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〜戸惑いの日々〜

距離

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「あ…おかえり~どうだった?外でのランチ」
チャイムと同時に滑り込むように部屋に戻ると、杉崎さんに笑顔でそう聞かれる。

時間もギリギリ、いつものランチの数倍の値段のランチ…そして、話は楽しいものではなかった…

私は、「…あ…はい…普段よりリッチな感じの…はい、美味しかったです。」

「そっか!良かったね…たまには外で食べるのもいいな…俺も今度行こっかな。」
杉崎さんは独り言のようにそう言ってニコリと笑った。

…あなたを慕っている人事部の細野さんに…さきほど小さな釘を一本、刺されました…
だからしばらく、あなたとはあまり関わらないようにします… なんて、心の中で思ってみる。

その日から、ほんの少し…私の心の中だけに、杉崎さんとの距離が出来てしまった。

もちろん、あからさまに避けるわけでもなく…必要以上には…特に、仕事以外のことでは近付かないようにした。

もちろん、杉崎さんには違和感を抱かせないように…ごく自然に…そうするように心がけた。

思えば、単に職場の同僚というだけで…私と杉崎さんは、確かに最近…近付き過ぎていた…

たまの食事くらいはともかく、仕事の一環とはいえ…一緒に…車で遠出したり…部屋にお邪魔、したり…
近付き過ぎて、その分ハプニングも多くて… 余計に… 気持ちがざわざわ…してくる。 

駄目だ…このままじゃ駄目… もう、絶対…、近付かない…。
これ以上、杉崎さんには… 近寄らない… 
でないと確かに…林さんに…拓海に… 申し訳ない…細野さんにも誤解される…

私の気持ちはどうあれ、…もう、…これ以上は駄目だ… 

私は心にそう決めて、拓海の帰省する週末を迎えた。






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