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最後の確認

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「白石…さん…」俺は彼女を振り返り、声をかける。

自分でもわかるくらいに、声が震えている。

「…はい…」
由良さんはこちらを見ずに、下を向いたまま、はい、とだけ、答える。バッグも…持ったままだ…。

「あの…こんな所に…来てしまいましたけど…本当にあの…いい…んですか…?」

俺は一応、彼女に問うものの…こんなホテルに二人で入って…今更…ここで嫌だと言われても…という気持ちが…本当は勝って…いた。

でも、だからといって、いきなり彼女を押し倒して襲えるわけでもないし…やっぱり…もう一度だけ、由良さんの気持ちを…言葉で聞かずにはいられなかったんだ…

彼女は今度こそ、俺をまっすぐに見返す。
パッチリしたくっきり二重の大きな…彼女の濡れたような瞳が、俺を射止める。

「はい…木下さん、して…
         抱いて…ください。」

     ああ…もう、ダメだ…

その由良さんの発したキーワードで、理性が…吹っ飛びそうになるのをなんとか堪え、俺は…彼女の腕を引く。

「…あっ…」由良さんが小さく声をあげる。

彼女の細い手首をつかみ、俺の胸の中に…抱き寄せる。いつものハグの時と同じだ…

柔らかくて…驚くほどに華奢だ…。
彼女が愛おしい…俺の全身が…そう、叫んでいる…

彼女の手の中にくっついたままになったバッグを…受け取り、近くのテーブルに置く。

「好き…です…白石…さん」
俺は彼女を抱きとめたまま、彼女の唇を塞ぐ…。
  
もしかしたら俺は初めて…
彼女に直接的に…好き…と言った…かもしれない。

「…ん…んん、ん…」
    キスの最中の可愛い、喘ぎ声。

今から俺は…彼女を抱く…

俺は先を急ぎそうになる自分自身をなんとか抑えつつ…彼女の唇をむさぼった。

              








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