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~二人~

待ち合わせ

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約束の土曜日

昨日は主任に冷やかされ、気を遣った石田さんには優しくフォローされ…私の中に色々な…複雑な感情が入り混じる中、今日を迎えた。

時間よりかなり早めに、待ち合わせの場所に着く。
あたりを見渡すがまだ30分以上前…さすがに杉崎さんは来ていない…。

クルーズ船の船着き場周辺には、
もうすでに、
何組かのカップルが楽しそうに会話をしながら待機していた…。

今日はあくまで…旅行会の後のご褒美という位置づけ…

そうは言っても、杉崎さんとのデート…のようなものだ。
私はかなり緊張していた。

思えば、平日の仕事後に杉崎さんと食事に行くことはあっても、休日の日にわざわざ約束をして会うのは初めてのことだ。しかも今日は…船上での豪華な食事…。
今日くらいはと、私はいつもの地味な服ではなく、自分の持っている洋服の中でも少しドレッシーな服を着用した。

薄いブルーのブラウスに紺のシフォンスカート…風で少し揺れるのが気になるがめくれるほどではない…。
少し肌寒かったので海辺ということもあり上着を羽織り、まだ時間があるので少し周辺を歩くことにした。


結局のところ、拓海にきちんと話が出来なかった。
拓海はベッドの中で情熱的に…激しく突き上げながら、私のことを好きだと…何度も言う…
でもきっと…拓海には九州に、身体の関係がある女性…さすがに心まではわからないが…そんなひとがいるに違いない。

きっとそのひとと…何度も抱き合い、その人とのセックスを通じて女への愛撫の仕方や…他にも色々なことを吸収して、それを私に実践している…。
そんな気がして、ならない。
でも、不思議とそれほどのショックはない…。

ただ、あの純粋で真っすぐな人間だと…信じ込んでいた拓海が…私に普通に接しつつ、その一方で私以外のひとと、器用にそんなことをしているという事実に…やはりまだ、頭がついて行っていないのかもしれない…。

でも、私だって同じだ…
 
拓海が、もし…最後までいっていないとはいえ、私と杉崎さんがしたことを知れば…どんなにショックを受けるだろうか…。
まさか私が…と、そんな風に思われるに違いないのだ…。

私はため息をつく…。

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