【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

異変

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今日は英会話教室の帰りに、久しぶりに、茉優子と初めて…いや、正しくは俺が一方的に茉優子を見かけたトンテキ屋に、茉優子とふたり食事に来ていた。

「久々に来ましたね…相変わらず美味しいですね…ここのは」

「…はい…そうですね、すごく、美味しい…」

「…茉優子さん… なんだか今日…元気がないように見えますが…大丈夫ですか…?熱でも…」

俺は考えなしに、茉優子の額にそっと手のひらをあてる。

「あっ… あの、大丈夫です…清… 坂下さんっ… 人目が … 」茉優子の表情が変わる。

しまった…こんな人目につく店で、俺は何を…
慌てて、自身の手を引っ込める。
最近少し油断し過ぎていたかもしれない…俺は自分自身の気持ちをあらためて引き締める…

「あ…失礼…顔色が悪い気がして…すみません…」

「いえ… こちらこそ、すみません…」
茉優子が頭を下げる…。

今日は、英会話教室で会った時からなんとなく…茉優子の顔色に色が…精気がなかった…。

週末だから、仕事でかなり疲れているのか… 
もしくは体調が悪いのかとも思って俺の方から食事に誘うのはやめておいた。
だが帰り際、茉優子の方から食事に誘われ…それでもあまり長居は良くないのかもしれないと、手早く食事が済みそうなここに、来たのだが…。
やはり…どう見ても、具合が悪そうだ…。

「今日はもう…ここで解散しましょう… 早く帰って休んだ方がいい…」
俺はそう、彼女に促す。

だが、彼女の返答は真逆だった。

「…いや…嫌です…坂下さん… まだ、帰りたくない です…」

「…そう、ですか……」

茉優子がそのように言うのは本当に珍しいことだった。
具合が悪そうなのになぜ… 真っ先に家に帰ろうとしないのか…
もしかすると、旦那と喧嘩でもしたのだろうか… 

俺は不思議に思いながらも、ゆっくりと頷き、
いつもと同様に、茉優子より先に、ホテルへ向かった…。








 




















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