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第2章

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土曜日のお昼少し前に、僕は目覚めた。

昨夜は主任に結局美波さんのことを聞き出せず、あの後は延々と、主任と奥さんのなれそめや主任のこれまで培った恋愛観…僕に対する叱咤激励しったげきれい…続く根性論… 

僕は酔った主任の話に合わせて何度も相槌を打ち、首回りが疲れてしまったくらいだ…。

僕も何度も主任にお酒を注がれ、勧められるままに飲み干し…

結局多分、最後は酔いつぶれ… 意識朦朧の状態でなんとか自宅に辿り着き、這うようにしてベッドに寝そべった… 

多分そんなところ…だと、思う…
記憶もかなりあいまいだけど、家にちゃんとついているということは、多分そういうことだ…

僕はガンガンする頭を押さえながら、冷蔵庫へ向かう。

買いだめしている冷えたミネラルウォーターを取り出し、一気に喉に流し込む…
ついでに、二日酔いの頭痛緩和の薬も…  口内に放り込む…。


こんなに飲んだのは久々だ…と言えるくらい飲んだ…

主任もきっと飲むのが久々だったに違いない…。
しかも相手が、自分の上司とかではなく普段使えないタイプの冴えない部下の僕だから…あまり気を遣わずに済んだのだろうか…いつもよりかなり饒舌で、陽気だった…。

ああ…でも、すごく疲れた…

そもそも、美波さんのことを知りたくて気が進まないながらも主任に随行したのに、蓋を開けば、なーんにも得たものなし…。せっかくだから、内緒だよ…位の前置きをして、少しくらい教えてくれたっていいのに…とも思う。

美波さんとともに、お弁当屋さんに入って行ったそうすけくんっていう男の子と、つぼみ保育園…美波さんがその子に、お母さんっ…て、呼ばれていたことから推測して、
美波さんが仕事をしながら密かに、一人の男の子を育てていることだけ…わかったのはそれだけだ…

つまり、僕が目撃した情報のみ… 
なんの収穫もない飲み会だったと、振り返る僕…。

主任に何度聞いたところできっと、個人情報を理由に、何一つ教えてくれないに決まっている…

それならいっそ…僕自身で密やかに、彼女の尾行や観察をして、彼女の秘密を暴き出そう…。


思い立ったら吉日。
ちょうど時間はお昼前…お腹も減ってきたことだし…

僕は、お昼を買いに行きがてら、思い切って、あのお弁当屋さんに向かうことを決意した。














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