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お仕事

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仕事全般の総合的な説明を終えた後、なんとなくの流れで、俺が真中に…岡田がその坊や…森下君といったか、その青年に主に仕事を教える方向になってしまった。

俺としてはその小さい青年の方が良かったのに、なんとなく真中が俺ばかりを見つめ、疑問があるたびに手を挙げて俺に尋ねてくるものだから…

なんとなくそんな雰囲気…役割分担になってしまったのだ。

俺は内心で舌打ちをしながらも、やっぱり仕事は仕事…真中が本当はどんな奴だとか、何をされたとか…関係なく、今は純粋に接するべきだと自分自身をなんとか戒めながら、淡々と手順を説明していった。

真中は、俺や岡田が説明したことに関しては、きちんとメモを取り、うんうんと頷きながら、真摯に取り組んだ。

居酒屋で見かけて以降、
一度も真中の真面目な姿を見ていなかった俺は、奴の態度が意外で仕方なかった。

これが、ギャップ効果というものだろうか。

「新名さんすみません、これはどうしたらいいんですか?」
「新名さん、さっきデータ送りました。確認をお願いします。」

新名さん、新名さんと…その日、何度、真中に名を呼ばれただろう…。

これは、こうやるんです。ここは、こうです…俺は淡々と説明を加えていった。

気付けば、5時のチャイム。
「君たち二人は初日だし、もう帰って良いよ、お疲れ様。」主任が二人に帰宅を促す。

「では、失礼します、」

静かに礼をして二人は職場を後にした。

俺たちは当然、残業だ。
「新名さん、この後少し残って一杯、どうですか?」
少し疲れた様子の岡田に誘われる。

真中が隣に越してきたことを岡田に言うかどうかは別にして、俺も少し気分がげんなりしていて気晴らししたい気分だったので、すぐさま誘いを快諾し、俺は残りの仕事を片付けるべく、  
      キーボードを叩いた。

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