【完結・R18】鉄道の恐怖

もえこ

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夫婦の話

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「清春の妻、真由は会社勤めで、他部署から異動してきた清春と出会い結婚した。結婚後は主婦業に専念するため、真由は将来がほぼ約束されていた仕事をあっさり辞めた。そこまではご存じでしょうか…?」
そう話した後、男がグラスの白ワインに口をつけながら、私を見る。

そのことは、確かに清春に聞いていた。

実のところ、清春は真由に結婚後も仕事を続けて欲しかったようだが、真由が家を守ることに専念したいと言い張り、あっさり仕事を手放したと…とても勿体ない…などど、清春が話していたのを思い出す。

「やはり、ご存じのようですね…結婚後、真由は家を守るべく頑張ろうとはしていたようです…苦手な食事作りに挑戦し…部屋の掃除、洗濯…真由はまあ、そんなに器用な女ではないから、上手には出来なかったようですが、彼女なりに頑張ってはいたようです。」

「清春は最初、そんな彼女を不器用なりに頑張る健気な女だと…思っていたようです…もちろん、夜の営みも…順調にあった…まあそれは、相手が真由なら当然でしょう…貴女、真由を一度でも見たことはありますか…?彼女は美しくスタイルも抜群だ…男なら誰でも…一度は欲しくなると思います」

真由の姿…私は彼女を一度も、見たことがなかった。

清春も、私に妻のことを話すことはあっても、写真を見せようとはしなかった。
まあ多分、私が望めば見せてくれたであろうが…お互いに…そこは触れたくない領域だったのかもしれない。
当然のことながら、清春にも私の夫の写真を見せたことがなかったからだ…


ただ…美しくてスタイルが良い…

男のその言葉は、やはり同じ女である私の自信を失わせた… 

清春の妻は、そんな女だったのか… なのになぜ、清春は私のもとに…きたのだろうか…
私は…若い頃から容姿については可愛いと…綺麗だと…言ってくれる人ももちろん数人はいたがスタイルは…とても良いとは言えない…胸も大きくはないし…男性から見たら…物足りないかもしれない…なにせ、地味な…見た目…で…

もしかしたら…魔が差した…?いや…違う…

ベッドでのあの、清春の言葉は…私を身体の奥深くまで貫きながら情熱的に囁くあの…言葉は…真実だったと、信じられる…。清春はきっと、思ってもいないことは、口には出さない…
それほどに、清春という男は軽薄な遊び人とは程遠い男なのだ。いかにその行為が不倫だとはいえ…一瞬の、その場しのぎの遊びとは…また種類を異にすると信じられる。私も同じだった…。

「おや…なにか、考えている顔ですね…でもまあ、続けましょうか…とにかく、二人の夫婦生活はまあまあ順調だった…しかし少しづつ…変化が出てきます…」

       


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