【完結】訪問前夜

もえこ

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翌日の、約束の時間の
    午後3時、少し前…

私の部屋は完成した…
見違えるほどに綺麗に。
自分でも信じられない…
火事場のなんとか…かもしれない…

とにかく、なんとか間に合った。

乱雑なモノは全て上手にクローゼットとベランダのボックスに隠せたし…
洗面台とか、水回りも完璧だ…もはや髪の毛一つ、落ちていない…

ベッドの上の服だって全部退かした…

ふう…とにかく、すごく疲れた…

なんだ私…結構やれるじゃん…本当に一睡もせずに、よく頑張った。自分で自分を褒めてみる。 

でも、
は、ふわわあ、わわ~~

ああ、気を抜いたらあくびが何度も出そうな位に…眠い… ていうか、今一瞬、本当に少し寝ちゃってた…。
 
でもでも…
もしかしたらもしかすると…
  今夜は…彼と初めての

     ・・・なんて、…
     きゃっ…! うふふ… 

いけない…私ったら… 

安心した途端…彼との淫らな妄想が膨らむ…!いまだにキスしかしていない私達…これから先… 
ああ…今夜、どうなるの私…

早く、あの綺麗な瞳に見つめられたい…
逞しい腕に、激しく抱かれたい…

とにかく、私の中にはそんな淫らな期待や妄想も密かにあった…

ベッドのシーツも新しいものに変えて…
表面は埃だらけではあったが、布用のファ〇リーズ…が奇跡的に我が家の床に転がっていたので、それをベッドやカーテンにふりまく…。
    
広がる、ローズのいい香り… 
これで彼も、きっといちころ…

その時、
   ピ~~~ン … ポ~~~ン… 
ドアのチャイムが鳴る。

「はーーーい。」 

彼が来た!
私は返事をして、ゆっくりとドアを開ける。

彼だ…
品のいい革靴が、一番に目に飛び込んできた…。
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