20 / 25
第2章
8
しおりを挟む
土曜日のお昼少し前に、僕は目覚めた。
昨夜は主任に結局美波さんのことを聞き出せず、あの後は延々と、主任と奥さんのなれそめや主任のこれまで培った恋愛観…僕に対する叱咤激励…続く根性論…
僕は酔った主任の話に合わせて何度も相槌を打ち、首回りが疲れてしまったくらいだ…。
僕も何度も主任にお酒を注がれ、勧められるままに飲み干し…
結局多分、最後は酔いつぶれ… 意識朦朧の状態でなんとか自宅に辿り着き、這うようにしてベッドに寝そべった…
多分そんなところ…だと、思う…
記憶もかなりあいまいだけど、家にちゃんとついているということは、多分そういうことだ…
僕はガンガンする頭を押さえながら、冷蔵庫へ向かう。
買いだめしている冷えたミネラルウォーターを取り出し、一気に喉に流し込む…
ついでに、二日酔いの頭痛緩和の薬も… 口内に放り込む…。
こんなに飲んだのは久々だ…と言えるくらい飲んだ…
主任もきっと飲むのが久々だったに違いない…。
しかも相手が、自分の上司とかではなく普段使えないタイプの冴えない部下の僕だから…あまり気を遣わずに済んだのだろうか…いつもよりかなり饒舌で、陽気だった…。
ああ…でも、すごく疲れた…
そもそも、美波さんのことを知りたくて気が進まないながらも主任に随行したのに、蓋を開けば、なーんにも得たものなし…。せっかくだから、内緒だよ…位の前置きをして、少しくらい教えてくれたっていいのに…とも思う。
美波さんとともに、お弁当屋さんに入って行ったそうすけくんっていう男の子と、つぼみ保育園…美波さんがその子に、お母さんっ…て、呼ばれていたことから推測して、
美波さんが仕事をしながら密かに、一人の男の子を育てていることだけ…わかったのはそれだけだ…
つまり、僕が目撃した情報のみ…
なんの収穫もない飲み会だったと、振り返る僕…。
主任に何度聞いたところできっと、個人情報を理由に、何一つ教えてくれないに決まっている…
それならいっそ…僕自身で密やかに、彼女の尾行や観察をして、彼女の秘密を暴き出そう…。
思い立ったら吉日。
ちょうど時間はお昼前…お腹も減ってきたことだし…
僕は、お昼を買いに行きがてら、思い切って、あのお弁当屋さんに向かうことを決意した。
昨夜は主任に結局美波さんのことを聞き出せず、あの後は延々と、主任と奥さんのなれそめや主任のこれまで培った恋愛観…僕に対する叱咤激励…続く根性論…
僕は酔った主任の話に合わせて何度も相槌を打ち、首回りが疲れてしまったくらいだ…。
僕も何度も主任にお酒を注がれ、勧められるままに飲み干し…
結局多分、最後は酔いつぶれ… 意識朦朧の状態でなんとか自宅に辿り着き、這うようにしてベッドに寝そべった…
多分そんなところ…だと、思う…
記憶もかなりあいまいだけど、家にちゃんとついているということは、多分そういうことだ…
僕はガンガンする頭を押さえながら、冷蔵庫へ向かう。
買いだめしている冷えたミネラルウォーターを取り出し、一気に喉に流し込む…
ついでに、二日酔いの頭痛緩和の薬も… 口内に放り込む…。
こんなに飲んだのは久々だ…と言えるくらい飲んだ…
主任もきっと飲むのが久々だったに違いない…。
しかも相手が、自分の上司とかではなく普段使えないタイプの冴えない部下の僕だから…あまり気を遣わずに済んだのだろうか…いつもよりかなり饒舌で、陽気だった…。
ああ…でも、すごく疲れた…
そもそも、美波さんのことを知りたくて気が進まないながらも主任に随行したのに、蓋を開けば、なーんにも得たものなし…。せっかくだから、内緒だよ…位の前置きをして、少しくらい教えてくれたっていいのに…とも思う。
美波さんとともに、お弁当屋さんに入って行ったそうすけくんっていう男の子と、つぼみ保育園…美波さんがその子に、お母さんっ…て、呼ばれていたことから推測して、
美波さんが仕事をしながら密かに、一人の男の子を育てていることだけ…わかったのはそれだけだ…
つまり、僕が目撃した情報のみ…
なんの収穫もない飲み会だったと、振り返る僕…。
主任に何度聞いたところできっと、個人情報を理由に、何一つ教えてくれないに決まっている…
それならいっそ…僕自身で密やかに、彼女の尾行や観察をして、彼女の秘密を暴き出そう…。
思い立ったら吉日。
ちょうど時間はお昼前…お腹も減ってきたことだし…
僕は、お昼を買いに行きがてら、思い切って、あのお弁当屋さんに向かうことを決意した。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ずぶ濡れで帰ったら彼氏が浮気してました
宵闇 月
恋愛
突然の雨にずぶ濡れになって帰ったら彼氏が知らない女の子とお風呂に入ってました。
ーーそれではお幸せに。
以前書いていたお話です。
投稿するか悩んでそのままにしていたお話ですが、折角書いたのでやはり投稿しようかと…
十話完結で既に書き終えてます。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
お隣の犯罪
原口源太郎
ライト文芸
マンションの隣の部屋から言い争うような声が聞こえてきた。お隣は仲のいい夫婦のようだったが・・・ やがて言い争いはドスンドスンという音に代わり、すぐに静かになった。お隣で一体何があったのだろう。
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
皇太子殿下の秘密がバレた!隠し子発覚で離婚の危機〜夫人は妊娠中なのに不倫相手と二重生活していました
window
恋愛
皇太子マイロ・ルスワル・フェルサンヌ殿下と皇后ルナ・ホセファン・メンテイル夫人は仲が睦まじく日々幸福な結婚生活を送っていました。
お互いに深く愛し合っていて喧嘩もしたことがないくらいで国民からも評判のいい夫婦です。
先日、ルナ夫人は妊娠したことが分かりマイロ殿下と舞い上がるような気分で大変に喜びました。
しかしある日ルナ夫人はマイロ殿下のとんでもない秘密を知ってしまった。
それをマイロ殿下に問いただす覚悟を決める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる