【完結・R18】鉄道の恐怖

目眩

ジ…ザザ… 

バサ… 何かが置かれるような音。

最初、何度か機械音がしたが、その後静かになる。

女の声が遠くから聞こえる。

「ね…待ってくださ…もう少し、ゆっくりしてから…あっ…んっ…やっ…ぁ」
ギシッと、音がする。

「いやだ…待てない…会いたかったんです…すごく、今すぐ…したい…ね、いい…？」
低い…男の声…

「あ…や…   恥ずか…し…、…あっ…！ま…待って…せめて、電…気…を消してくださいっ…   あと…先にシャワーを、浴びたい…、んっ」

「っ…仕方…ないな…、
…一度くらい、ちゃんと明るいところで君の全てを見たいのに…でも、そうだな…電気は消しましょう… でもシャワーはいいから…後で一緒に…入りましょう…電気ね…、待って…」

ギシリと…

男が動いたのかベッドのきしむような音…
スイッチの音は聞こえないが、恐らく…照明が落ちた…

その後、…衣擦れのような音…と、
カチャカチャと…金属音が、慌ただしく聞こえ…

「ああ…会いたかったです…本当に…好きだ…」
ギシリとベッドが再び…きしむ音。

「私も…んっ…ああ…んんっ…清春っさ、んっ…
んンっ…ん…ん」

ちゅ…くちゅ…
キスをしている最中であろう…水音…


これ以上は…聞けない…

聞く必要がない…

私は思わず、イヤフォンをむしり取る。


そのデータは間違いようもなく…
私と清春の…情事を録音したものに違いなかった…


ああ…いつから…こんなものを仕込まれていたのか。

私は座っていながら…目眩に襲われた。