小さな幸せ

関塚衣旅葉

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過去編

日曜朝

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 まだ幼稚園とか、小学校低学年の頃。
プリキュアになりたかった。
そりゃ、毎週早起きして戦隊モノ見てたらプリキュアになりたいと思うよね。
プリキュアにはなれなかった。
ごめんね、昔の私。

 今日はそんな昔の私の日曜日の朝を語ろうと思う。
私の両親、寝起きが悪いし、起こしても大体あと5分。
を何回か言われるくらい起きてくれない。
でも、お腹すいたし、みんなでご飯食べたいので、テレビを見ながら気長に待って、CM始まったら急いで寝室に行って起こす。
なんて事がよくあった。
まずはパパから。
まだ子供なので体重が軽かったため、パパのお腹の上に乗って暴れることで起こしていた。
「おーきーてー! いいの?仮面ライダー終わっちゃうよ? ねー!」
って感じでした。
「うるさい」
っていいながら暴れる私を捕まえてぎゅっとしてくれたのは、いい思い出だ。
でも、CMの合間に来てるから抜け出して、またテレビの前でプリキュアを応援したり、仮面ライダーになりたいなと思ったりしていると、パパは起きてくるの。

 ママは、そっと起こさないと起きるまでにさらに時間がかかるので。
「ママ~、ご飯食べよー。起きてー」
って小声でいいながらお腹さすってた。
もちろん返ってくる言葉は。
「あと5分。」
私は知っていた。
5分後に起きてくることは無いと。

 それでも、諦めない時もあったが、途中から諦めて、ひとりでコーンフレーク食べたり、パンをトースターで焼いて食べたり。
でもたまには、3人で食べることもあった。
朝からホットケーキを焼いてくれるママ。
僕はマーガリンとメープルシロップをテーブルに準備。

 大きくて美味しいホットケーキを2枚食べたら、子供の私にはお腹いっぱいになってしまうが、幸せだった。

 もうあの頃の面影はマジでないけど。
でもまあ、また誰かと朝ごはんを食べる時にホットケーキを作ろうかな。
バターも買おう。
マーガリンは使い切れないんだ。
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