38 / 224
~就寝~
拒否
しおりを挟む
「… … …」
私は無言のまま…私の上に跨って、いまだどこを見ているかわからない空を見つめたままの拓海を、見上げる…。
「たく、み… …?」
「… … …」拓海も、何か考えている最中なのか、無言のままだ…。
拓海の今の、信じられない発言を受けて…
私は今すぐにそこから…拓海から…ベッドの上から逃げ出したくなりそうな身体を、無理矢理に押しとどめる…。
逃げたって、無駄だ…
きっと、拓海は私を逃がさない…
逃がすことはないだろう…。
そもそもここは私の家… 私の部屋… 完全なる密室だ…。
ジタバタしたところで、一体どこに逃げられるというのだろう…
拓海を今夜、家にあげてしまった時点で…
拓海に別れを口走った時点で… 私に逃げるという選択肢などある筈がなかった…。
そもそも、逃げる…?
逃げるとはおかしな考えだ…
今まで…学生時代からずっと…本当に長年…友人からも付き合いが長いねと言われるほどに長い期間、付き合ってきた私と、拓海…
私は依然として、拓海のことが好きだ…。
子どもっぽいところもあるが、その分純粋で…私にない良い部分を、沢山持っている…。
決して、拓海を嫌いになったわけではない…
だけどこのまま…
杉崎さんに私の気持ちが向いたこんな状態で…ずるずると拓海と付き合い続けるのが無理になってしまっただけだ…
あくまで、私の事情であって、拓海は何も悪くない…。
だからこそ、こんな状況に陥ってしまっているとはいえ、今まで付き合ってきた彼氏である拓海から、逃げる…だなんて…
拓海が今の私の気持ちを…内心を知れば、きっと憤りを覚えるだろう…。
私という人間はどこまで、勝手で… ひどいんだろう…
逃げちゃダメだ…。
最後だからこそ、きちんと拓海と向き合わなきゃ…
ただ、そうだとしても…
今、拓海が口にしたこと…
生で、する… つけないでセックスをする… …
そのことだけは、女として…どうしても承諾できない…
これまでと同様、絶対に応じることが出来ない…
これだけは、伝えなければ…絶対に拒否しなければ…
私はそう、心を決めて、もう一度拓海を見上げた…。
私は無言のまま…私の上に跨って、いまだどこを見ているかわからない空を見つめたままの拓海を、見上げる…。
「たく、み… …?」
「… … …」拓海も、何か考えている最中なのか、無言のままだ…。
拓海の今の、信じられない発言を受けて…
私は今すぐにそこから…拓海から…ベッドの上から逃げ出したくなりそうな身体を、無理矢理に押しとどめる…。
逃げたって、無駄だ…
きっと、拓海は私を逃がさない…
逃がすことはないだろう…。
そもそもここは私の家… 私の部屋… 完全なる密室だ…。
ジタバタしたところで、一体どこに逃げられるというのだろう…
拓海を今夜、家にあげてしまった時点で…
拓海に別れを口走った時点で… 私に逃げるという選択肢などある筈がなかった…。
そもそも、逃げる…?
逃げるとはおかしな考えだ…
今まで…学生時代からずっと…本当に長年…友人からも付き合いが長いねと言われるほどに長い期間、付き合ってきた私と、拓海…
私は依然として、拓海のことが好きだ…。
子どもっぽいところもあるが、その分純粋で…私にない良い部分を、沢山持っている…。
決して、拓海を嫌いになったわけではない…
だけどこのまま…
杉崎さんに私の気持ちが向いたこんな状態で…ずるずると拓海と付き合い続けるのが無理になってしまっただけだ…
あくまで、私の事情であって、拓海は何も悪くない…。
だからこそ、こんな状況に陥ってしまっているとはいえ、今まで付き合ってきた彼氏である拓海から、逃げる…だなんて…
拓海が今の私の気持ちを…内心を知れば、きっと憤りを覚えるだろう…。
私という人間はどこまで、勝手で… ひどいんだろう…
逃げちゃダメだ…。
最後だからこそ、きちんと拓海と向き合わなきゃ…
ただ、そうだとしても…
今、拓海が口にしたこと…
生で、する… つけないでセックスをする… …
そのことだけは、女として…どうしても承諾できない…
これまでと同様、絶対に応じることが出来ない…
これだけは、伝えなければ…絶対に拒否しなければ…
私はそう、心を決めて、もう一度拓海を見上げた…。
0
お気に入りに追加
93
あなたにおすすめの小説
死に役はごめんなので好きにさせてもらいます
橋本彩里(Ayari)
恋愛
フェリシアは幼馴染で婚約者のデュークのことが好きで健気に尽くしてきた。
前世の記憶が蘇り、物語冒頭で死ぬ役目の主人公たちのただの盛り上げ要員であると知ったフェリシアは、死んでたまるかと物語のヒーロー枠であるデュークへの恋心を捨てることを決意する。
愛を返されない、いつか違う人とくっつく予定の婚約者なんてごめんだ。しかも自分は死に役。
フェリシアはデューク中心の生活をやめ、なんなら婚約破棄を目指して自分のために好きなことをしようと決める。
どうせ何をしていても気にしないだろうとデュークと距離を置こうとするが……
まったりいきます。5万~10万文字予定。
お付き合いいただけたら幸いです。
たくさんのいいね、エール、感想、誤字報告をありがとうございます!
継母の心得
トール
恋愛
【本編第一部完結済、2023/10/1〜第二部スタート☆書籍化 4巻発売中☆ コミカライズ連載中、2024/08/23よりコミックシーモアにて先行販売開始】
※継母というテーマですが、ドロドロではありません。ほっこり可愛いを中心に展開されるお話ですので、ドロドロが苦手の方にもお読みいただけます。
山崎 美咲(35)は、癌治療で子供の作れない身体となった。生涯独身だと諦めていたが、やはり子供は欲しかったとじわじわ後悔が募っていく。
治療の甲斐なくこの世を去った美咲が目を覚ますと、なんと生前読んでいたマンガの世界に転生していた。
不遇な幼少期を過ごした主人公が、ライバルである皇太子とヒロインを巡り争い、最後は見事ヒロインを射止めるというテンプレもののマンガ。その不遇な幼少期で主人公を虐待する悪辣な継母がまさかの私!?
前世の記憶を取り戻したのは、主人公の父親との結婚式前日だった!
突然3才児の母親になった主人公が、良い継母になれるよう子育てに奮闘していたら、いつの間にか父子に溺愛されて……。
オタクの知識を使って、子育て頑張ります!!
子育てに関する道具が揃っていない世界で、玩具や食器、子供用品を作り出していく、オタクが行う異世界育児ファンタジー開幕です!
番外編は10/7〜別ページに移動いたしました。
義妹と一緒になり邪魔者扱いしてきた婚約者は…私の家出により、罰を受ける事になりました。
coco
恋愛
可愛い義妹と一緒になり、私を邪魔者扱いする婚約者。
耐えきれなくなった私は、ついに家出を決意するが…?
距離を置きましょう? やったー喜んで! 物理的にですけど、良いですよね?
hazuki.mikado
恋愛
婚約者が私と距離を置きたいらしい。
待ってましたッ! 喜んで!
なんなら物理的な距離でも良いですよ?
乗り気じゃない婚約をヒロインに押し付けて逃げる気満々の公爵令嬢は悪役令嬢でしかも転生者。
あれ? どうしてこうなった?
頑張って断罪劇から逃げたつもりだったけど、先に待ち構えていた隣りの家のお兄さんにあっさり捕まってでろでろに溺愛されちゃう中身アラサー女子のお話し。
×××
取扱説明事項〜▲▲▲
作者は誤字脱字変換ミスと投稿ミスを繰り返すという老眼鏡とハズキルーペが手放せない(老)人です(~ ̄³ ̄)~マジでミスをやらかしますが生暖かく見守って頂けると有り難いです(_ _)お気に入り登録や感想、動く栞、以前は無かった♡機能。そして有り難いことに動画の視聴。ついでに誤字脱字報告という皆様の愛(老人介護)がモチベアップの燃料です(人*´∀`)。*゜+
皆様の愛を真摯に受け止めております(_ _)←多分。
9/18 HOT女性1位獲得シマシタ。応援ありがとうございますッヽ(*゚ー゚*)ノ
私のバラ色ではない人生
野村にれ
恋愛
ララシャ・ロアンスラー公爵令嬢は、クロンデール王国の王太子殿下の婚約者だった。
だが、隣国であるピデム王国の第二王子に見初められて、婚約が解消になってしまった。
そして、後任にされたのが妹であるソアリス・ロアンスラーである。
ソアリスは王太子妃になりたくもなければ、王太子妃にも相応しくないと自負していた。
だが、ロアンスラー公爵家としても責任を取らなければならず、
既に高位貴族の令嬢たちは婚約者がいたり、結婚している。
ソアリスは不本意ながらも嫁ぐことになってしまう。
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
みおな
恋愛
子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。
公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。
クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
「私のことはお気になさらず」
【完結】結婚式当日、婚約者と姉に裏切られて惨めに捨てられた花嫁ですが
Rohdea
恋愛
結婚式の当日、花婿となる人は式には来ませんでした───
伯爵家の次女のセアラは、結婚式を控えて幸せな気持ちで過ごしていた。
しかし結婚式当日、夫になるはずの婚約者マイルズは式には現れず、
さらに同時にセアラの二歳年上の姉、シビルも行方知れずに。
どうやら、二人は駆け落ちをしたらしい。
そんな婚約者と姉の二人に裏切られ惨めに捨てられたセアラの前に現れたのは、
シビルの婚約者で、冷酷だの薄情だのと聞かされていた侯爵令息ジョエル。
身勝手に消えた姉の代わりとして、
セアラはジョエルと新たに婚約を結ぶことになってしまう。
そして一方、駆け落ちしたというマイルズとシビル。
二人の思惑は───……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる