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~二人~
朝
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月曜日
給湯室でいつものように珈琲をセットしていると、背後から聞きなれた低い声がする。
「おはよう、水無月さん。今日も早いね。」
杉崎さんがニコリと微笑んで、私に挨拶をしてくれる。
「おはようございます。杉崎さん…土曜日はすみませんでした…また、同席させていただいて…。」
拓海が4人で飲みましょうと…そのように声をかけた…せいで、
また、微妙な空気が流れる飲み会となってしまった…そのことについては本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった…。
「いや全然…大丈夫だよ…でも…さ…、あの時…っていうか、あの後…」
杉崎さんが何か、私に言いかけようとしたその時、
「あーー!杉崎さん、ここにいた~~ もう~~…、聞いてくださいよ~~…」
廊下の向こうで、人事部の細野さんがひらひらしたピンクのスカートの裾をなびかせながら、杉崎さんをやっと見つけたとばかりに、ズンズンと勢いよくこちらに向かってくる…。
「あ…っと、ごめん…また、今度…話す、ね…」
そう言って、杉崎さんはすぐに、自分から細野さんの方へ向かって歩いて行ってしまった…。
…杉崎さんは、私に何を言おうとしたのだろう…。
続きが気にはなったが、もしかしたら職場で…
こんな誰かに聞かれるかもしれないような場所で、話せることでもないのかもしれない…
そう納得をして、私は珈琲を抽出した後、静かにデスクに戻った…。
まだ始業時間まで15分程ある…
主任と石田さんの出勤もまだなので…一人、珈琲を片手に土曜日のことをぼうっと思い返す…。
給湯室でいつものように珈琲をセットしていると、背後から聞きなれた低い声がする。
「おはよう、水無月さん。今日も早いね。」
杉崎さんがニコリと微笑んで、私に挨拶をしてくれる。
「おはようございます。杉崎さん…土曜日はすみませんでした…また、同席させていただいて…。」
拓海が4人で飲みましょうと…そのように声をかけた…せいで、
また、微妙な空気が流れる飲み会となってしまった…そのことについては本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった…。
「いや全然…大丈夫だよ…でも…さ…、あの時…っていうか、あの後…」
杉崎さんが何か、私に言いかけようとしたその時、
「あーー!杉崎さん、ここにいた~~ もう~~…、聞いてくださいよ~~…」
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