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~新しい朝~
彼女
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月曜日の朝。
私はいつものように給湯室で珈琲を準備していた。
今日の私は前の私と、違う…
杉崎さんと遂に…一線を、越えてしまったのだ…
信じられないけど、現実の話だ…
どんな顔をして、今日…杉崎さんと話せばいいのだろう…
普通に会話が出来るだろうか…
そんなことを思いながら、珈琲が抽出されるのを眺めていた時…背後に、人の気配を感じた。
「おはよう、水無月さん」優しい声音… ドキリと、胸が鳴る…。
「おはよう、ございます…」
やはり、杉崎さんだった…。
いつもと変わらない優しい表情で、私を見下ろす…。
いつも通り、スーツを格好良く着こなした杉崎さん…
ピシッとアイロンがかかったシャツに、素敵な柄のネクタイがとてもよく似合っている。
こんな素敵な人と、私は…
「… … …」あの夜のことを思い出し、思わず無言になってしまう。
「…あ、ごめんね、また驚かせちゃったかな…突然声を掛けて…」
「いえ、全然…すみません…」なぜか、咄嗟に謝罪の言葉が出てしまう。
「あの…その、この前は楽しかったね、食事も良かったし、船からの景色も…」
「はい、本当に…素敵、でしたね…」
楽しかったし、食事も良かった…
景色も勿論素晴らしかったけど… その後…… その後…
駄目だ…まだ、まともに杉崎さんの顔を見ることが出来ない…
このままだと表情に出てしまいそうだ…
そう思った矢先、
「あ!いた…!!杉崎さ~ん、おはようございま~す!あっ…っと、水無月さんも、いたんですね、おはようございます」
「あ…おはよう、…細野さん…」
そこに現れたのは、人事の細野さんだった…
薄紫の少し丈の短い可愛らしいスカートが、ひらりと揺れるのが目に映った。
杉崎さんが慌てたように、彼女を振り返る。
私もドキリとした。
すぐさまこの場を離れよう…
なぜだか本能で、そう思った。
「細野さん、おはよう、ございます…あの、私はこれで」そそくさと、言葉を続ける。
「すみませ~ん!お話し中のところ、なんだかお邪魔しちゃって…」
彼女が可愛いらしく、ペロリと舌を出す。
「あ…ああ、じゃあ、水無月さん、後でね…」
私はぺこりとお辞儀をして、淹れたばかりの珈琲を片手に、給湯室を出る。
「もう~~聞いてくださいよ、杉崎さ~~ん!あのですね… …」
「うん… 何かな… … … 」
背後に、いつもの二人のやり取りが聞こえる。
細野さんがまた、杉崎さんに仕事か上司のことか、なにかしらの相談をしているようだ…
あんな風に、好きな人に素直に懐くことが出来れば、どんなに楽しいんだろう…
自分には100パーセントない、羨まし過ぎる性格だ…
私は細野さんに対してそんなことを思いながら、オフィスへ向かった。
だがその日の夕方…
彼女は私が一人になるところを見計らってか、私の耳元で恐ろしいことを口走った…
まさか…と思ったが、もはや、どうしようもなかった…。
・・・・・・・・
新年明けましておめでとうございます。
今は時期的に厳しい状況ですが、1月4日以降はぼちぼちペースで更新予定です。
1月から開催の恋愛小説大賞にも応募しています。
応援いただけると嬉しいです。
今後ともよろしくお願いいたします。(^^)
こんな不安定なご時世ではありますが、皆様にとって良い一年でありますように☆
私はいつものように給湯室で珈琲を準備していた。
今日の私は前の私と、違う…
杉崎さんと遂に…一線を、越えてしまったのだ…
信じられないけど、現実の話だ…
どんな顔をして、今日…杉崎さんと話せばいいのだろう…
普通に会話が出来るだろうか…
そんなことを思いながら、珈琲が抽出されるのを眺めていた時…背後に、人の気配を感じた。
「おはよう、水無月さん」優しい声音… ドキリと、胸が鳴る…。
「おはよう、ございます…」
やはり、杉崎さんだった…。
いつもと変わらない優しい表情で、私を見下ろす…。
いつも通り、スーツを格好良く着こなした杉崎さん…
ピシッとアイロンがかかったシャツに、素敵な柄のネクタイがとてもよく似合っている。
こんな素敵な人と、私は…
「… … …」あの夜のことを思い出し、思わず無言になってしまう。
「…あ、ごめんね、また驚かせちゃったかな…突然声を掛けて…」
「いえ、全然…すみません…」なぜか、咄嗟に謝罪の言葉が出てしまう。
「あの…その、この前は楽しかったね、食事も良かったし、船からの景色も…」
「はい、本当に…素敵、でしたね…」
楽しかったし、食事も良かった…
景色も勿論素晴らしかったけど… その後…… その後…
駄目だ…まだ、まともに杉崎さんの顔を見ることが出来ない…
このままだと表情に出てしまいそうだ…
そう思った矢先、
「あ!いた…!!杉崎さ~ん、おはようございま~す!あっ…っと、水無月さんも、いたんですね、おはようございます」
「あ…おはよう、…細野さん…」
そこに現れたのは、人事の細野さんだった…
薄紫の少し丈の短い可愛らしいスカートが、ひらりと揺れるのが目に映った。
杉崎さんが慌てたように、彼女を振り返る。
私もドキリとした。
すぐさまこの場を離れよう…
なぜだか本能で、そう思った。
「細野さん、おはよう、ございます…あの、私はこれで」そそくさと、言葉を続ける。
「すみませ~ん!お話し中のところ、なんだかお邪魔しちゃって…」
彼女が可愛いらしく、ペロリと舌を出す。
「あ…ああ、じゃあ、水無月さん、後でね…」
私はぺこりとお辞儀をして、淹れたばかりの珈琲を片手に、給湯室を出る。
「もう~~聞いてくださいよ、杉崎さ~~ん!あのですね… …」
「うん… 何かな… … … 」
背後に、いつもの二人のやり取りが聞こえる。
細野さんがまた、杉崎さんに仕事か上司のことか、なにかしらの相談をしているようだ…
あんな風に、好きな人に素直に懐くことが出来れば、どんなに楽しいんだろう…
自分には100パーセントない、羨まし過ぎる性格だ…
私は細野さんに対してそんなことを思いながら、オフィスへ向かった。
だがその日の夕方…
彼女は私が一人になるところを見計らってか、私の耳元で恐ろしいことを口走った…
まさか…と思ったが、もはや、どうしようもなかった…。
・・・・・・・・
新年明けましておめでとうございます。
今は時期的に厳しい状況ですが、1月4日以降はぼちぼちペースで更新予定です。
1月から開催の恋愛小説大賞にも応募しています。
応援いただけると嬉しいです。
今後ともよろしくお願いいたします。(^^)
こんな不安定なご時世ではありますが、皆様にとって良い一年でありますように☆
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