【完結 R18】ほかに相手がいるのに

〜彼氏〜

手で

「…　なんで…拓海…   …そんなこと…　…突然…」

不意に、疑問が口を突いて出る。

「…なんでってさ…まあ、普通なことじゃん…世の中のカップルにとっては…
俺らがたまたま、あの時以来、しなかっただけで…だから…な…」

欲情した目で私を見据え、拓海はベッドで私を横抱きにし、私の頭を下へ…そこへ…持っていこうとする…。

・・・　いやだ　・・・　したくない…　

こんな行為も…セックスだって…　もう…　本当はしたくない…　

でも、そんな言葉、やっぱり今の私の口からは出てこない…。
何一つ、言えない…。
拓海の機嫌を損ねたくもないし、
もう…今日は拓海の言うとおりに…するしかない…

意を決した私は、身体を少し下に移動し　
恐る恐る拓海のそれに触れ…　まずは…手で包み込み…上下に動かす…。

「ん…　そうそう　…　ん…っ　いいけど…弱い…、もっと、強く…圧迫して…　」
拓海が目を閉じて呟く…。

「…　…　」
私は無言でその指示に従う。

手の動きのスピードを速め、…さらに強くそれを圧迫するように握り込んで手を…上下させる…。
堅い拓海のモノの表面の柔らかな皮膚が…私の手の動きに吸い突くようにうごめく…。

この調子で手で…そして、両方の指を駆使して上手に愛撫し続ければ・・・拓海は達して…もしかしたら口でしなくとも、満足するのではないか…。

そんな期待を胸に、私は必死に…手をうごめかせた…。

筋に沿って手を這わせ…先端の部分をぐりぐりと刺激する…
正直、それが気持ちいいのかもわからない状態でただただ…単調な動きにならないように努めた…。
「…痛くない…？」一応、気になることを聞いてみる…。

「んンっ…　ふ…全然…痛くねぇ…ってか…　葉月…　おまえ…結構、…うまいじゃん・・・どっかで練習した…？なんてな…いいよ…その調子…っくっ…」

拓海は気持ちよさそうに腰を震わせながら、私のそれを…その行為を褒める…。
練習したかと聞かれ…うまいなどと言われて…　複雑な気持ちになる。

「んー…　気持ちい…　んンっ…」

もしかしたら拓海は…もうすぐ…　だろうか…　
私はさらに手の動きを早める…　　このまま…このまま…　　

するとそっと拓海の手が私の髪に触れ、後頭部をするっと撫でるような動きをしたかと思うと…不意にグイっと私のそこを包み込む手をつかんで離され、顔を拓海のその部分へ…持っていかれる…。

「…　葉月　…　　ほら　…　　　　舐めて　…」

「…　…　　う…　…ん　…　…」

私の期待は、簡単に打ち砕かれた…。
とても、この状況で嫌だとは言えない…。

私は…

ついに、目を閉じてそこに…

　　　　　　　　顔を近づけた…。