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清春編
嘘
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「ところでさ…清春さん、昨日は英会話の後、何してたの?」
朝食の最中、唐突に真由に聞かれる。
真由の質問に、俺の胸が早鐘を打つかのようになり始める。
何を…?
その答えは…
石塚茉優子という女性と2人で和食の店に行っていた…。
別に、やましいことはない…。
英会話で知り合った友人と、教室の後に食事に行ったのだと、普通に答えればよい。
そう…
普通に答えなければ…
俺はつとめて冷静に答えた。
「ああ…えっとね、英会話教室で知り合った人達と食事に行ったんだよ。会社でも利用する美味しい店なんだけどね…。」
これ以上掘り下げて聞いて欲しくない…
内心、そう思った。
「へえ…そうなんだ~清春さん、思い切って英会話始めて本当に良かったね~英語なら仕事にも役立つし、そんな風に一緒に楽しくご飯に行くような友達もできるなんて… いいな~~ 真由もなんか習い事、してみたいな…。」
英会話教室で知り合った人…との、食事…。
そこに嘘は、一つもない…
ないのだが、唯一、知り合った人達とつい…口走ってしまった…。
実のところ、茉優子と二人きりだ…
そして間違いなく、俺から誘った。
決して、複数ではない、
一対一の… 女性との会食だ…。
しかし今更、そんな風には説明できなかった。
複数ではなく、本当は一対一だったなどと説明すれば、きっと逆に、怪しまれる。
「真由も何か始めてみるといいよ?駅前に、色々パンフ置いてるコーナーがあるから
興味あるなら貰ってこようか…?」
俺は真由の次なる質問をかわすかのように、そんな風に促した。
「本当…!?じゃあ、お願い…」
「あ…そろそろ時間だ…ご馳走様でした…」俺は慌ただしく立ち上がる。
「では…行ってきます。お兄さん、またいつでもいらしてくださいね。」
俺はリビングを出る前に、哲也に声をかける。
「ありがとう、清春君。こんな頼りない妹だが、引き続きよろしく頼むよ…」
哲也の兄はそう言って笑って、玄関で真由と並んで、わざわざ俺を送り出してくれた。
ああ…
この、少し…ざわざわした感覚は何だろう…。
その時、
俺の心の…ずっと深い…奥底に、何かが引っかかっていたのだが、
俺はそこに気付きもせず… もちろん、探ろうともせず…
その後…
真由にはない…
茉優子の魅力に…
のめり込んでいくことになった…。
朝食の最中、唐突に真由に聞かれる。
真由の質問に、俺の胸が早鐘を打つかのようになり始める。
何を…?
その答えは…
石塚茉優子という女性と2人で和食の店に行っていた…。
別に、やましいことはない…。
英会話で知り合った友人と、教室の後に食事に行ったのだと、普通に答えればよい。
そう…
普通に答えなければ…
俺はつとめて冷静に答えた。
「ああ…えっとね、英会話教室で知り合った人達と食事に行ったんだよ。会社でも利用する美味しい店なんだけどね…。」
これ以上掘り下げて聞いて欲しくない…
内心、そう思った。
「へえ…そうなんだ~清春さん、思い切って英会話始めて本当に良かったね~英語なら仕事にも役立つし、そんな風に一緒に楽しくご飯に行くような友達もできるなんて… いいな~~ 真由もなんか習い事、してみたいな…。」
英会話教室で知り合った人…との、食事…。
そこに嘘は、一つもない…
ないのだが、唯一、知り合った人達とつい…口走ってしまった…。
実のところ、茉優子と二人きりだ…
そして間違いなく、俺から誘った。
決して、複数ではない、
一対一の… 女性との会食だ…。
しかし今更、そんな風には説明できなかった。
複数ではなく、本当は一対一だったなどと説明すれば、きっと逆に、怪しまれる。
「真由も何か始めてみるといいよ?駅前に、色々パンフ置いてるコーナーがあるから
興味あるなら貰ってこようか…?」
俺は真由の次なる質問をかわすかのように、そんな風に促した。
「本当…!?じゃあ、お願い…」
「あ…そろそろ時間だ…ご馳走様でした…」俺は慌ただしく立ち上がる。
「では…行ってきます。お兄さん、またいつでもいらしてくださいね。」
俺はリビングを出る前に、哲也に声をかける。
「ありがとう、清春君。こんな頼りない妹だが、引き続きよろしく頼むよ…」
哲也の兄はそう言って笑って、玄関で真由と並んで、わざわざ俺を送り出してくれた。
ああ…
この、少し…ざわざわした感覚は何だろう…。
その時、
俺の心の…ずっと深い…奥底に、何かが引っかかっていたのだが、
俺はそこに気付きもせず… もちろん、探ろうともせず…
その後…
真由にはない…
茉優子の魅力に…
のめり込んでいくことになった…。
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