277 / 363
本体
しおりを挟む
「… なんだよ、その目つき… 」シュウが笑う。
「… … … …」
この喫茶店に来て、寺崎と話したのはわずか10分程度…
昨夜の話をしてから寺崎は塞ぎ込み、料理が出されたところからは完全にシュウが出現してしまった。
まさか…これも…?
本当のところ、シュウがしゃしゃり出てきたわけでもなく…
寺崎自身が…昨夜の行動に…つまり、俺の発言にショックを受けて内側に引っ込んでしまったのだろうか…
もう一度、正面に座る寺崎を見る。
「てめえ、不躾だな…無言で人の顔、じろじろ見やがって…」
「… … … 」この、乱暴な語り口調…中身は間違いなく、シュウだ…
一体どうやったら、本当の寺崎と普通に…コイツに邪魔をされずにゆっくり話が出来るようになるのか、検討もつかない。
俺と寺崎の全ての会話は、この男に知られてしまうのに…
寺崎自身は、自分が眠っている間に何が起こっているのか、一切知ることが出来ていない現状…
本当にこの男の言う通り…
ある意味で、寺崎が影の存在のようになってきている気がするのは気のせいだろうか…
心の奥底が、ゾクリとする… ゆっくりと…冷えていく…
シュウが本体で、寺崎は影… ?
跡形もなく、消えるかも…だと… ?
ふざけるな…
寺崎は大学で俺に声を掛けてきてくれた頃からずっと、変わらず優しくて…人に親切で…
男女問わず誰からも好かれて、先生からの信頼もすこぶる厚い男…。
なのに、このゲスな男が本体となり…あの、優しい寺崎がいなくなるとか…
絶対にありえない…
あってはならない事態だ…
寺崎にはいまだ、聞けてはいなかったが、
そもそもこの男は…一体いつから、寺崎の中に巣食っていたんだろう…
なんとかそこを聞き出せたら…少しはこの事態の解決のヒントになるかもしれない…
俺はそんな一心で、口を開いた…
「… … … …」
この喫茶店に来て、寺崎と話したのはわずか10分程度…
昨夜の話をしてから寺崎は塞ぎ込み、料理が出されたところからは完全にシュウが出現してしまった。
まさか…これも…?
本当のところ、シュウがしゃしゃり出てきたわけでもなく…
寺崎自身が…昨夜の行動に…つまり、俺の発言にショックを受けて内側に引っ込んでしまったのだろうか…
もう一度、正面に座る寺崎を見る。
「てめえ、不躾だな…無言で人の顔、じろじろ見やがって…」
「… … … 」この、乱暴な語り口調…中身は間違いなく、シュウだ…
一体どうやったら、本当の寺崎と普通に…コイツに邪魔をされずにゆっくり話が出来るようになるのか、検討もつかない。
俺と寺崎の全ての会話は、この男に知られてしまうのに…
寺崎自身は、自分が眠っている間に何が起こっているのか、一切知ることが出来ていない現状…
本当にこの男の言う通り…
ある意味で、寺崎が影の存在のようになってきている気がするのは気のせいだろうか…
心の奥底が、ゾクリとする… ゆっくりと…冷えていく…
シュウが本体で、寺崎は影… ?
跡形もなく、消えるかも…だと… ?
ふざけるな…
寺崎は大学で俺に声を掛けてきてくれた頃からずっと、変わらず優しくて…人に親切で…
男女問わず誰からも好かれて、先生からの信頼もすこぶる厚い男…。
なのに、このゲスな男が本体となり…あの、優しい寺崎がいなくなるとか…
絶対にありえない…
あってはならない事態だ…
寺崎にはいまだ、聞けてはいなかったが、
そもそもこの男は…一体いつから、寺崎の中に巣食っていたんだろう…
なんとかそこを聞き出せたら…少しはこの事態の解決のヒントになるかもしれない…
俺はそんな一心で、口を開いた…
0
お気に入りに追加
425
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる