クズ達の青春

番外編 プレイヤーズネーム

　昔はプレイヤーズネームを名乗る文化はなかった。

　プレイヤーズネームで呼び合う前、本名で呼び合っていた。

　そして本名を知らない常連には酷いあだながつけられた。

　プレイヤーズネームの元祖というか先駆けは「新宿ジャッキー」だろう。

　「新宿ジャッキー」という名前は他人につけられたらしい。

　「地名＋キャラ名」という名前は当時、インフレする。

　ただ当時、プレイヤーズネームで呼んでいたのは本名を知らない他人だったようだ。

　新宿の『スポット２１』で新宿ジャッキーを見た時、知り合いに新宿ジャッキーは『はねだくん』と呼ばれていた。

　ゲーセンで知り合いがいなかった当時、そうやってプレイヤーを判別したのだ。

　私も「藤沢ジジイ」と呼ばれていると言われた時は「誰がジジイだ！」と怒ったものだ。

　確かにシュン使いは当時珍しく、その中でそこそこ勝っていた私は判別のため酷いあだながつけられたのだろう。

　しばらくすると自らプレイヤーズネームを名乗る者も現れる。

　記憶に残るエピソードで言えば、自ら『高津サラ』と名乗っていたプレイヤーがいた。

　だが当時サラ使いは多く、彼は高津に住んでいただけで高津でプレイしていなかった。

　彼は裏でゲーセンの常連に『包茎』と酷いあだ名で呼ばれていた。

　彼がゲーセンのトイレで用を足していた時、偶然他の常連にイチモツを見られてしまい、そのイチモツが『包茎』だったらしい。

　今思うと彼を『包茎』と呼んでいた人達は剥けていたのだろうか？

　欧米人でも包茎の人は数多くいるし、『包茎＝短小』というのは美容整形外科の陰謀だという。

　その証拠に世界一のイチモツの大きさでギネス申請されている人は包茎らしい。






　彼は今でも周囲の人に『包茎』と呼ばれているんだろうか？