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〜余韻〜

静かな室内

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「あ…の、さっきはすみませんでした…」

バスローブを羽織って部屋に足を踏み入れると、
暗めの室内の端…窓際にある小さなテーブルの前にあるソファーに、杉崎さんがひっそりと腰かけていた。

「ううん…こちらこそ、ごめん…お風呂中に声かけるのはどうかなとも、思ったんだけど…
もしも何かあったらって、気になってしまってね…でも何事もなくて、良かったよ」

「 はい…」
「あ…座って…?とりあえず、ゆっくりしよう…」


            …シーンとした、室内…

今更ながらに、 …杉崎さんと身体を重ねたことが…信じられないような気がしてくる…。

「水無月さん、喉乾いてない…?ルームサービスでも頼もうか…?お腹は空いてたりする…?」

「えっと… そうですね…」
シャワーが長かったせいか、喉はかなり渇いていた…お腹も少し…

それにしても今、何時くらいなんだろう…

気になって部屋のベッドサイドにある時計を見ると…既に夜の11時を過ぎていた…。
もう、こんな時間…だったのか…確か、このホテルに来たのは9時前…位だったように記憶している…
それから…二時間近く、杉崎さんと私は…  このベッドの上で… 

こんな時間…夜に杉崎さんとホテルの一室に二人でいることが、不思議に思えてくる…。
まるで、現実感がない…。

杉崎さんが私の返事を待っていることに気付き、ハッとして返事をする。

「あの…私は飲み物だけで大丈夫です…杉崎さんもし何かあれば、どうぞ…」

「そうだね…俺、少しだけ小腹が空いちゃったから、甘いものでも頼もうかな…えっと…」

部屋にあるルームサービスのメニューを開く杉崎さんを、ぼうっと見つめる私…。

バスローブから覗く鎖骨がやけに、生々しい…
さっきまであんなに至近距離で、杉崎さんの肌に触れていたのがまるで嘘のように思えてくる…。

「じゃあ、適当に頼むね…水無月さん、おいで…ここに座って待ってて…」

フロントに電話をする杉崎さんを見つめながら…
私はそっと、杉崎さんの傍…の
           ソファーに腰掛けた…。









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