【完結・R18】鉄道の恐怖

清春編

連絡

『石塚さん、大変ご無沙汰しています。お元気ですか？連絡が遅くなってすみません…仕事でトラブって、色々後処理が大変で…でももう、なんとかひと段落着きました。』

送信ボタンを押す前に、文章を読み返してしばらく考える。

ひと段落なんて、全くついていない…
そもそも仕事でもない…

だが仮にそうだとしても、なんだというのだ…今そんな連絡を彼女にして、なんになる…？
俺は、茉優子に近況報告をしたいのだろうか…　
単なる雑談…話し相手…？

2週間近く連絡をしないまま、唐突にそんな連絡をすれば…茉優子はどう思うだろうか。

『石塚さんは…　』

今日も教室に行かれますか？　…　　…　　そんな風に続けたら、…

茉優子は…　どう答える？

茉優子のことだ…　きっと、…

はい、行く予定です…　　そう…シンプルな返事が来るに違いない…。
そしてそれ以降は、きっと話が続かない。
間違っても、坂下さんは来られますか…？などと、こちらの状況がわからない状態でそんな質問はしない。

俺は一体、どうしたいんだ…？　俺は自問自答する。

俺の本心…は…

彼女と心ゆくまで話したいのか…　一緒に、食事をしたいのか…？　　　　　　　　　　

答え…　は…　

俺は茉優子に会いたい…きつく、抱き締めたい…　いや、抱きたいのだ…　　　

あの、美しく儚い…　恥ずかしがり屋で…控えめな女…　　茉優子を…抱きたい…　

もういっそ、滅茶苦茶にしたい…　　

「はぁ…　…　」俺は深いため息をつく…　　
「どうした…　　清春君…　そんなにも、深いため息をついて…」
「はっ　…　！！　…　　ぁ…　…」

どうしてこうも、この男は…　

こんなにも…気配を消していきなり、俺の背後に現れるのだ…

幸いに、今度は…携帯の画面は…ホーム画面に切り替わっていた…
落ち着け…　
哲也の雰囲気にのまれるな…　

俺はゆっくりと深呼吸をして、

　　　　　哲也を見上げた…