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~拓海~
イケオジ
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「あ~なんかものすごく喉、乾いた…拓海君もいる…?」
「ああ… うん… 」
行為が終わった後…
死んだように横になる俺の横で、瑠衣はのっそりと起き上がり布団に散らばった下着を身に着け、冷蔵庫へ向かう。
「…寒いね…でもまあ、いっか…」
そう言って、俺が常に常備しているミネラルウォーターのペットボトルを冷蔵庫から二本取り出し、俺にそのうちの一本を手渡しながら、瑠衣は大きな伸びをする。
「ふわわわわ~…結局、連続で何回もしちゃったね…拓海君、絶倫なんだから…瑠衣、壊れちゃうよ…ふふ…」
「…あほ…俺が絶倫なんじゃなくて…おまえがさ、…その…肉食過ぎんだよ…誘ってくるし…無駄に…」
ごくりとミネラルウォーターを一口飲んで瑠衣が笑って俺を見る。
「うっわひっど…無駄に肉食って、何よう…!女子に向かってなんてこと言うのよ拓海君…てかそれさっき、私が言ったのか…てへぺろ~」
「…たくっ…おまえってやつは…」
「ふふ…いいのいいの…てかさ、葉月ちゃんは…」
突然、瑠衣の口から葉月の名前を出されてドキリとした俺は、再び瑠衣を見る。
「… なん、だよ…」
「拓海君と…葉月ちゃんとのエッチ…って、どう…だったのかなって…」
「な…何、言って…そんなん、話せるわけないだろ…」
ドキリとした…。
瑠衣とそういう行為をしている最中に、確かに葉月の顔が頭によぎったからだ…。
「ふ~~~ん…大事な彼女とのそういう行為は…大事に大事に胸にしまっておきたいってことなのかな…」
「そういうわけじゃないけど…てかさ…普通そんなん聞くか…?そんなこと聞きたくないって思わねえ…?」
俺なら絶対に聞きたくはない…。
葉月が…自分の好きな女が、自分以外の男としている行為の、詳細なんて…ましてや感想なんて聞きたくもない…。
「ん~~べっつに~単なる学習っていうか…拓海君がどういうセックスが好きなのか~とか…そんなレベルで知りたいだけなんだけどね…」
「…好きって…まあ、…普通だよ…多分…」
水を飲んだ後、瑠衣がゆっくりと布団をめくり、俺の横に当然のように滑り込む。
あたたかな体温が肌に触れ、なんだかほっとする。
「…そうかな~拓海君本当は、色々我慢してるんじゃないのかな…っていうかきっと、世の中の男性はある程度自分の欲望を…彼女にしたいことを、我慢してるんだと思うな…」
「… … … 」
我慢といえば…
それは、そうかもしれない…。
例えばアダルトビデオで出てくるような…
現実にはとてもあり得ないシチュエーションでのセックスをしてみたいと思うことはある…
だが、とてもじゃないが葉月に頼めない…頼めなかった…。
言うことすら、憚られ…そんなことを口にしただけでアイツは驚き、瞬時に固まってしまうだろう…。
「ほらね~やっぱそうなんだ…そういう願望あるのに我慢しちゃってるんでしょう…真面目な男子ってある意味、可哀そうだね…ふふ…」
「…いや…まあ…」
「でもね、拓海君… 瑠衣ならしてあげる…してあげられる…全部…拓海君のしたいこと…葉月ちゃんとしてみたかったこと…全部…なんでも、してあげられるよ…?」
「 …瑠衣… 」ごくりと、喉が鳴った…。
そんなことを言われて、ドキリとしない男がいるだろうか…
なんでも、できる…私にはなんでもしていいよと…
そんなことを、少なくとも自分の好みの範疇にある女に言われたら、理性が崩壊しかねないだろう…。
「…だからね、拓海君… 瑠衣の言いたいことわかる…?」
首に腕を回され、瑠衣の眼が真正面から俺を捕える。
「…絶対、絶対だよ…その男…その、拓海君に告ったイケオジの方には、間違っても!行かないで…!!好きになんか、ならないで…ぜえっ…たい!!ほだされないで…!!」
「・・・は、あ・・・?」
イケオジ…
ああ…また、課長のことかと、頭の隅で思った。
「ああ… うん… 」
行為が終わった後…
死んだように横になる俺の横で、瑠衣はのっそりと起き上がり布団に散らばった下着を身に着け、冷蔵庫へ向かう。
「…寒いね…でもまあ、いっか…」
そう言って、俺が常に常備しているミネラルウォーターのペットボトルを冷蔵庫から二本取り出し、俺にそのうちの一本を手渡しながら、瑠衣は大きな伸びをする。
「ふわわわわ~…結局、連続で何回もしちゃったね…拓海君、絶倫なんだから…瑠衣、壊れちゃうよ…ふふ…」
「…あほ…俺が絶倫なんじゃなくて…おまえがさ、…その…肉食過ぎんだよ…誘ってくるし…無駄に…」
ごくりとミネラルウォーターを一口飲んで瑠衣が笑って俺を見る。
「うっわひっど…無駄に肉食って、何よう…!女子に向かってなんてこと言うのよ拓海君…てかそれさっき、私が言ったのか…てへぺろ~」
「…たくっ…おまえってやつは…」
「ふふ…いいのいいの…てかさ、葉月ちゃんは…」
突然、瑠衣の口から葉月の名前を出されてドキリとした俺は、再び瑠衣を見る。
「… なん、だよ…」
「拓海君と…葉月ちゃんとのエッチ…って、どう…だったのかなって…」
「な…何、言って…そんなん、話せるわけないだろ…」
ドキリとした…。
瑠衣とそういう行為をしている最中に、確かに葉月の顔が頭によぎったからだ…。
「ふ~~~ん…大事な彼女とのそういう行為は…大事に大事に胸にしまっておきたいってことなのかな…」
「そういうわけじゃないけど…てかさ…普通そんなん聞くか…?そんなこと聞きたくないって思わねえ…?」
俺なら絶対に聞きたくはない…。
葉月が…自分の好きな女が、自分以外の男としている行為の、詳細なんて…ましてや感想なんて聞きたくもない…。
「ん~~べっつに~単なる学習っていうか…拓海君がどういうセックスが好きなのか~とか…そんなレベルで知りたいだけなんだけどね…」
「…好きって…まあ、…普通だよ…多分…」
水を飲んだ後、瑠衣がゆっくりと布団をめくり、俺の横に当然のように滑り込む。
あたたかな体温が肌に触れ、なんだかほっとする。
「…そうかな~拓海君本当は、色々我慢してるんじゃないのかな…っていうかきっと、世の中の男性はある程度自分の欲望を…彼女にしたいことを、我慢してるんだと思うな…」
「… … … 」
我慢といえば…
それは、そうかもしれない…。
例えばアダルトビデオで出てくるような…
現実にはとてもあり得ないシチュエーションでのセックスをしてみたいと思うことはある…
だが、とてもじゃないが葉月に頼めない…頼めなかった…。
言うことすら、憚られ…そんなことを口にしただけでアイツは驚き、瞬時に固まってしまうだろう…。
「ほらね~やっぱそうなんだ…そういう願望あるのに我慢しちゃってるんでしょう…真面目な男子ってある意味、可哀そうだね…ふふ…」
「…いや…まあ…」
「でもね、拓海君… 瑠衣ならしてあげる…してあげられる…全部…拓海君のしたいこと…葉月ちゃんとしてみたかったこと…全部…なんでも、してあげられるよ…?」
「 …瑠衣… 」ごくりと、喉が鳴った…。
そんなことを言われて、ドキリとしない男がいるだろうか…
なんでも、できる…私にはなんでもしていいよと…
そんなことを、少なくとも自分の好みの範疇にある女に言われたら、理性が崩壊しかねないだろう…。
「…だからね、拓海君… 瑠衣の言いたいことわかる…?」
首に腕を回され、瑠衣の眼が真正面から俺を捕える。
「…絶対、絶対だよ…その男…その、拓海君に告ったイケオジの方には、間違っても!行かないで…!!好きになんか、ならないで…ぜえっ…たい!!ほだされないで…!!」
「・・・は、あ・・・?」
イケオジ…
ああ…また、課長のことかと、頭の隅で思った。
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