桜 短編

関塚衣旅葉

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桜と僕の記憶

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 1年、経ったと思うからそろそろ君に会える頃かな。
桜の木の下を掘り起こすと、そこには君がいた。
綺麗な黒髪は金髪で、小さな体で。
汚れたドレス。
あれ、これは僕のじゃないな…。
掘り起こしたところにいたのは、僕の彼女ではなくて、多分ほかの誰かの彼女。
まあ、人形をタイムカプセルとして土の中に埋めることは多いのかな。
母さんが昔作ってくれた桜の模様のドレスを着た彼女。
昔から可愛いものが好きで、母さんは僕の趣味を否定せずに、僕がやりたいことに力を貸してくれた。
今の僕は自分で物語を作りたい。
そして可愛いキャラを描きたくて、去年はこの子と離れることにした。
この子以外の可愛い子を描けるようになるために。

 「本当に僕の彼女居ないんだけど…」
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