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第一章:独裁の萌芽!?華の国ツバキ市の腐敗
第38話:不敵に嗤うシー!?決戦の時を定める
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誰かがこの事務室に入って来たために、シーと俺は一斉に入り口に目をやった。
ドサッ
「シー様!! 来ていらっしゃったのですか!!」
もちろん、入ってきたのはテイであった。
テイは驚きのあまり抱えていた買い物袋の落としたが、意に介せず、シーにところにやってきた。
「ま、まさか、シー様がこんなところに来るなど露にも思わず。まったくおもてなしの準備が出来ておりません。た、大変申し訳ありません」
テイの慌てようは、いつもの冷静沈着なテイからするとまるで別人であった。
それは見て、シーの表情は心なしかニヤけている。
(まさか、シー様。テイ様の慌てる姿が見たくてここに寄ったのではないよな……)
なんとなく、シーのニヤけ顔は我が意を得たりという表情だ。
ただ、中央政治局常務委員に列するこの国の最高権力者の一人なのだ。
そんな暇などないだろう。
何か俺みたいな平民にはわからない理由があるのだ。
「よい、そんなに慌てるな。オウの意思に報いたくてな。もちろん、それはボアを倒すことが一番だが。オウの思力装は美しかったな」
「…………はい。炎の荒々しさと繊細さが同居した本当に強く、美しいお姿でした」
シーの一言で落ち着いたテイがそう同意した。
「しかし、テイよ。相変わらず菓子ばかり食べているのか」
シーはテイが落とした買い物袋を指して言った。
その買い物袋はスナックや甘いものなど庶民が食べるような菓子で溢れていた。
指摘されたテイは、これまで見たことがないほど顔を赤らめて、さらに慌てた。
「シ、シー様、あ、あれはその、備蓄というか、ルーがここに来ることになっていたので、ルーも、男としては、少しは役に立ったかということで、褒美にでもと」
完全に目は泳いでいる。そして、なぜか俺のせいにしようとしている。
いつも上から目線のテイしか見たことがなかったので、こんな風にからかわれているテイはかわいいのだが、俺のせいにしないでほしい。
そんな言い訳をしているとき、テイはシーに出されている菓子に気付いたようだ。
「ルー!! シー様にこんな庶民が食べるような菓子を出したのか。シー様、大変申し訳ありません。ルー、気を利かせて、何か食事でも手配すべきだろう!!」
テイはこれ幸いにと、俺の方に矛先を向けてきた。
しかし、流石に食事の手配なんて、この事務室に運ばせるわけにはいけない。
何から情報が漏れるか分からないのだ。しかもシーがいるなんてことがばれたら大事である。
よく考えなくとも分かりそうだが、テイはそれだけ慌てているのだ。
「よい、よい。テイ、気にするな。ルーの淹れたお茶は、まーまーであったぞ。それに菓子は私も好きだ。ただ、テイが食事をまともに取らず菓子ばかり食べてないか心配したのだ。私のために働き詰めだからな」
「あ、ありがとうございます。そんなご配慮、私にはもったいないです」
テイは、シーにそう言われ、心から嬉しそうに礼を言った。
中央政治局常務委員から頼りにされているのだ。エリートにとってはこの上ない喜びだろう。
「さて、そろそろ次の話をしよう」
シーは静かにそう言った。ただいつもの無感動な話し方ではない。
何かワクワクしているような、表情と話し方だ。
「テイ、ルー、ボアを倒すぞ。一ヶ月後の全人代でた」
そう言うとシーは嗤った。
その顔はこれまで見たどんな表情よりも悪魔的だった。
ドサッ
「シー様!! 来ていらっしゃったのですか!!」
もちろん、入ってきたのはテイであった。
テイは驚きのあまり抱えていた買い物袋の落としたが、意に介せず、シーにところにやってきた。
「ま、まさか、シー様がこんなところに来るなど露にも思わず。まったくおもてなしの準備が出来ておりません。た、大変申し訳ありません」
テイの慌てようは、いつもの冷静沈着なテイからするとまるで別人であった。
それは見て、シーの表情は心なしかニヤけている。
(まさか、シー様。テイ様の慌てる姿が見たくてここに寄ったのではないよな……)
なんとなく、シーのニヤけ顔は我が意を得たりという表情だ。
ただ、中央政治局常務委員に列するこの国の最高権力者の一人なのだ。
そんな暇などないだろう。
何か俺みたいな平民にはわからない理由があるのだ。
「よい、そんなに慌てるな。オウの意思に報いたくてな。もちろん、それはボアを倒すことが一番だが。オウの思力装は美しかったな」
「…………はい。炎の荒々しさと繊細さが同居した本当に強く、美しいお姿でした」
シーの一言で落ち着いたテイがそう同意した。
「しかし、テイよ。相変わらず菓子ばかり食べているのか」
シーはテイが落とした買い物袋を指して言った。
その買い物袋はスナックや甘いものなど庶民が食べるような菓子で溢れていた。
指摘されたテイは、これまで見たことがないほど顔を赤らめて、さらに慌てた。
「シ、シー様、あ、あれはその、備蓄というか、ルーがここに来ることになっていたので、ルーも、男としては、少しは役に立ったかということで、褒美にでもと」
完全に目は泳いでいる。そして、なぜか俺のせいにしようとしている。
いつも上から目線のテイしか見たことがなかったので、こんな風にからかわれているテイはかわいいのだが、俺のせいにしないでほしい。
そんな言い訳をしているとき、テイはシーに出されている菓子に気付いたようだ。
「ルー!! シー様にこんな庶民が食べるような菓子を出したのか。シー様、大変申し訳ありません。ルー、気を利かせて、何か食事でも手配すべきだろう!!」
テイはこれ幸いにと、俺の方に矛先を向けてきた。
しかし、流石に食事の手配なんて、この事務室に運ばせるわけにはいけない。
何から情報が漏れるか分からないのだ。しかもシーがいるなんてことがばれたら大事である。
よく考えなくとも分かりそうだが、テイはそれだけ慌てているのだ。
「よい、よい。テイ、気にするな。ルーの淹れたお茶は、まーまーであったぞ。それに菓子は私も好きだ。ただ、テイが食事をまともに取らず菓子ばかり食べてないか心配したのだ。私のために働き詰めだからな」
「あ、ありがとうございます。そんなご配慮、私にはもったいないです」
テイは、シーにそう言われ、心から嬉しそうに礼を言った。
中央政治局常務委員から頼りにされているのだ。エリートにとってはこの上ない喜びだろう。
「さて、そろそろ次の話をしよう」
シーは静かにそう言った。ただいつもの無感動な話し方ではない。
何かワクワクしているような、表情と話し方だ。
「テイ、ルー、ボアを倒すぞ。一ヶ月後の全人代でた」
そう言うとシーは嗤った。
その顔はこれまで見たどんな表情よりも悪魔的だった。
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