9 / 101
ナツ・side
お洒落カフェ
しおりを挟む
リビングに足を踏み入れると、色鮮やかな料理が目に飛び込んでくる。
「うわ…何これ…うまそう…」思わず口を突いて出る。
テーブルの上に並ぶ…見たこともないような朝食…
… なんだこれ…
大きな皿の端っこに色鮮やかなサラダ…中央に白くて丸いパン…挟んだパンの間からうまそうなベーコンがはみ出ている…
そこに、温泉卵か…?半熟卵のようなものが乗っかっていて…クリーム色のソースみたいのがかかっている…
なんかすごい…カフェとかに出てきそうな…お洒落過ぎる朝食…。
俺が料理をじっと見ていることに気付き、爽が説明を加える。
「これか…?おまえ、食べたことあるか…?これはエッグベネディクトだよ…前に一度外で食べて美味かったから、休みとか時間ある時に、たまに家でも作るようになったんだ。熱いうちに食べてみろよ」
爽が爽やかな笑顔を俺に向けながら食卓へ促す。
…ドキリと…胸の奥が震えた気がした。
「…いただきます…」俺は手を合わせ、その、エッグなんとかにナイフを入れる…。
どろりと…鮮やかな色の卵の黄身があふれ出す…。
うわあ…すご…、マジで美味そう…
一口、放り込む…
ぱくん… もぐもぐ・・・
うわ…なんだこれ…めちゃくちゃ美味い…。ソースと卵…抜群に相性がいい…うま…うまうま・・
「うまい…すげえ、うまい…」
俺は夢中になってフォークとナイフをカチャカチャと動かす…。
人間に化けてこの世界に来て1ヵ月ちょい…
だいぶ生活にも慣れてきた。
最初は全然使えなかったナイフとフォーク…箸だってもう、お手のもんだ。
「うま…すごいな、爽…おまえって、普通にレストランとかの料理人になれんじゃねえ…?ほんと、うまい…」
俺の本心…この味、見た目…褒め言葉しか思いつかない…。
「…そっか… それは良かった…おまえはよく食うし、なんか作り甲斐あってな…今まで作んなかったメニューとか、最近色々チャレンジしてんだ…楽しみにしとけ。まあ、冷めないうちに食え… おかわりもあるから…」
微笑む爽…
眼鏡の奥の眼が、ありえないくらいに優しい…
夜のベッドの上での爽…ドSの爽とは別人のようだ…今の爽はまるで、慈愛に満ちた聖母みたいだ…。
その笑顔を見るとまた、俺の胸の奥がきゅうって…絞られたような感覚になる…。
なんだこれ…俺、なんか胸の病気かな… ああ…
「珈琲、入れるからさ… 待ってろ…」
既にテーブルには、100%のオレンジジュースも並んでるのに…食後の珈琲まで淹れてくれるとは…
なんだこの、感じ… 心がホワンとしてくる…。
「あ…サンキュ…でも、お前も食べろよ…せっかくのエッグなんとかが…冷めるぞ…?」
俺は爽に声を掛けるが、
「いや…俺は後でいい…もともと俺、そんなに朝は量、食わないし… まあ、ゆっくり食え。」
いそいそとキッチンへ向かう爽…。
ああ…
なんか、…このあったかい…ふわっとした気持ち… なんなんだろう…
俺の目的は、俺のこの逞しい身体で…奴を…爽を組み伏せて、抱くこと…
んで、奴にイイって言わせて…受領書を受け取り…元の姿…犬に戻ること…のはずだ…。
でも今の俺…人間であるコイツと暮らし始めて一ヵ月…
なんかちょっと… ヤバい‥
なんか予想以上に…コイツとの生活が楽しくて… ご飯もうまいし…
一時的なバイトだが、新しい仕事も始めたし… なんとなく、充実感…。
もしかして、
もしかしたら俺は…このままの生活が…続けばいいとか…思ってる…?
でも…爽は俺のこと、どう思ってんだろ…。
所詮、単なる犬か…
いつでもシタイ時にできるセックスの相手…
犬だし、ガタイのいい男だし、多少は身体的に無茶できるから楽だとか…そんな風に思われているのだろうか…
自分で想像しておいて、ズキンと…胸が痛む… なんだこの気持ち…
俺は爽の…珈琲を淹れてくれている温かな背中を見つめながら、
深いため息をついた。
「うわ…何これ…うまそう…」思わず口を突いて出る。
テーブルの上に並ぶ…見たこともないような朝食…
… なんだこれ…
大きな皿の端っこに色鮮やかなサラダ…中央に白くて丸いパン…挟んだパンの間からうまそうなベーコンがはみ出ている…
そこに、温泉卵か…?半熟卵のようなものが乗っかっていて…クリーム色のソースみたいのがかかっている…
なんかすごい…カフェとかに出てきそうな…お洒落過ぎる朝食…。
俺が料理をじっと見ていることに気付き、爽が説明を加える。
「これか…?おまえ、食べたことあるか…?これはエッグベネディクトだよ…前に一度外で食べて美味かったから、休みとか時間ある時に、たまに家でも作るようになったんだ。熱いうちに食べてみろよ」
爽が爽やかな笑顔を俺に向けながら食卓へ促す。
…ドキリと…胸の奥が震えた気がした。
「…いただきます…」俺は手を合わせ、その、エッグなんとかにナイフを入れる…。
どろりと…鮮やかな色の卵の黄身があふれ出す…。
うわあ…すご…、マジで美味そう…
一口、放り込む…
ぱくん… もぐもぐ・・・
うわ…なんだこれ…めちゃくちゃ美味い…。ソースと卵…抜群に相性がいい…うま…うまうま・・
「うまい…すげえ、うまい…」
俺は夢中になってフォークとナイフをカチャカチャと動かす…。
人間に化けてこの世界に来て1ヵ月ちょい…
だいぶ生活にも慣れてきた。
最初は全然使えなかったナイフとフォーク…箸だってもう、お手のもんだ。
「うま…すごいな、爽…おまえって、普通にレストランとかの料理人になれんじゃねえ…?ほんと、うまい…」
俺の本心…この味、見た目…褒め言葉しか思いつかない…。
「…そっか… それは良かった…おまえはよく食うし、なんか作り甲斐あってな…今まで作んなかったメニューとか、最近色々チャレンジしてんだ…楽しみにしとけ。まあ、冷めないうちに食え… おかわりもあるから…」
微笑む爽…
眼鏡の奥の眼が、ありえないくらいに優しい…
夜のベッドの上での爽…ドSの爽とは別人のようだ…今の爽はまるで、慈愛に満ちた聖母みたいだ…。
その笑顔を見るとまた、俺の胸の奥がきゅうって…絞られたような感覚になる…。
なんだこれ…俺、なんか胸の病気かな… ああ…
「珈琲、入れるからさ… 待ってろ…」
既にテーブルには、100%のオレンジジュースも並んでるのに…食後の珈琲まで淹れてくれるとは…
なんだこの、感じ… 心がホワンとしてくる…。
「あ…サンキュ…でも、お前も食べろよ…せっかくのエッグなんとかが…冷めるぞ…?」
俺は爽に声を掛けるが、
「いや…俺は後でいい…もともと俺、そんなに朝は量、食わないし… まあ、ゆっくり食え。」
いそいそとキッチンへ向かう爽…。
ああ…
なんか、…このあったかい…ふわっとした気持ち… なんなんだろう…
俺の目的は、俺のこの逞しい身体で…奴を…爽を組み伏せて、抱くこと…
んで、奴にイイって言わせて…受領書を受け取り…元の姿…犬に戻ること…のはずだ…。
でも今の俺…人間であるコイツと暮らし始めて一ヵ月…
なんかちょっと… ヤバい‥
なんか予想以上に…コイツとの生活が楽しくて… ご飯もうまいし…
一時的なバイトだが、新しい仕事も始めたし… なんとなく、充実感…。
もしかして、
もしかしたら俺は…このままの生活が…続けばいいとか…思ってる…?
でも…爽は俺のこと、どう思ってんだろ…。
所詮、単なる犬か…
いつでもシタイ時にできるセックスの相手…
犬だし、ガタイのいい男だし、多少は身体的に無茶できるから楽だとか…そんな風に思われているのだろうか…
自分で想像しておいて、ズキンと…胸が痛む… なんだこの気持ち…
俺は爽の…珈琲を淹れてくれている温かな背中を見つめながら、
深いため息をついた。
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
くまさんのマッサージ♡
はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。
2024.03.06
閲覧、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。
2024.03.10
完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m
今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。
2024.03.19
https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy
イベントページになります。
25日0時より開始です!
※補足
サークルスペースが確定いたしました。
一次創作2: え5
にて出展させていただいてます!
2024.10.28
11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。
2024.11.01
https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2
本日22時より、イベントが開催されます。
よろしければ遊びに来てください。
辺境の契約魔法師~スキルと知識で異世界改革~
有雲相三
ファンタジー
前世の知識を保持したまま転生した主人公。彼はアルフォンス=テイルフィラーと名付けられ、辺境伯の孫として生まれる。彼の父フィリップは辺境伯家の長男ではあるものの、魔法の才に恵まれず、弟ガリウスに家督を奪われようとしていた。そんな時、アルフォンスに多彩なスキルが宿っていることが発覚し、事態が大きく揺れ動く。己の利権保守の為にガリウスを推す貴族達。逆境の中、果たして主人公は父を当主に押し上げることは出来るのか。
主人公、アルフォンス=テイルフィラー。この世界で唯一の契約魔法師として、後に世界に名を馳せる一人の男の物語である。
クラスの仲良かったオタクに調教と豊胸をされて好みの嫁にされたオタクに優しいギャル男
湊戸アサギリ
BL
※メス化、男の娘化、シーメール化要素があります。オタクくんと付き合ったギャル男がメスにされています。手術で豊胸した描写があります。これをBLって呼んでいいのかわからないです
いわゆるオタクに優しいギャル男の話になります。色々ご想像にお任せします。本番はありませんが下ネタ言ってますのでR15です
閲覧ありがとうございます。他の作品もよろしくお願いします
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
変態村♂〜俺、やられます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。
そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。
暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。
必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。
その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。
果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?
肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?
こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。
自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。
ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?
少年ペット契約
眠りん
BL
※少年売買契約のスピンオフ作品です。
↑上記作品を知らなくても読めます。
小山内文和は貧乏な家庭に育ち、教育上よろしくない環境にいながらも、幸せな生活を送っていた。
趣味は布団でゴロゴロする事。
ある日学校から帰ってくると、部屋はもぬけの殻、両親はいなくなっており、借金取りにやってきたヤクザの組員に人身売買で売られる事になってしまった。
文和を購入したのは堂島雪夜。四十二歳の優しい雰囲気のおじさんだ。
文和は雪夜の養子となり、学校に通ったり、本当の子供のように愛された。
文和同様人身売買で買われて、堂島の元で育ったアラサー家政婦の金井栞も、サバサバした性格だが、文和に親切だ。
三年程を堂島の家で、呑気に雪夜や栞とゴロゴロした生活を送っていたのだが、ある日雪夜が人身売買の罪で逮捕されてしまった。
文和はゴロゴロ生活を守る為、雪夜が出所するまでの間、ペットにしてくれる人を探す事にした。
※前作と違い、エロは最初の頃少しだけで、あとはほぼないです。
※前作がシリアスで暗かったので、今回は明るめでやってます。
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談? 本気? 二人の結末は?
美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる