【BL・R18】俺とシテみたいって・・・何をですか？

平和主義の弊害

でかい身体の圭一が背を丸めて、いつもよりとても小さく見える。
　
こいつ…このことでどれくらい…悩んだんだろう。
俺がコイツの立場になると結構、しんどいかもしんない…報われない相手に、おかしな欲望を持つ…そして満たされることなく、発散出来ず、耐え続ける…

俺なら苦しくて、
その状況から物理的に逃げ出すかもしれない…

俺は正直、圭一になんて言ってやったらいいか、全然わかんなかった。慰めの言葉が見つからない…かといって俺には絶対に、協力はできない…

圭一のうなだれた後ろ頭が、心からかわいそうになる。
　
大事な奴が悲しんでいる姿は俺も、見たくない。
俺が悲しませている張本人みたいだから…矛盾しているけど。

俺は無意識に、手を伸ばしていた。

圭一の頭を、ポンポンと優しく撫でる。

「本当に、ごめんな…力になってやれなくて…他のことだったらさ、できることなら俺、なんでもするからさ、な…元気出せ。」

ピクリと、圭一が反応する。
アッと思った瞬間には、撫でていた手首を掴まれる。

痛つっ… ホントに力加減知らないやつだ…
　　
俺は心の中で、舌打ちする。

「他のことなら、なんでも…いいんですね？」

「…ん、まあ、なんでもというか、俺が
　　　できる範囲でだぞ…？」　

あれ、なんか余計なこと…言っちゃったかな。

なんか、圭一のこの反応は…ちょっと怖い。
というか、この手を離せ、痛いよ圭一…
次から次に、何考えてるんだ…

　　　　　　　　圭一が言う。

「キス…もっかい、させてください…」

はー、、！？
　　
…こいつ一体、俺の話の、何を、聞いてやがった…
俺の思考は、一旦、停止する。

「あほか！おまえっ…何言ってんだっ…
　　　俺の話、聞い…てっ…
　　　　　ん！…んぅっ…んー、んっ…！」

俺の台詞は、圭一のあまりに強引なキスに、
　一瞬で、かき消された。

　　　あーあ…

　　　　なんなんだコイツ…