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~近付く二人~

悪いこと

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「ん…ふっ…」

…ちゅっ…という音を最後に、杉崎さんの唇が…名残惜し気にやっと私の唇から離れた…。

「ふ…」キスの間、目をぎゅっと閉じていた私は、ゆっくりと目を開く。
目の前には…杉崎さんの…セクシーな首筋…少し上に視線を移すと細い顎…濡れた唇…最後に、杉崎さんと目が合う。

…咄嗟に顔を、伏せる。

…恥ずかしくて…とてもまともに、顔を見ることが出来ない…。
なんてことを…してしまったんだろう… 嘘だ…私が…こんなことを…する筈がないのに…

動揺を隠せず、下を向いたままでいると、杉崎さんに肩をゆっくりと引き寄せられ、ギュッと…抱き締められる… 
大きな温かい胸にうずもれながらも…どうしても、次の言葉が出てこない…。なんて言えばいいのか…
密着した杉崎さんの胸の鼓動が…すごく早いのだけは、わかった… 

この展開に…杉崎さんもきっと…動揺しているに違いない…きっと、そうなのだ…私と同じだ…。

お互いに、彼氏彼女あいてがいる関係で… 別の相手とキスをしてしまったのだから。

お酒に酔っていた…? 誘惑された…? 一時の気の迷い…?

どんな理由があるにせよ、世間一般で言うと、私たちはしてはいけないこと…悪いことをした…のだ…
それだけは間違いない…。


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