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~接近~
珈琲たいむ
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「ありがとうござました…すみません、お言葉に甘えて…」
シャワーを浴び、衣類を身に着けて部屋に戻ると…
部屋中に、珈琲の良い香りが漂っていた。
「あ…水無月さんごめんね、お風呂…狭くなかったかな… …?」
キッチンに立つ杉崎さんが、カチャカチャと珈琲カップを準備しながらこちらを一瞬だけ、見やる。
「あ…いえ、全然…ちょうどよかったです…。」
何がちょうど良かったのか…
自分で答えていて、よく意味が分からない…
そもそも、杉崎さんの顔を、まともに見ることが出来ない自分がいた…。
あんなことまでしておいて…何事もなかったように普通に会話なんてできない…
本当は珈琲なんて飲まずに…今すぐ逃げ出したいくらいに恥ずかしくてたまらなかった…。
「…あ…そうそう、さっき話してた珈琲…もう少しで抽出できるから、あとちょっと、そこのソファーで待っててね…」そう言って、杉崎さんが私に微笑みかける。
「あ…はい…すみません…」
既に準備をしてくれているのに、無下に断るわけにもいかない…
私は素直に、ソファーに座って杉崎さんを眺める…。
杉崎さんは、背が高くて…顔が小さい。
そのうえ、普通の人より、腰の位置が高い気がする、つまり足が長い…
肩幅は結構あるのに、腰がきゅっと締まっていて、その下に、形の良い…お尻、長い脚…。
シャツを腕まくりしている部分…肘から手首にかけて、うっすらと浮き上がる筋が、なんとも男らしい…。
はっ…。
私はじろじろと、何を熱心に見ているのだ…
杉崎さんがこちらを見ずにキッチンで動いているのをいいことに、完全に杉崎さん観察モードに入っていた。
「できた…」杉崎さんが嬉しそうに微笑みながら、お盆に湯気の立つ、珈琲カップを乗せる。
「どうぞ…熱いから気を付けて…」そう言いながら、私の前の小さなテーブルに珈琲を置く。
小さなチョコレートと焼き菓子のお皿も珈琲の横に並べ、お盆を下げに行く杉崎さん。
まるで、お洒落なカフェの店員さんのようだ…。
杉崎さんが仮にカフェの店長や店員であれば、瞬く間に女性たちが集うカフェになるだろう…。
少なくとも私はきっと通ってしまうに違いない…
不意に、そんなことを想像してしまい、思わずクスリと笑う私…。
「…ん…?どうかした…?あ…珈琲、飲んでみてね…」お盆を下げにいった杉崎さんが、もう、すぐ傍まで来ていた。
距離は一定程度あるものの、ソファーのすぐ隣に腰掛け、ドキリとする私。
「あ…いえ、…カップも…何もかも、お洒落だな…って…珈琲…いい香りですね…いただきます…」
一口、口にする…。ふわりと…珈琲の芳醇な香りが口内に広がる…苦みと…酸味と… かすかな甘み…
ん…確かに…すごく、美味しい…。私の普段飲んでいるものと、全然違う…。
「あ…ほんとだ…美味しい…すごく好きです、この味…」
杉崎さんは私の感想を聞くや否や、ニッコリ微笑んで、
「ほんと?良かった…俺もこれ好きで…水無月さんに是非、飲んで欲しかったんだ…おかわりもあるから、ゆっくり飲んでね。…あ、お菓子もどうぞ。」焼き菓子の乗ったお皿も寄せてくれる杉崎さん。
綺麗な目がこちらを覗き込んで、満足そうに微笑んでいる…
とても彼の目を直視できずに、すぐに目を逸らしてしまう私…。
その後、杉崎さんも珈琲を口にし、「ん…やっぱり美味い…」そう呟いて、
「ほんとですね…美味しい…もし仮に喫茶店でこれ置いてたら、きっと私、リピーターになって注文します……」
「ははっ…いいね…いいよ、いつでも俺の家で注文してくれて… なんてね…ダメか、今はまだそんな…」
… … 二人の間に、沈黙が流れる … …
シャワーを浴び、衣類を身に着けて部屋に戻ると…
部屋中に、珈琲の良い香りが漂っていた。
「あ…水無月さんごめんね、お風呂…狭くなかったかな… …?」
キッチンに立つ杉崎さんが、カチャカチャと珈琲カップを準備しながらこちらを一瞬だけ、見やる。
「あ…いえ、全然…ちょうどよかったです…。」
何がちょうど良かったのか…
自分で答えていて、よく意味が分からない…
そもそも、杉崎さんの顔を、まともに見ることが出来ない自分がいた…。
あんなことまでしておいて…何事もなかったように普通に会話なんてできない…
本当は珈琲なんて飲まずに…今すぐ逃げ出したいくらいに恥ずかしくてたまらなかった…。
「…あ…そうそう、さっき話してた珈琲…もう少しで抽出できるから、あとちょっと、そこのソファーで待っててね…」そう言って、杉崎さんが私に微笑みかける。
「あ…はい…すみません…」
既に準備をしてくれているのに、無下に断るわけにもいかない…
私は素直に、ソファーに座って杉崎さんを眺める…。
杉崎さんは、背が高くて…顔が小さい。
そのうえ、普通の人より、腰の位置が高い気がする、つまり足が長い…
肩幅は結構あるのに、腰がきゅっと締まっていて、その下に、形の良い…お尻、長い脚…。
シャツを腕まくりしている部分…肘から手首にかけて、うっすらと浮き上がる筋が、なんとも男らしい…。
はっ…。
私はじろじろと、何を熱心に見ているのだ…
杉崎さんがこちらを見ずにキッチンで動いているのをいいことに、完全に杉崎さん観察モードに入っていた。
「できた…」杉崎さんが嬉しそうに微笑みながら、お盆に湯気の立つ、珈琲カップを乗せる。
「どうぞ…熱いから気を付けて…」そう言いながら、私の前の小さなテーブルに珈琲を置く。
小さなチョコレートと焼き菓子のお皿も珈琲の横に並べ、お盆を下げに行く杉崎さん。
まるで、お洒落なカフェの店員さんのようだ…。
杉崎さんが仮にカフェの店長や店員であれば、瞬く間に女性たちが集うカフェになるだろう…。
少なくとも私はきっと通ってしまうに違いない…
不意に、そんなことを想像してしまい、思わずクスリと笑う私…。
「…ん…?どうかした…?あ…珈琲、飲んでみてね…」お盆を下げにいった杉崎さんが、もう、すぐ傍まで来ていた。
距離は一定程度あるものの、ソファーのすぐ隣に腰掛け、ドキリとする私。
「あ…いえ、…カップも…何もかも、お洒落だな…って…珈琲…いい香りですね…いただきます…」
一口、口にする…。ふわりと…珈琲の芳醇な香りが口内に広がる…苦みと…酸味と… かすかな甘み…
ん…確かに…すごく、美味しい…。私の普段飲んでいるものと、全然違う…。
「あ…ほんとだ…美味しい…すごく好きです、この味…」
杉崎さんは私の感想を聞くや否や、ニッコリ微笑んで、
「ほんと?良かった…俺もこれ好きで…水無月さんに是非、飲んで欲しかったんだ…おかわりもあるから、ゆっくり飲んでね。…あ、お菓子もどうぞ。」焼き菓子の乗ったお皿も寄せてくれる杉崎さん。
綺麗な目がこちらを覗き込んで、満足そうに微笑んでいる…
とても彼の目を直視できずに、すぐに目を逸らしてしまう私…。
その後、杉崎さんも珈琲を口にし、「ん…やっぱり美味い…」そう呟いて、
「ほんとですね…美味しい…もし仮に喫茶店でこれ置いてたら、きっと私、リピーターになって注文します……」
「ははっ…いいね…いいよ、いつでも俺の家で注文してくれて… なんてね…ダメか、今はまだそんな…」
… … 二人の間に、沈黙が流れる … …
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