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~新しい朝~
秘密
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なんとなく、思い出したこの感じ…
あんまり接点がないのに…その人と特段仲が良いという自覚もないのに食事に誘われるこのパターン…
最初のあの時と、似ている…
林さんに初めて食事に誘われたあの時… あの時に、よく似ている気がした…
嬉しい気持ちで言ったその日に、前触れもなく…しかも、こちらから聞いたわけでもないのに、
杉崎さんとのお付き合いの話を、林さんに聞かされたあの日…。
直感だった… 嫌だ… 全然、行きたくない…
細野さんと食事に行っても、楽しい食事にはならない…そんな気がした。
きっとまた…杉崎さんの話に無理矢理に持って行かれるような気がして、ならない…
今この人と行くのは危険だ…
そう思った私は横に立つ彼女をゆっくりと見上げた。
はっきり断ろう… そう思った…。
「あの…せっかくなのに、ごめんなさい…今日は無理そうです…ちょっとまだ、仕事が残ってて…体調もいまひとつなので…」なんとか、それらしい理由を並べ立てる…
これで、しばらくは仕事が終わっても帰りづらいなと頭の隅で考える…。
「え~~!そう…、ですか~~残念だな~~でも体調が悪いなら早めに帰った方がいいですよ、お大事に…!」
あっさり彼女が引き下がってくれたので、ホッとしたその瞬間、彼女が私の耳元で囁いた言葉に、
身が凍る思いがした…。
「水無月さんと…秘密の、話…したかったのにな~~」クスリと、彼女が笑う。
「え… ?… 」耳を疑う…
秘密… 秘密の話って… …
「実は私…見ちゃったんですよ…?誰かさんと誰かさんが…不思議な場所で二人でいるところを…」
「え… … 」 何を… 誰かさんって… まさか…
「その二人が…手を繋いでる、ところを…あれって~なんだったのかな~って…ふふ…」
「… … … … 」 手… 手を…繋いでいるところ…って…
いつ… いつだろう… どこで、手を… えっと…
そんなこと、した…? いつだろう…
どの日… あの日…? ああ… もう…
ああ…頭が回らない…
でも、沈黙は、駄目だ… 何か…何か、言わなきゃ…
私はなんとか平静を装いながら、まるで、時間を稼ぐかのように…
ゆっくりと彼女の方に顔を向けた…。
あんまり接点がないのに…その人と特段仲が良いという自覚もないのに食事に誘われるこのパターン…
最初のあの時と、似ている…
林さんに初めて食事に誘われたあの時… あの時に、よく似ている気がした…
嬉しい気持ちで言ったその日に、前触れもなく…しかも、こちらから聞いたわけでもないのに、
杉崎さんとのお付き合いの話を、林さんに聞かされたあの日…。
直感だった… 嫌だ… 全然、行きたくない…
細野さんと食事に行っても、楽しい食事にはならない…そんな気がした。
きっとまた…杉崎さんの話に無理矢理に持って行かれるような気がして、ならない…
今この人と行くのは危険だ…
そう思った私は横に立つ彼女をゆっくりと見上げた。
はっきり断ろう… そう思った…。
「あの…せっかくなのに、ごめんなさい…今日は無理そうです…ちょっとまだ、仕事が残ってて…体調もいまひとつなので…」なんとか、それらしい理由を並べ立てる…
これで、しばらくは仕事が終わっても帰りづらいなと頭の隅で考える…。
「え~~!そう…、ですか~~残念だな~~でも体調が悪いなら早めに帰った方がいいですよ、お大事に…!」
あっさり彼女が引き下がってくれたので、ホッとしたその瞬間、彼女が私の耳元で囁いた言葉に、
身が凍る思いがした…。
「水無月さんと…秘密の、話…したかったのにな~~」クスリと、彼女が笑う。
「え… ?… 」耳を疑う…
秘密… 秘密の話って… …
「実は私…見ちゃったんですよ…?誰かさんと誰かさんが…不思議な場所で二人でいるところを…」
「え… … 」 何を… 誰かさんって… まさか…
「その二人が…手を繋いでる、ところを…あれって~なんだったのかな~って…ふふ…」
「… … … … 」 手… 手を…繋いでいるところ…って…
いつ… いつだろう… どこで、手を… えっと…
そんなこと、した…? いつだろう…
どの日… あの日…? ああ… もう…
ああ…頭が回らない…
でも、沈黙は、駄目だ… 何か…何か、言わなきゃ…
私はなんとか平静を装いながら、まるで、時間を稼ぐかのように…
ゆっくりと彼女の方に顔を向けた…。
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