【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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清春編

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「ところでさ…清春さん、昨日は英会話の後、何してたの?」

朝食の最中、唐突に真由に聞かれる。

真由の質問に、俺の胸が早鐘を打つかのようになり始める。

何を…?
その答えは…

石塚茉優子という女性と2人で和食の店に行っていた…。

別に、やましいことはない…。
英会話で知り合った友人と、教室の後に食事に行ったのだと、普通に答えればよい。

そう… 
普通に答えなければ… 

俺はつとめて冷静に答えた。

「ああ…えっとね、英会話教室で知り合った人達と食事に行ったんだよ。会社でも利用する美味しい店なんだけどね…。」

これ以上掘り下げて聞いて欲しくない…
内心、そう思った。

「へえ…そうなんだ~清春さん、思い切って英会話始めて本当に良かったね~英語なら仕事にも役立つし、そんな風に一緒に楽しくご飯に行くような友達もできるなんて… いいな~~ 真由もなんか習い事、してみたいな…。」

英会話教室で知り合った人…との、食事…。

そこに嘘は、一つもない…  
ないのだが、唯一、知り合ったとつい…口走ってしまった…。
実のところ、茉優子と二人きりだ… 

そして間違いなく、俺から誘った。
決して、複数ではない、
一対一の… 女性との会食だ…。

しかし今更、そんな風には説明できなかった。

複数ではなく、本当は一対一だったなどと説明すれば、きっと逆に、怪しまれる。

「真由も何か始めてみるといいよ?駅前に、色々パンフ置いてるコーナーがあるから
興味あるなら貰ってこようか…?」

俺は真由の次なる質問をかわすかのように、そんな風に促した。

「本当…!?じゃあ、お願い…」

「あ…そろそろ時間だ…ご馳走様でした…」俺は慌ただしく立ち上がる。

「では…行ってきます。お兄さん、またいつでもいらしてくださいね。」
俺はリビングを出る前に、哲也に声をかける。

「ありがとう、清春君。こんな頼りない妹だが、引き続きよろしく頼むよ…」

哲也の兄はそう言って笑って、玄関で真由と並んで、わざわざ俺を送り出してくれた。

ああ… 
この、少し…ざわざわした感覚は何だろう…。

その時、
俺の心の…ずっと深い…奥底に、何かが引っかかっていたのだが、
俺はそこに気付きもせず… もちろん、探ろうともせず…  

その後…   
真由にはない… 

茉優子の魅力に…  
   のめり込んでいくことになった…。





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