【完結・R18】鉄道の恐怖

清春編

妄想

「こんばんは、石塚さん」
「こんばんは、坂下さん」

英会話教室が始まる前、茉優子に挨拶をする。

心なしか、茉優子が俺の顔を見て、恥ずかしそうに下を向いたように見えた。
俺自身…茉優子の顔をまともに見るのが気恥ずかしいような感覚を覚えた。

茉優子と初めてセックスをしてから数日しか経っていない…　なんとも、気恥ずかしい…

瞬時に、白い顔…　色素の薄い薄茶色の瞳…　小さな唇が目に入る…。
白い首筋…　少しだけ覗く、鎖骨…

茉優子の魅力ともいえる白い肌を覆い隠す黒とグレーの洋服たちが…　本当に鬱陶しくなるほど…
なんでそこまで、肌を隠すのか…　顔と首、手しか、肌色が見えない…
黒いカーディガンやタイツだかなんだかで全て、隠されるこの人の肌を…　もう一度、見たい…。

この…綺麗な女性を…　俺は…　この腕に抱いたのだ…

ダウンライトで少し暗かったが…　全て…　茉優子の裸…全てを、見た…。
何度も隠したがる茉優子の手足を優しくベッドに縫い付けるようにしながら…

恥ずかしいからあまり見ないでという、茉優子の可愛らしい要望を紳士的に、聞くふりをしながら…

暗くて、そんなに見えてないから大丈夫です…などと優しくうそぶきながら…

実のところ、目を皿のようにして見ていた…気がする…。
茉優子の、まだ十分に張りがある乳房を……甘くたちあがっているその先端を…
そして、俺を…何度も震えながら受け入れてくれたあの場所を…淫らにうごめくその場所を…
隈なく…いやらしく…　ハッキリと…　細部まで、見た…　　…

その状況で、そこを見ない男なんて、いるものか…　いるわけがない…　

「…Ｄｏ　Ｙｏｕ　…　…　？　ミスター坂下…？」

ハッとする…。　まただ…　俺は、…俺は…　どれだけいやらしい男に…

「イエス　…　」

だめだ…今は、授業に集中して…　　その後は茉優子と、食事をして…　その後は…

俺はまた沸き上がりそうにる淫らな妄想をかき消すようにしながら、

あらためて、今まで目に入っていなかったテキストに視線を落とした…。