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~智花~
連絡
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「… うん、わかった… また、詳しい日時は連絡する…おやすみ、なさい…」
私はスマホを小さなテーブルに置き、ボスンと音をたててベッドに横になる。
「… … …」
一体、なんだろう…
珍しく、修哉さんから電話があった…。
大抵はメールでやり取りをすることが多いのに、今日は「今、電話できるかな?」という内容のメールが送られた後に、私のOKの返事を受けて、すぐさま電話がなった。
少しだけ…ほんの少しだけ、嫌な予感がした。
修哉さんが、九州に…
私の今住んでいる福岡に…こちらの都合が良い時に、来たいという…。
これまでは私が東京へ帰省したり、もしくはこちらから修哉さんに、たまには九州に遊びに来て欲しいと伝えたり…
そんなことは何度かあったものの、
修哉さんの方から積極的に福岡に来たいなどと、言われたことはなかった…。
「… … … 」
じわじわと…不安な気持ちが胸の中に広がっていくような嫌な感覚を覚える…。
遠距離恋愛の状態になる前にはまだ…今よりもっと彼と気軽に飲みに行ったりして、デートをすることも出来た…もっと、コミュニケーションが取れた…。
でも、今はなかなか会うことも出来ず、互いに毎日、連絡を取り合うようなこともしていない…。
なのに、なぜいきなり… 福岡に来たい、なんて…?
理由を聞いてみたい気はしたものの、なぜだか聞くこと自体怖くなって、そのまま日程調整をすることになってしまった…。
まさかとは思うが、… 別れ話…などの、類ではないか… … … 。
前々から、うっすらと思っていた…。
ううん、… 本当は、最初からだ…
私の二度目の告白を修哉さんが受け入れてくれて、彼と私の付き合いが始まった頃から…
本当に、最初の最初から、思っていた…。
彼は、私のことを、一度でも…好きだと思ってくれたことがあっただろうか、と…。
キスも… その先も… 彼との初めてのセックスでさえも…
私から、誘ったに等しい…。
自分で言うのはおこがましいかもしれないが、
顔だって…
スタイルだって、悪くはないはずだ…。
なのに、なんでいつも、彼は私に手を出してくれないのだろう…。
久々に会った時ですら、情熱的に、私を抱いてくれたことはないように思う…。
そういうことに、極端に淡白な人なのかなと、最初は思っていた…そう、思いたかった…。
だけど… きっと違うのだ…
相手が私だから、修哉さんは、あんな風に冷静でいられるのではないか…
相手がもしも、自分の好みに合致したら…彼は、もしかしたら、もっと、… …
「… はあ… …」
突如、私の頭の中に思い浮かぶあの子…
なんでだろう…やっぱり、あの子が気になって仕方ない…。
私という彼女がいることを知りながらも、さりげなく、修哉さんにアプローチをかけている細野さんじゃない…
あの子… 白くて、華奢なあの子…
あの子が、気になって仕方ない…。
水無月、葉月…
でも、あの子には彼氏がいる…
あんなに男らしく、明るくて楽しい性格の彼氏がいるのだ…。
なのに、私があんな子を気にしてどうする…。
修哉さんだって、馬鹿じゃない…
彼は、理性のある、分別のある…大人の、男性なのだ…。
あんなにも年が離れた彼女に…
ましてや、既に長年付き合っている彼氏がいる彼女に、想いなんて…寄せるはずがない…。
ましてや、手を出すなんて、あり得ない…
でも… 私がまだ、東京にいた時の…
彼の、彼女を見る目が…
彼の、彼女のことをかばう姿が…
彼の、彼女の仕事ぶりを話す様子が…
その時の、何とも言えない彼の柔らかな表情が…なぜだか、気になって、仕方なかった…
「違う… きっと、思い違いだ… もう、寝よう… 」思わず、声に出ていた…。
目を閉じた瞬間…
・・・ピンポーン・・・
家のチャイムが鳴る…。
もう、夜の10時を過ぎている…
さすがに、宅配などではない…
もしかして、また…?
私はゆっくりと、重たい身体を起こした…。
私はスマホを小さなテーブルに置き、ボスンと音をたててベッドに横になる。
「… … …」
一体、なんだろう…
珍しく、修哉さんから電話があった…。
大抵はメールでやり取りをすることが多いのに、今日は「今、電話できるかな?」という内容のメールが送られた後に、私のOKの返事を受けて、すぐさま電話がなった。
少しだけ…ほんの少しだけ、嫌な予感がした。
修哉さんが、九州に…
私の今住んでいる福岡に…こちらの都合が良い時に、来たいという…。
これまでは私が東京へ帰省したり、もしくはこちらから修哉さんに、たまには九州に遊びに来て欲しいと伝えたり…
そんなことは何度かあったものの、
修哉さんの方から積極的に福岡に来たいなどと、言われたことはなかった…。
「… … … 」
じわじわと…不安な気持ちが胸の中に広がっていくような嫌な感覚を覚える…。
遠距離恋愛の状態になる前にはまだ…今よりもっと彼と気軽に飲みに行ったりして、デートをすることも出来た…もっと、コミュニケーションが取れた…。
でも、今はなかなか会うことも出来ず、互いに毎日、連絡を取り合うようなこともしていない…。
なのに、なぜいきなり… 福岡に来たい、なんて…?
理由を聞いてみたい気はしたものの、なぜだか聞くこと自体怖くなって、そのまま日程調整をすることになってしまった…。
まさかとは思うが、… 別れ話…などの、類ではないか… … … 。
前々から、うっすらと思っていた…。
ううん、… 本当は、最初からだ…
私の二度目の告白を修哉さんが受け入れてくれて、彼と私の付き合いが始まった頃から…
本当に、最初の最初から、思っていた…。
彼は、私のことを、一度でも…好きだと思ってくれたことがあっただろうか、と…。
キスも… その先も… 彼との初めてのセックスでさえも…
私から、誘ったに等しい…。
自分で言うのはおこがましいかもしれないが、
顔だって…
スタイルだって、悪くはないはずだ…。
なのに、なんでいつも、彼は私に手を出してくれないのだろう…。
久々に会った時ですら、情熱的に、私を抱いてくれたことはないように思う…。
そういうことに、極端に淡白な人なのかなと、最初は思っていた…そう、思いたかった…。
だけど… きっと違うのだ…
相手が私だから、修哉さんは、あんな風に冷静でいられるのではないか…
相手がもしも、自分の好みに合致したら…彼は、もしかしたら、もっと、… …
「… はあ… …」
突如、私の頭の中に思い浮かぶあの子…
なんでだろう…やっぱり、あの子が気になって仕方ない…。
私という彼女がいることを知りながらも、さりげなく、修哉さんにアプローチをかけている細野さんじゃない…
あの子… 白くて、華奢なあの子…
あの子が、気になって仕方ない…。
水無月、葉月…
でも、あの子には彼氏がいる…
あんなに男らしく、明るくて楽しい性格の彼氏がいるのだ…。
なのに、私があんな子を気にしてどうする…。
修哉さんだって、馬鹿じゃない…
彼は、理性のある、分別のある…大人の、男性なのだ…。
あんなにも年が離れた彼女に…
ましてや、既に長年付き合っている彼氏がいる彼女に、想いなんて…寄せるはずがない…。
ましてや、手を出すなんて、あり得ない…
でも… 私がまだ、東京にいた時の…
彼の、彼女を見る目が…
彼の、彼女のことをかばう姿が…
彼の、彼女の仕事ぶりを話す様子が…
その時の、何とも言えない彼の柔らかな表情が…なぜだか、気になって、仕方なかった…
「違う… きっと、思い違いだ… もう、寝よう… 」思わず、声に出ていた…。
目を閉じた瞬間…
・・・ピンポーン・・・
家のチャイムが鳴る…。
もう、夜の10時を過ぎている…
さすがに、宅配などではない…
もしかして、また…?
私はゆっくりと、重たい身体を起こした…。
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