がり、そして、エトはちゃんと片膝をついて王様を見上げた。
「おい、お前はそんなことしなくていいと」
「一生、一緒にいてください」
王様は目を見開いて固まった。
周りも驚いて言葉を失っていた。
間違えたかなと、エトは心配になり言い直そうとする。
「……一生は言い過ぎかな。じゃあ」
「一生でいい」
「ジン?」
王様はエトから花束をそっと受け取ると、それを片腕で抱え同時にエトを引き上げ強く抱きしめた。
抱きしめる勢いが凄かったから周りに花びらが溢れるように舞って、エトが王様の腕の中から見上げるその景色はとても綺麗で見惚れてしまっていた。
「一生そばにいさせろ」
しばらくして王様が言うとエトはにっこりと笑って、腕の中でぴょこんと跳ねる。
「やったー」
「約束だぞ」
王様が念を押すと、エトは首を横に振った。
「約束じゃないよ」
「違うのか」
王様の声が少し悲しそうな音に聞こえた。
でもこれはエトにとって約束じゃない。
「これはプロポーズ」
「プロポーズ……」
「だから誓い」
「誓い」
「うん!」
「そうか……誓い……か」
まさかエトから求婚されるとは思ってもいなかったが、確かに王様はエトがいなくならない保証が欲しかった。
強要した誓いではない、だからそれは本当にどうしても欲しいものに違いなかった。
これでもうエトから離れていく心配はなくなった。あとはもう守るだけ。
ジンはようやく不安から解放された。
その直後速攻で、ベッドに直行しジンがその喜びを肌でも味わったのは言うまでもない。
そして後日モズが呼び出され、花束の詳細を説明させられていた。
「つまりレグル様が存在する限りはその魔素を取り込み咲き誇り続けると?」
セブの問いにモズは頷く。
「レグル様の影響下ならば、そうです。散った花びらも少しすればまた大気中の魔素に戻るので、片付ける必要もありません」
夕日あたりのいいティールームで、ソファーに座るジンとエト。
その横に飾られたバラ達は勢いは落ち着いたものの未だに花を舞散らせている。
そしてそのバラを観察するように眺めるセブとモズがいる。
エトは王様にフルーツやお菓子を勧められ、どれを食べようかと忙しく夢中になっていた。
バラの詳しい事は難し過ぎて途中で、いや序盤で完全に離脱していたので、二人の会話はもう耳に入っていなかった。
その様子を見て少しセブが声を落としモズに聞く。
「花束に百万本は多すぎる気がするんだが、言っても百本くらいではなかったか?」
「そうですね、エト君の記憶違いか、言った相手が間違っていたのか、もしくはものの例えだったのかもしれません」
「不可能な要求、か。プロポーズを断るシーンでも見たのかもしれないな。それをやろうと思うエトも実現させるモズドも凄いものだ」
「少し呆れてますね」
「いや、俺にはできない、想像もできないからな。感心してるのは本当だ」
「それは……ありがとうございます」
モズは柄にもなく照れた。
それがエトの目にも飛び込む。
エトはモズの横に立つと改めてお礼を言った。
「すごいの作ってくれてありがとうございました」
「結婚おめでとう、だな」
モズが言うとエトはキョトンとした。
「結婚?」
「え? なんでそんな顔するんだ?」
「王様結婚するの?」
最近の身近な結婚話といえば王様のものだったから、エトは自分とは結びつかなかった。
そしてモズはエトの疑問の意味が分からない。
「するだろ」
「そっかぁ、誰とするのかな」
「は? 何言ってるんだ?」
「なにって結婚するんだから相手はだれかなーって、もしかしてみんな知ってる?! ええー、俺だけ知らないのかー」
「お前……本気でいってるのか?」
「え? そんなに知らないとヤバい人なの? え、どうしよ」
「違うだろ、お前レグル様にプロポーズしただろ?」
「したよ」
「プロポーズしたら結婚だろ」
「え、えぇぇ!!! 知らなかった」
「お前ッ……プロポーズは何だと思ってたんだ!」
モズが驚いていることに、エトも驚く。
「プロポーズってずっと一緒にいるって誓うことだと思ってた!」
「まさにお前……エト君がしたことだな」
ちっとも直らないモズの言葉に呆れながらも、セブはエトに説明を求める。
「結婚とは違うということか?」
「違わない?」
エトはそれも間違って覚えていたのかと、なんともしょんぼりし始めた。
慌てたセブは急いで訂正する。
「違わない、ただエトはどう考えているのかと興味があるだけだ」
「結婚は契約だと思ってた、だから違反があったら大変なんだ」
弱い魔物のエトが契約に縛られれば、逃れるのは難しいのは明らかだ。だからこそ、そこには強い警戒心があるのはその場の誰もが理解できた。
「契約は確かに、そうかもしれないな」
「一緒にいることを契約しても良いけど、俺は大変なことが嫌で一緒にいるってなったらなんだか違うなーって」
「一緒にいたいからか……契約してるからという理由にはしたくなかったんだね」
セブの言葉にこくんとエトは頷く。
「それに誓いは俺だけでできるし、王様が一番欲しいもの考えたらそれじゃないかと思って」
「君は、本当に……はずしませんね」
セブは苦笑しながら、尊敬もした。
聞いていた王様が嬉しくないはずがない。少ししょぼんとしたままのエトをソファーに呼び戻し腕の中に囲う、そして素直に疑問を口にする。
「どうしてそんな誓いをしてくれようと思ったんだ?」
「欲しいものを考えたから」
「一緒にいるのが一番いいと思ったのか」
「ううん、俺は王様がいらないって言うまで一緒にいる気だけど王様どうも心配性みたいだから誓ったら魔王様だから喜ぶかなって」
「魔王だから?」
「あ、プロポーズってのは俺が見た人たちが言われたら嬉しそうにしてたからだよ」
「ああ、それでどうして魔王だと喜ぶんだ?」
「え! 魔王様って契約とか誓いを喜ぶんじゃないの? あれ? 呪うのが好きなんだっけ? 隷属させるのか? 恐怖で威圧? 支配? あれぇ、何だった……け」
急に蹲り小さくなったエト。
「食べちゃうんだ……」
ブルブル震えだしたエトに一同呆れてしまう。
「お前、いまさら」
モズがそう言えば、珍しくセブがモズにだけ聞こえるように横槍を入れる。ジンに筒抜けなのは承知の上だが。
「ある意味正解ですけどね」
「エトはそういう意味ではないと」
モズが真面目にツッコむと、セブは咳払い。
「分かっている」
出会った時の様に震えるエトにジンは寄り添う。
「エト、俺は王様なんだろ?」
「うん」
「王様は大変だろ?」
「うん」
「俺は魔王だと言われるが、お前が王様だと言うから俺は魔王の前に王様だ」
「うん」
「俺は嬉しかったぞ、プロポーズ」
「本当!!」
「本当だ」
「やったー! 良かったッ!」
ぴょんぴょん跳ねるエトをジンが抱きしめる。
「プロポーズは成功だ、だからハネムーンに行こう」
「ハネムーン?」
「え?!」
驚いたのはセブだ。
「そういうことだ、しばらく俺はいなくなるがよろしくな」
エトが離れていかないと確信が持てた途端、ジンは仕事をサボることにした。
「え! しばらくっていつまでですか!?」
「飽きるまで」
「そ、それは流石に!」
汗を滲ませるほど必死になりだしたセブにジンは笑った。
「嘘だ、一週間か十日くらいだ」
「どこか行くんだ」
エトが腕の中で他人事のようなので、ハネムーンは知らないらしいと周りは気付く。
ジンが愛おしげにエトに囁く。
「お前もな。二人で旅行だ」
すると思ってた以上にエトの目が輝き出した。
「おお、旅行!! 初めてだ、それがハネムーン」
「出張と旅行はやっぱり違うよな、楽しませてやるから任せておけ」
「おおお!! 王様カッコいい! すごい」
このところご機嫌だったジンはさらに見たこともない笑顔でエトを撫で回しだした。
「そういうことで、行ってくる」
そのまま準備もなにもせず、二人はその場からあっという間に姿を消し、ハネムーンへと旅立っていった。
エトがお土産をいっぱい抱えて帰ってくるのは、そう遠くない未来のお話。
エトは走っていた。
その後ろには足跡のように赤黒い物を印のように残しながら、振り返る事なく城の中を走り続ける。
「王様……、王様……」
その姿を見て、通りすがりの者は驚くがすぐに笑顔になって、「落ち着いて」とか、「転ばないように気をつけて」と声をかけてくれた。
百万本一気に持ち運ぶことはできないけどと作られた物、次々と咲き誇るように仕組まれた両腕いっぱいの魔法の花束を急いで王様に届けたくて、エトは地下からダッシュで執務室に向かっていた。
王様のイメージで作られたせいか、赤が過ぎて光によっては黒っぽくなってしまう不思議なバラは、控えめながら香りも豊かで廊下がどんどん少し甘い花の匂いで満たされていく。
するとすれ違った仕事仲間がアドバイスをくれた。
「今ちょうどお客様が帰られた所だから、まだ謁見の間にいらっしゃるはずよ」
「ありがとう!」
エトは改めて王様を目指して走り、謁見の間の扉の前にいた警備に呼び止められることなく、ドアを開けてもらい中に飛び込んだ。
「エト」
すぐ様声をかけてくれた王様の前まで走り出る。
「王様!……じゃなくて、ジン!」
謁見用なんてことはない、いつも通りの黒い服のジンは雰囲気づくりの数段上の豪華な椅子に座り、数人の部下と話をしていたようだった。
いつものエトなら遠慮するところだが、盛んに咲き誇るバラがエトを急かした。
階段を駆け上がり、そして、エトはちゃんと片膝をついて王様を見上げた。
「おい、お前はそんなことしなくていいと」
「一生、一緒にいてください」
王様は目を見開いて固まった。
周りも驚いて言葉を失っていた。
間違えたかなと、エトは心配になり言い直そうとする。
「……一生は言い過ぎかな。じゃあ」
「一生でいい」
「ジン?」
王様はエトから花束をそっと受け取ると、それを片腕で抱え同時にエトを引き上げ強く抱きしめた。
抱きしめる勢いが凄かったから周りに花びらが溢れるように舞って、エトが王様の腕の中から見上げるその景色はとても綺麗で見惚れてしまっていた。
「一生そばにいさせろ」
しばらくして王様が言うとエトはにっこりと笑って、腕の中でぴょこんと跳ねる。
「やったー」
「約束だぞ」
王様が念を押すと、エトは首を横に振った。
「約束じゃないよ」
「違うのか」
王様の声が少し悲しそうな音に聞こえた。
でもこれはエトにとって約束じゃない。
「これはプロポーズ」
「プロポーズ……」
「だから誓い」
「誓い」
「うん!」
「そうか……誓い……か」
まさかエトから求婚されるとは思ってもいなかったが、確かに王様はエトがいなくならない保証が欲しかった。
強要した誓いではない、だからそれは本当にどうしても欲しいものに違いなかった。
これでもうエトから離れていく心配はなくなった。あとはもう守るだけ。
ジンはようやく不安から解放された。
その直後速攻で、ベッドに直行しジンがその喜びを肌でも味わったのは言うまでもない。
そして後日モズが呼び出され、花束の詳細を説明させられていた。
「つまりレグル様が存在する限りはその魔素を取り込み咲き誇り続けると?」
セブの問いにモズは頷く。
「レグル様の影響下ならば、そうです。散った花びらも少しすればまた大気中の魔素に戻るので、片付ける必要もありません」
夕日あたりのいいティールームで、ソファーに座るジンとエト。
その横に飾られたバラ達は勢いは落ち着いたものの未だに花を舞散らせている。
そしてそのバラを観察するように眺めるセブとモズがいる。
エトは王様にフルーツやお菓子を勧められ、どれを食べようかと忙しく夢中になっていた。
バラの詳しい事は難し過ぎて途中で、いや序盤で完全に離脱していたので、二人の会話はもう耳に入っていなかった。
その様子を見て少しセブが声を落としモズに聞く。
「花束に百万本は多すぎる気がするんだが、言っても百本くらいではなかったか?」
「そうですね、エト君の記憶違いか、言った相手が間違っていたのか、もしくはものの例えだったのかもしれません」
「不可能な要求、か。プロポーズを断るシーンでも見たのかもしれないな。それをやろうと思うエトも実現させるモズドも凄いものだ」
「少し呆れてますね」
「いや、俺にはできない、想像もできないからな。感心してるのは本当だ」
「それは……ありがとうございます」
モズは柄にもなく照れた。
それがエトの目にも飛び込む。
エトはモズの横に立つと改めてお礼を言った。
「すごいの作ってくれてありがとうございました」
「結婚おめでとう、だな」
モズが言うとエトはキョトンとした。
「結婚?」
「え? なんでそんな顔するんだ?」
「王様結婚するの?」
最近の身近な結婚話といえば王様のものだったから、エトは自分とは結びつかなかった。
そしてモズはエトの疑問の意味が分からない。
「するだろ」
「そっかぁ、誰とするのかな」
「は? 何言ってるんだ?」
「なにって結婚するんだから相手はだれかなーって、もしかしてみんな知ってる?! ええー、俺だけ知らないのかー」
「お前……本気でいってるのか?」
「え? そんなに知らないとヤバい人なの? え、どうしよ」
「違うだろ、お前レグル様にプロポーズしただろ?」
「したよ」
「プロポーズしたら結婚だろ」
「え、えぇぇ!!! 知らなかった」
「お前ッ……プロポーズは何だと思ってたんだ!」
モズが驚いていることに、エトも驚く。
「プロポーズってずっと一緒にいるって誓うことだと思ってた!」
「まさにお前……エト君がしたことだな」
ちっとも直らないモズの言葉に呆れながらも、セブはエトに説明を求める。
「結婚とは違うということか?」
「違わない?」
エトはそれも間違って覚えていたのかと、なんともしょんぼりし始めた。
慌てたセブは急いで訂正する。
「違わない、ただエトはどう考えているのかと興味があるだけだ」
「結婚は契約だと思ってた、だから違反があったら大変なんだ」
弱い魔物のエトが契約に縛られれば、逃れるのは難しいのは明らかだ。だからこそ、そこには強い警戒心があるのはその場の誰もが理解できた。
「契約は確かに、そうかもしれないな」
「一緒にいることを契約しても良いけど、俺は大変なことが嫌で一緒にいるってなったらなんだか違うなーって」
「一緒にいたいからか……契約してるからという理由にはしたくなかったんだね」
セブの言葉にこくんとエトは頷く。
「それに誓いは俺だけでできるし、王様が一番欲しいもの考えたらそれじゃないかと思って」
「君は、本当に……はずしませんね」
セブは苦笑しながら、尊敬もした。
聞いていた王様が嬉しくないはずがない。少ししょぼんとしたままのエトをソファーに呼び戻し腕の中に囲う、そして素直に疑問を口にする。
「どうしてそんな誓いをしてくれようと思ったんだ?」
「欲しいものを考えたから」
「一緒にいるのが一番いいと思ったのか」
「ううん、俺は王様がいらないって言うまで一緒にいる気だけど王様どうも心配性みたいだから誓ったら魔王様だから喜ぶかなって」
「魔王だから?」
「あ、プロポーズってのは俺が見た人たちが言われたら嬉しそうにしてたからだよ」
「ああ、それでどうして魔王だと喜ぶんだ?」
「え! 魔王様って契約とか誓いを喜ぶんじゃないの? あれ? 呪うのが好きなんだっけ? 隷属させるのか? 恐怖で威圧? 支配? あれぇ、何だった……け」
急に蹲り小さくなったエト。
「食べちゃうんだ……」
ブルブル震えだしたエトに一同呆れてしまう。
「お前、いまさら」
モズがそう言えば、珍しくセブがモズにだけ聞こえるように横槍を入れる。ジンに筒抜けなのは承知の上だが。
「ある意味正解ですけどね」
「エトはそういう意味ではないと」
モズが真面目にツッコむと、セブは咳払い。
「分かっている」
出会った時の様に震えるエトにジンは寄り添う。
「エト、俺は王様なんだろ?」
「うん」
「王様は大変だろ?」
「うん」
「俺は魔王だと言われるが、お前が王様だと言うから俺は魔王の前に王様だ」
「うん」
「俺は嬉しかったぞ、プロポーズ」
「本当!!」
「本当だ」
「やったー! 良かったッ!」
ぴょんぴょん跳ねるエトをジンが抱きしめる。
「プロポーズは成功だ、だからハネムーンに行こう」
「ハネムーン?」
「え?!」
驚いたのはセブだ。
「そういうことだ、しばらく俺はいなくなるがよろしくな」
エトが離れていかないと確信が持てた途端、ジンは仕事をサボることにした。
「え! しばらくっていつまでですか!?」
「飽きるまで」
「そ、それは流石に!」
汗を滲ませるほど必死になりだしたセブにジンは笑った。
「嘘だ、一週間か十日くらいだ」
「どこか行くんだ」
エトが腕の中で他人事のようなので、ハネムーンは知らないらしいと周りは気付く。
ジンが愛おしげにエトに囁く。
「お前もな。二人で旅行だ」
すると思ってた以上にエトの目が輝き出した。
「おお、旅行!! 初めてだ、それがハネムーン」
「出張と旅行はやっぱり違うよな、楽しませてやるから任せておけ」
「おおお!! 王様カッコいい! すごい」
このところご機嫌だったジンはさらに見たこともない笑顔でエトを撫で回しだした。
「そういうことで、行ってくる」
そのまま準備もなにもせず、二人はその場からあっという間に姿を消し、ハネムーンへと旅立っていった。
エトがお土産をいっぱい抱えて帰ってくるのは、そう遠くない未来のお話。
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