上 下
410 / 538
~智花~

遠距離恋愛

しおりを挟む
「智花さ~ん どうしたんですか…?ぼ~~っとして…」

ハッとする…。

「あ… … 」

「…大丈夫? 何かありました… ?」

ヨガの教室で知り合った友人と、教室の後に近くのイタリアンの店にランチに来ていた。

「んー 何も、ないかな… …ないな~ なさ過ぎ、かな… 」

「は~~?意味わかんないです…そうそう、最近彼氏とはどうですか!?遠恋中の東京にいる彼氏…なんだっけ、しゅう…しゅ… 」

「修哉、さんね…杉崎さん…」
名前じゃなくて苗字で呼んでよと、内心思う。
私は心が狭いだろうか…

「そうそう、杉崎!修哉さん…!」

「声、大きい…って!…」

「何ですか~~こっちの人じゃないんだし、いいじゃないですか~」

友人がぷうと、頬を膨らませる…。
私にはない、可愛い一面だ。

自分の希望で福岡に研修に来て二月少しでやっと会社にも慣れ…
なまった身体を整えようと、職場近くのヨガに通い始めた。
そこで声を掛けてきたのが、この子。
それから仲良くなり、今では結構な頻度で食事に来たりしている。

私とは全く違う性格だし、年もいくつも下…なのに…
なぜだか明るいこの子と一緒にいるのは結構気が楽で、
今日もまた声を掛けられるままに一緒に行動していた。

「その杉崎さんって人と、最近どうなんですか…?っていうか遠恋ってどうですか…?私には絶対無理だな~」

友人が笑って私を見る。
猫のような目で懐っこい表情…にかっと笑った時の、白い歯が眩しい。
この子はモテるだろうなと、会ってすぐに思った記憶がある。

少し派手目な服装、露出も高め…スタイルは抜群にいい…なのに、不思議と下品だとは思わない。
洋服のチョイスが…着こなしが、うまい… 
自分の見せ方をよくわかっているのだろう。

「んー-…遠距離恋愛ね…  どう…なんだろ… 」

最近、修哉さんがよくわからない…

ううん、違う … 

最初から、わからない… 

今だって、わからないまま…なのかも、しれない…































  
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

我慢できないっ

滴石雫
大衆娯楽
我慢できないショートなお話

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

校長先生の話が長い、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。 学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。 とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。 寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ? なぜ女子だけが前列に集められるのか? そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。 新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。 あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

処理中です...