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終 ムツ
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翌朝、目覚めると僕一人になっているベッドの上でゴロゴロしながら考えてみた。
アズル様はいつも通り早朝の鍛錬だろう。
世の受け入れる側の人たちはどう快感を制御しているのだろうか。
僕が怠惰なのか?
僕が面倒くさがりで楽な方に流されて、アズル様が甘いから快楽に溺れているのを許してくれているのか?
強い理性を持っていればもっと色々できるのか?
僕にそもそも強い理性はない。
人並み以下だとは言わないが、楽なら楽に越したことはない。損得勘定が働くからそれなりにやれているだけだ。
アズル様との行為も最初が迫られるのを許すか許さないかの完璧な受け身だったから、こちらからの積極性は皆無で、その後もそのまま。
アズル様が必要以上に焦らすのが好きな人だったら、僕ももっと堪え性があるやり方を身に着けたのか。
いや、面倒ですること自体断る回数が増えてるだろうな。
相性が良かったと喜ぶべきかもしれない。
それともアズル様にも感謝するべきか。
アズル様はどうだか知らないがこっちには不満もないしいいか。
度々無理はしないようにお願いはしているし、不満爆発の先も知れている。
アズル様のことだ、そうなる前に話し合いの場が設けられるだろう。
つまり現状維持でも何ら問題はないな。今後も好奇心を満たしつつ、アズル様に甘やかされておこう。
つらつらとそんないつも通り自分の都合の良い結論に導いて、考えるのを終えた。
誰か呼びに来るまでこのままダラダラしよう。
そう思って二度寝を決め込む。
次に目を覚ますと、部屋にアズル様がいた。
「起きたか? 辛くはないか?」
目があった早々、座っていたソファーからベッドの端までやってきたアズル様は僕の前髪をかき上げつつ頭を撫でる。
「おはようございます」
寝ぼけた声だが酷く枯れた声もしていないので、平気なことは伝わるだろう。
「もう少し休むか?」
「お腹空きました」
「ちょうど朝食くらいの時間だが、ここに運ばせるか?」
なんと魅惑的な誘いだろう。
でも今日は全然動けるから、朝ご飯くらい食堂に行こう。
怠け者過ぎて屋敷の人たちに嫌われたら、嫌がらせなんてしない教育の行き届いた人たちでも刺々しい雰囲気を家にいる間中感じることになるかもしれない。
折角今はアズル様のおかげか優しくしてもらえているので、居心地の良さは守らなくては。
休みなので僕は適当な服に着替えた。
平日は仕事用の服をメイドさんが用意してくれるんだけど、休みの日まで手を煩わせるのは気を使うので部屋にチェストを置いてもらってそこから自分で選ぶようにしている。
ちなみにアズル様は休日でも執事かメイドさんが用意するしそれなりの格好をしている。貴族はそれが普通だろう。
堅苦しくはないが、誰か訪ねてきても概ね失礼のない服で、一方僕は屋敷の使用人以外に会うならば絶対に着替えなければならない下働きの様な服だ。
動きやすいし楽だし、部屋から出る用事が特にないときはこれで許してもらっている。
茶会で会うご婦人方に知られたら怒られるだろうな。中には羨ましがってくれる人もいるだろうけど。
休みのポヤポヤした頭のままでアズル様と食事を済ませ、アズル様との私室に戻ってソファーにだらしなく座った。
「今日はゆっくりするか?」
「そうですね、アズル様はどうしますか?」
「少し目を通しておく書類があるから午後からはそれをする。今から少し話してもいいか?」
「どうぞ」
アズル様は僕のとなりに座った。
「一体どうしてあんなことをしたくなったんだ?」
昨夜のことに違いないだろうな。
「ただの好奇心ですけど」
「他には?」
「え? 他ですか……別にないですけど、僕には好奇心もないと思ってるんですか?」
「そんなことはない、それでもそこに至る切っ掛けくらいないのか?」
マジで特になにもない。
「今日はするだろうなと思ったので、前よりは慣れてきたから僕から言い出してみてもいいかなと思ったくらいですけど」
「そうか」
「もっとなんかあったほうが良かったですか?」
「いや、何か知りたいことでもあったのかと」
「アズル様を喜ばせたいとか、騎乗位で主導権を取る方法が知りたいとか、自分で動くとより気持ち良いのかとか、言った方がいいですか?」
持ち合わせた知識から言おうと思えばいくらでも納得しそうな理由は言えるけど、完全にお風呂でただ思いついただけで、アズル様が求めてそうと感じたこともないし、断られてもなんとも思わなかっただろうし、決意も覚悟もなく明日の予定を聞くくらいのテンションだった。
アズル様も僕が上げた理由が本心ではないと分かるらしい。
少し眉を下げる。
「方便を聞きたかったわけではなくだな」
仕事のときはそれなりに考えて発言するが、普段の僕なんてなんとなくで生きてるんだから、深い理由などあるわけもない。
「どうせならアズル様を抱きたいとかインパクトのあること言ったほうがいいですか?」
「どうしてそうなる! 抱きたいのか?!」
「アズル様みたいに上手くやれないでしょうし、お互い疲れるだけでしょうから、適材適所で今のままがいいと思いますよ」
「そこは合理的思考なんだな」
「やれそうだと思ったことをしたいだけですから、何でもかんでもではないですよ」
「なにか不満があるわけではないんだな」
なるほど、いつもと違うことをするとそういう心配をかけるのか。
「すみません、配慮が足らず。全く何も不満はないですよ、いつも良くしてもらってありがとうございます」
「隣近所への挨拶みたいだな」
「アズル様にも隣近所なんて感覚あるんですね、意外です」
根っからの高位貴族だと思っていたら、そんな庶民感覚あるんだな。
「騎士寮暮らしをしていたことがあるんだ、あそこは色々知ることができる」
「……理解しました」
一般騎士寮の様子は知っているので納得だ。
必ず入らなければならない場所でもない。
騎士になるのはただの兵士よりはハードルは高いが、それなりに実力があれば一般騎士には身分関係なくなれるから、城の近くに家を借りるのが難しい下位貴族や平民から騎士になっている人も住んでいて、兵士寮よりは血の気の多さや脳筋加減が如実には表れてはいないが、なかなかざっくばらんなところだ。
「流石ムツだな」
「ある意味楽園で無法地帯ですね」
日々訓練に明け暮れて、有事の際は勿論だ。
そんな騎士ばかりが住んでいるから、ある種の秩序は確かにあるが、炊事洗濯は寮でやってもらえるのもあって、大飯喰らい、大酒飲み、洗濯物を溜め込んだり、肌着だけで歩き回ったり、勤務に支障をきたさなければ割と自由な住処だ。
ちなみに女性騎士寮はまた違う独特の雰囲気があるが、個室は分からないが、寮内の綺麗さは歴然だ。
健康に関わるので清潔さはどちらも保証する。
乱雑さが男性寮では目立つということだ。
どこから運んでくるのかそかしこに筋トレ器具があるとか、そういう整頓のなさだ。
「通うのに楽だろ、四六時中鍛えるにはうってつけだ」
通うことに関してはこの屋敷でも大差ないだろうが、訓練相手や器具なんか探さなくてもあるようなところなのは間違いない。
「アズル様の新たな一面が知れました」
「どんどん知ってくれ、俺ももっとムツを理解する」
「僕なんて単純なものですよ」
「そうか?」
「毎日楽しくて、ゆっくり寝れて、毎日食事があって、たまに好きなことできればそれでいいです」
まさに今の生活はこれに当てはまる。
維持するためにもできることは積極的にやろう。
「ちなみに昨日みたいのは嫌ですか?」
「嫌だとは言うことはない。ムツがしたいことなら取り入れる。毎回だと少し困るが」
「困りますか? 僕も毎回は面倒くさいですけど」
「少し不安が勝るんだ、無理なことをさせているのではないかと」
「自分から提案してるのにですか?」
「それでもだ」
アズル様について知らない事は当然多い。
無理やり何もかも知りたいとも思っていない。
ただ理解したいとは思っている。
僕は未だ好きというスイッチは入ってはいないが、それ以外の感情は色々抱いている気がしている。
尊敬はもとより、偉大さもあるし、信頼もしているし、頼もしさもあるし、愛おしく感じるときもある。
いつでも僕の立場や意思を尊重しようとしてくれているところも、思いやりを感じずにはいられない。
そんな人を蔑ろになどと誰が考えるのだろう。
恋人にはなれないだろうけど、結婚相手にはきっと相応しい感情を持ち合わせる日も近い将来きっと来ると思う。
その時になって、それを伝えたらアズル様が喜んでくれるといいけど。
それとも恋する日も来るだろうか。
そうなったらきっと前の恋の時みたいに冷静を装うことはもうできないはずだ。隠れまわる僕を果たしてアズル様は本当に許してくれるかどうか。
それこそ抱かれたりなんて無理に違いない。
どうかアズル様がこのままでいてくれることを願ってやまない。
今のまま離縁するのもなかなか淋しいが、失恋がそれにプラスされたらより辛いはずだ。
それでも取り繕うのはアズル様にとって嬉しいことではないと教えられてるいるから、僕は僕のままでいるしかない。
とにかく好きなようにやらしてもらおう。
未来のことなんか誰にもわからないんだし。
「次はもっと上手くやれるよう頑張ります」
不安にさせるのは僕に慣れがないのも一因なはずだ。
昨日の夜よりは上手くやれる気がする。僕の方からアズル様を気持ちよくできたら、僕も自分の快楽をコントロールできるし良いことなのではと急にひらめいた。
ただしてみたかっただけの昨日より、もっと積極的に研究してもいいかもしれない。
アズル様も僕とするの悪くないみたいだし、夫婦の営みの向上はマンネリ防止にも良さそうだし、協力してもらおう。
アズル様は何故か少し目を細めて困惑気味だったけど、頷いてくれた。
「……分かった」
とりあえず飽きられるまでは今の平和を維持しよう。
僕の想像とは違っていたが、望んでいた穏やかな日常は送れているのだから。
アズル様はいつも通り早朝の鍛錬だろう。
世の受け入れる側の人たちはどう快感を制御しているのだろうか。
僕が怠惰なのか?
僕が面倒くさがりで楽な方に流されて、アズル様が甘いから快楽に溺れているのを許してくれているのか?
強い理性を持っていればもっと色々できるのか?
僕にそもそも強い理性はない。
人並み以下だとは言わないが、楽なら楽に越したことはない。損得勘定が働くからそれなりにやれているだけだ。
アズル様との行為も最初が迫られるのを許すか許さないかの完璧な受け身だったから、こちらからの積極性は皆無で、その後もそのまま。
アズル様が必要以上に焦らすのが好きな人だったら、僕ももっと堪え性があるやり方を身に着けたのか。
いや、面倒ですること自体断る回数が増えてるだろうな。
相性が良かったと喜ぶべきかもしれない。
それともアズル様にも感謝するべきか。
アズル様はどうだか知らないがこっちには不満もないしいいか。
度々無理はしないようにお願いはしているし、不満爆発の先も知れている。
アズル様のことだ、そうなる前に話し合いの場が設けられるだろう。
つまり現状維持でも何ら問題はないな。今後も好奇心を満たしつつ、アズル様に甘やかされておこう。
つらつらとそんないつも通り自分の都合の良い結論に導いて、考えるのを終えた。
誰か呼びに来るまでこのままダラダラしよう。
そう思って二度寝を決め込む。
次に目を覚ますと、部屋にアズル様がいた。
「起きたか? 辛くはないか?」
目があった早々、座っていたソファーからベッドの端までやってきたアズル様は僕の前髪をかき上げつつ頭を撫でる。
「おはようございます」
寝ぼけた声だが酷く枯れた声もしていないので、平気なことは伝わるだろう。
「もう少し休むか?」
「お腹空きました」
「ちょうど朝食くらいの時間だが、ここに運ばせるか?」
なんと魅惑的な誘いだろう。
でも今日は全然動けるから、朝ご飯くらい食堂に行こう。
怠け者過ぎて屋敷の人たちに嫌われたら、嫌がらせなんてしない教育の行き届いた人たちでも刺々しい雰囲気を家にいる間中感じることになるかもしれない。
折角今はアズル様のおかげか優しくしてもらえているので、居心地の良さは守らなくては。
休みなので僕は適当な服に着替えた。
平日は仕事用の服をメイドさんが用意してくれるんだけど、休みの日まで手を煩わせるのは気を使うので部屋にチェストを置いてもらってそこから自分で選ぶようにしている。
ちなみにアズル様は休日でも執事かメイドさんが用意するしそれなりの格好をしている。貴族はそれが普通だろう。
堅苦しくはないが、誰か訪ねてきても概ね失礼のない服で、一方僕は屋敷の使用人以外に会うならば絶対に着替えなければならない下働きの様な服だ。
動きやすいし楽だし、部屋から出る用事が特にないときはこれで許してもらっている。
茶会で会うご婦人方に知られたら怒られるだろうな。中には羨ましがってくれる人もいるだろうけど。
休みのポヤポヤした頭のままでアズル様と食事を済ませ、アズル様との私室に戻ってソファーにだらしなく座った。
「今日はゆっくりするか?」
「そうですね、アズル様はどうしますか?」
「少し目を通しておく書類があるから午後からはそれをする。今から少し話してもいいか?」
「どうぞ」
アズル様は僕のとなりに座った。
「一体どうしてあんなことをしたくなったんだ?」
昨夜のことに違いないだろうな。
「ただの好奇心ですけど」
「他には?」
「え? 他ですか……別にないですけど、僕には好奇心もないと思ってるんですか?」
「そんなことはない、それでもそこに至る切っ掛けくらいないのか?」
マジで特になにもない。
「今日はするだろうなと思ったので、前よりは慣れてきたから僕から言い出してみてもいいかなと思ったくらいですけど」
「そうか」
「もっとなんかあったほうが良かったですか?」
「いや、何か知りたいことでもあったのかと」
「アズル様を喜ばせたいとか、騎乗位で主導権を取る方法が知りたいとか、自分で動くとより気持ち良いのかとか、言った方がいいですか?」
持ち合わせた知識から言おうと思えばいくらでも納得しそうな理由は言えるけど、完全にお風呂でただ思いついただけで、アズル様が求めてそうと感じたこともないし、断られてもなんとも思わなかっただろうし、決意も覚悟もなく明日の予定を聞くくらいのテンションだった。
アズル様も僕が上げた理由が本心ではないと分かるらしい。
少し眉を下げる。
「方便を聞きたかったわけではなくだな」
仕事のときはそれなりに考えて発言するが、普段の僕なんてなんとなくで生きてるんだから、深い理由などあるわけもない。
「どうせならアズル様を抱きたいとかインパクトのあること言ったほうがいいですか?」
「どうしてそうなる! 抱きたいのか?!」
「アズル様みたいに上手くやれないでしょうし、お互い疲れるだけでしょうから、適材適所で今のままがいいと思いますよ」
「そこは合理的思考なんだな」
「やれそうだと思ったことをしたいだけですから、何でもかんでもではないですよ」
「なにか不満があるわけではないんだな」
なるほど、いつもと違うことをするとそういう心配をかけるのか。
「すみません、配慮が足らず。全く何も不満はないですよ、いつも良くしてもらってありがとうございます」
「隣近所への挨拶みたいだな」
「アズル様にも隣近所なんて感覚あるんですね、意外です」
根っからの高位貴族だと思っていたら、そんな庶民感覚あるんだな。
「騎士寮暮らしをしていたことがあるんだ、あそこは色々知ることができる」
「……理解しました」
一般騎士寮の様子は知っているので納得だ。
必ず入らなければならない場所でもない。
騎士になるのはただの兵士よりはハードルは高いが、それなりに実力があれば一般騎士には身分関係なくなれるから、城の近くに家を借りるのが難しい下位貴族や平民から騎士になっている人も住んでいて、兵士寮よりは血の気の多さや脳筋加減が如実には表れてはいないが、なかなかざっくばらんなところだ。
「流石ムツだな」
「ある意味楽園で無法地帯ですね」
日々訓練に明け暮れて、有事の際は勿論だ。
そんな騎士ばかりが住んでいるから、ある種の秩序は確かにあるが、炊事洗濯は寮でやってもらえるのもあって、大飯喰らい、大酒飲み、洗濯物を溜め込んだり、肌着だけで歩き回ったり、勤務に支障をきたさなければ割と自由な住処だ。
ちなみに女性騎士寮はまた違う独特の雰囲気があるが、個室は分からないが、寮内の綺麗さは歴然だ。
健康に関わるので清潔さはどちらも保証する。
乱雑さが男性寮では目立つということだ。
どこから運んでくるのかそかしこに筋トレ器具があるとか、そういう整頓のなさだ。
「通うのに楽だろ、四六時中鍛えるにはうってつけだ」
通うことに関してはこの屋敷でも大差ないだろうが、訓練相手や器具なんか探さなくてもあるようなところなのは間違いない。
「アズル様の新たな一面が知れました」
「どんどん知ってくれ、俺ももっとムツを理解する」
「僕なんて単純なものですよ」
「そうか?」
「毎日楽しくて、ゆっくり寝れて、毎日食事があって、たまに好きなことできればそれでいいです」
まさに今の生活はこれに当てはまる。
維持するためにもできることは積極的にやろう。
「ちなみに昨日みたいのは嫌ですか?」
「嫌だとは言うことはない。ムツがしたいことなら取り入れる。毎回だと少し困るが」
「困りますか? 僕も毎回は面倒くさいですけど」
「少し不安が勝るんだ、無理なことをさせているのではないかと」
「自分から提案してるのにですか?」
「それでもだ」
アズル様について知らない事は当然多い。
無理やり何もかも知りたいとも思っていない。
ただ理解したいとは思っている。
僕は未だ好きというスイッチは入ってはいないが、それ以外の感情は色々抱いている気がしている。
尊敬はもとより、偉大さもあるし、信頼もしているし、頼もしさもあるし、愛おしく感じるときもある。
いつでも僕の立場や意思を尊重しようとしてくれているところも、思いやりを感じずにはいられない。
そんな人を蔑ろになどと誰が考えるのだろう。
恋人にはなれないだろうけど、結婚相手にはきっと相応しい感情を持ち合わせる日も近い将来きっと来ると思う。
その時になって、それを伝えたらアズル様が喜んでくれるといいけど。
それとも恋する日も来るだろうか。
そうなったらきっと前の恋の時みたいに冷静を装うことはもうできないはずだ。隠れまわる僕を果たしてアズル様は本当に許してくれるかどうか。
それこそ抱かれたりなんて無理に違いない。
どうかアズル様がこのままでいてくれることを願ってやまない。
今のまま離縁するのもなかなか淋しいが、失恋がそれにプラスされたらより辛いはずだ。
それでも取り繕うのはアズル様にとって嬉しいことではないと教えられてるいるから、僕は僕のままでいるしかない。
とにかく好きなようにやらしてもらおう。
未来のことなんか誰にもわからないんだし。
「次はもっと上手くやれるよう頑張ります」
不安にさせるのは僕に慣れがないのも一因なはずだ。
昨日の夜よりは上手くやれる気がする。僕の方からアズル様を気持ちよくできたら、僕も自分の快楽をコントロールできるし良いことなのではと急にひらめいた。
ただしてみたかっただけの昨日より、もっと積極的に研究してもいいかもしれない。
アズル様も僕とするの悪くないみたいだし、夫婦の営みの向上はマンネリ防止にも良さそうだし、協力してもらおう。
アズル様は何故か少し目を細めて困惑気味だったけど、頷いてくれた。
「……分かった」
とりあえず飽きられるまでは今の平和を維持しよう。
僕の想像とは違っていたが、望んでいた穏やかな日常は送れているのだから。
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