小さな幸せ

関塚衣旅葉

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惚気編

お泊まり会

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 特定の彼氏がいない時期に、私が遊んでいることはまあよくある。
その度に家に来る男が変わるだけだからね。
なんて思っているけど、やはり彼が家に来るのが1番嬉しくなってしまう。
彼は、誰よりも私を惑わす匂いを放っていて、誰よりも私のことを理解はしている。
理解はしてるんだけど、言い方きついし、たまに素っ気なくて一度は苦しすぎて連絡を取るのをやめた。
だから、また話せるようになった時は、とっても嬉しかった。
しかも彼のやり方は私向きというか、あー。
これが運命ってやつかもしれないって、脳内お花畑になる感じのやり方で。

 2人だけの空間はとても居心地が良くて、付き合ってた頃みたいな空気もあって、でも違くて。
それなのに私の中で少しだけ、たぶんこんな感じでも来年も、再来年もずっと隣を歩いてくれるんじゃないかなって思ってしまっている。
理由はただ一つ。
私の心を掴んで離してくれないのは、唯一彼の文章だけだから。


 まだ眠いから、もう少しだけここで眠ろう。
彼の温もりが、彼の匂いが、たまらなく好き。
この時間も、一緒に歩いてご飯買いに行ったり、一緒にお風呂に入ったり、映画見ながらだらだらするのも、一緒に寝るのも君が1番。
1番私が幸せになるのは君といる時なんだ。
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