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「…おい、あれってさ…日向…先生の声、だったのか…?」加藤が真剣な眼差しで俺に問う。

こいつはとにかく…勘がいい。
ここでなんとなく誤魔化したところで、きっとあんまり意味がない。あとで絶対…俺自身の発言にボロが出る。

しかもコイツは俺を好きだと…さっきハッキリそう言った…、いまだに信じられないけど…

だからもう、変に隠すことなく、俺の今の瑞樹に対する気持ちを奴に伝えたほうが、いいような気がした。

「う…うん、アレだ…さっきの声は…そう、みず…日向先生だ…すまん…」なぜか加藤に…謝る…俺…

加藤がまあまあ、驚いた表情。
「マジか…でも…な、なんで…?日向先生が学校にきて、まだ数日しか経ってないだろう…?

なのになんでアイツがお前の部屋に…しかも夜にだ…あと…助けてって…おい、そもそもあの悲鳴は、なんなんだよ… ま、まさかお前…日向先生に…なんか…したんか…?」

      …しました…

ほっぺにチュウから、そのまま唇にキスをして、思わず舌も、入れちゃい…ました。

その後、無理やりに上半身裸にして、後ろ手に縛って、泣いて嫌がる奴に半分乗っかるような形で、唇どころか白いうなじや首筋…胸も…小さなピンク色の突起にも…キスして…舐め回して…最後、先端を甘噛み…しました。

瑞樹はそうされながら、泣きながら悶えながら、可愛い過ぎる声で…嫌だ、やめて…って、震えながら叫んでました…

ついでに言うと…お前が邪魔しなかったら…下半身にうつる…ところでした… はああ…あの色気のある瑞樹の姿を思い出しただけで…また俺自身が…反応しそうになり、俺は必死に平常心を保つよう、その情景を頭の隅に追いやる。

…そこまでの詳細を…加藤に言えるはずもないし、言えば加藤が…どんだけ驚くか…引くか…わからない。
だから俺は、曖昧に、でも少しだけ本心を散りばめながら、答えた。

「ああ…えっと、実は俺…前に映画館で先生に会ったことがあって…そん時から実は少し気になってて…んで、学校に奴が突如現れたから…マジびっくりして、今日車で家に送ってもらったんだ…まあ、ほぼ無理やりに俺が頼んで…だけどな…」

…正しく言うと、頼んでは…いない…。ほぼ完全に…怯える瑞樹を…脅した…かな…。
まあこれは…言わないでおく。

「んで…何だよ…?それで何、してたんだ…助けてって…かなり悲痛な…必死な感じの…叫び声、だったぞ…おまえ、なんかしたんだろ…?何、したの…?」と、まだ食い下がって、聞いてくる加藤。

…そこまで…おまえに話す必要があんのか…?俺は内心、少しだけイラつきながらも、一応冷静に答える。

「ああ…ちょっと、試しに、ふざけて…先生を脅しただけだよ…あんまり可愛い顔でボヤッとしてると…おそうぞ、的な…?
まあ、勢いで、キスみたいなのはしちゃった…けど…俺、血迷っただけかもしんねえし…

俺もなんか今、ほんと自分の気持ち、よくわかんなくって…奴は男だし…。なのに、俺、奴のこと、気になってて…だから少し試しに接触してみただけ、なんだ。ただ…当然、先生は驚いて嫌がって…んで、助けてって…」

少しかどうかは、あくまで主観によるものだ。
俺的に、あれは少しの接触だった…うん、間違いない。おれはそう、自分に思い込ませながら加藤に説明する。

「…な…、は!? キ…キス…だと?」

       え…?…  
       俺は驚く…

加藤の顔が…すごく…なんていうか…すごく…
怖い…ん、ですけど…

俺は、コイツのこんな表情…

    今までに見たことがなかった…。




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