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~杉崎~

疲労

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「はあっ … …」

俺は、ホテルに着くなり、ベッドに倒れ込んだ…。

智花と別れた後…なんとなくすぐにホテルにチェックインする気にならなくて、福岡の街をぶらついていた。

フラッと寄った喫茶店で、甘いホットココアを注文し、まるで物思いにふけるかのように1時間ほど過ごした。
その後は、人で溢れるキラキラした街中をどこともなく歩き回り…夕方に近付いた時点で、目についた小綺麗な和食のお店で、夕食をとった。
事前に調べて入った店ではないにも関わらず、刺身は新鮮で…他の料理もなかなかにいけた。

福岡は数年前にも出張で来たことがあるが、個人的にとても好きな街だ…。なんというか、街全体の規模感がとても良い…。

それにしても…

俺は、ゴロンと仰向けになり、ホテルの天井を見つめる…。

「… … …」

本当に今日は…ものすごく、疲れた…。

なんというか、物凄いパワーを要したと言ってよいかもしれない…。

別れ話をメールや電話で簡単に済ませるわけにはいかない。
そんな別れの切り出し方は、これまで付き合って来た相手に、失礼だ…。

そう思って…ある意味、対面で別れを伝えるべきだとそう思い込んで、
今回俺は福岡までやってきたが、その行動は間違いだったのだろうか…。
智花の言葉が…そして、智花の表情が、脳裏に焼き付いてしまって離れない…。
 
      誠実な一方で、残酷だ…

智花に、そんな風に言われてしまった…。

確かに、別れを良しと思っていない側からすれば、相手に真っ向から別れを告げられるのは、ある意味で苦痛なのかもしれない…。

だが、こちらとしても、メールや電話での別れはあまりに自己中心的で、一方的過ぎないかと…
そんなことを散々、熟慮した…考えた上での、行動だった…。
だが、俺の選択した方法が…結果として智花を余計に傷付けたのかもしれないと思うと、気持ちが段々と下がってしまう…。

いつも冷静な智花が、あんな表情を見せたり…
あんな風に、別れの理由を聞いてくるとは思っていなかった…

でも、自分が経験してみて、
    やっと、わかったことがある…。

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