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〜二人きり〜

固まる

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「う…わぁっ! ごっ…ごめんっ!!…」

杉崎さんと、一瞬だけではあるが、洗面台の鏡の中で目が合う。
私は目を見開いて浴衣を脱ぎかけのまま固まり、杉崎さんも目を見開いて、凝固。

帯は取り去っていたため、浴衣の前は完全にはだけ、ブラと…ショーツが丸見え状態…おへそ…も…
両方の肩も完全に露出していて… 半裸…と言っても過言ではない。

「きゃーーー!!いやっ…!!」
私は思わず胸の部分を交差するように手で抑えて床にしゃがみ込む。

「ご…ごめ!!ごめんっ!!」
杉崎さんは目が合った直後にその場を去っていて、部屋の方から慌てた声が響く。

「ごめんっ!水無月さん!!俺、部屋にまだ誰もいないと思って、そっち行っちゃって…
一応声かけたけど返事なかったから…本当に、わざとじゃないんだ…っていうか、いや…俺が全面的に悪い!
本当にごめん…!あの…見てないから…!本当にほとんど、全然!!もう、絶対そっちいかないから、ゆっくり着替えて!!ごめん…」

杉崎さんがごめんごめんと…謝罪の言葉を連呼している…

あまりの恥ずかしさに…顔から火が出そうだ…

こんなみだらな格好…を、彼氏以外の男性…に見られるなんて…。
胸とか…下…とか…下着…とか…ああああ…死にそう…消えたい…

「あ…あ…いえ…全然…あ…あの、着替え…るので、少し待ってください…」と、なんとか震える声で返事をする。

「うん…ゆっくり…ね、本当にすまない…俺、最低…だな、本当に…ごめん…」…しょげる杉崎さん。

すごく落ち着かない…大体、この洗面所に扉がないのがいけないのだ… 
私はその後、自分でも驚くほどに手早く洋服に着替える…

そうしている間に、仲居さんが入ってきて、お昼の用意を始めたようだ。

数分後、身なりを整えて部屋に戻ると、ちょうど食事の準備を終えた仲居さんが挨拶をしてくれる。

「こちら、プランのお食事でございます。よろしければ、お座りくださいませ。お料理の説明を簡単にさせていただきますね…!」手を添えながらニコニコと一品ずつ説明を加えてくれる。

ひととおり説明を終えると「では、ごゆっくりお楽しみください」そう言って、仲居さんが部屋を出ていく。

「あ…の、お待たせしました…」
正面に座る杉崎さんを見る。目が合って、体温が上がる…
あの一瞬で…どこまで、見られただろうか…恥ずかしい…

「ううん…全然…さっきはごめんね… さ…食べようか…」杉崎さんも顔が真っ赤だ…。

「はい…では、いただきましょう…いただきます…!」
色とりどりの美味しそうな料理が机いっぱいに並ぶ…お昼にしては、すごく豪勢だ…せっかくのお料理…うん、とにかく、楽しく食べよう…

なんとか気を取り直しながら、私は箸を手に取った…。










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