懐かしいお話。

関塚衣旅葉

文字の大きさ
上 下
1 / 3

蜘蛛さんの話

しおりを挟む
昔おばあちゃんの家に行った時の話。
まだ小学生くらいだった僕はおばあちゃん家がお化けがでる怖い所って思ってた。
おばあちゃんやおじいちゃんがいるけどそれでも怖いところって。
ひいひいおばあちゃんやひいひいおじいちゃんの幽霊が出るって思ってた。
ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんは長い間この家に住んでるから気が付かないんだろうけど、多分僕が来た時には幽霊たちが集まって僕を出迎えてくれてると思ってた。
そんなことを思っていた僕は、いつも通り冬休みになってもうすぐ年明けるくらいの日におばあちゃん家に来ていた。
だいたい夜寝たあとに途中でトイレに行きたくて起きてしまったため、よく二階のお布団のお部屋からちゃんと自分の足で歩いて一階のトイレに行ったものよ。
電気つけるとみんなが起きちゃうかもって思って、廊下の電気以外は消したままにしてた。
もちろんお部屋の中は真っ暗だから怖くてたまらなかった。
その日もとりあえずドアをガラガラって開けて廊下に出て廊下の電気をつけた。
廊下の電気っていうか階段の電気だけど。
ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんを起こさないようにゆっくり音を立てないように階段を下りたものよ。
とりあえず1階に着いたら左に曲がって電気のない廊下をゆっくり歩く。
木造のためどこ歩いても基本ミシッて音がするの。
めちゃくちゃ怖がりながらトイレに着いた僕は周りを確認してからトイレの電気をつける。
めっちゃ怖いなぁって思いながらトイレのドアを開けて便座の蓋を開けると目が合ったの。

 割と大きめの蜘蛛さんと。

思わずお辞儀したよね。
怖すぎて。
とりあえず用を足すことにした。
その間ずっと蜘蛛さんに見られてた。
多分この蜘蛛さんは僕のストーカーさんの使い魔だろうって思ってたからすごく恥ずかしがりながら用を足した。
そして、終わったので流そうとするとさらに強い眼力で僕を見てくる蜘蛛さん。
怖いのでとりあえす手を洗って出ようと思ったけど怖くなったのでダッシュで逃げた。
電気消してダッシュで階段上がった。
もう足音気にするのもやめて。

お布団のところに戻るとテレビを見ていたママがどうかしたの?って言ってきたから大きい蜘蛛さんがいたの!って言ったんだけど。
このお家は古いからそのくらい普通よって言われた。
あのデカさはあれ以来1度もどこでも見かけてないなら僕の幻想だったのかもしれない。

また会えたら今度はちゃんと挨拶させてね、蜘蛛さん。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

保育士だっておしっこするもん!

こじらせた処女
BL
 男性保育士さんが漏らしている話。ただただ頭悪い小説です。 保育士の道に進み、とある保育園に勤めている尾北和樹は、新人で戸惑いながらも、やりがいを感じながら仕事をこなしていた。  しかし、男性保育士というものはまだまだ珍しく浸透していない。それでも和樹が通う園にはもう一人、男性保育士がいた。名前は多田木遼、2つ年上。  園児と一緒に用を足すな。ある日の朝礼で受けた注意は、尾北和樹に向けられたものだった。他の女性職員の前で言われて顔を真っ赤にする和樹に、気にしないように、と多田木はいうが、保護者からのクレームだ。信用問題に関わり、同性職員の多田木にも迷惑をかけてしまう、そう思い、その日から3階の隅にある職員トイレを使うようになった。  しかし、尾北は一日中トイレに行かなくても平気な多田木とは違い、3時間に一回行かないと限界を迎えてしまう体質。加えて激務だ。園児と一緒に済ませるから、今までなんとかやってこれたのだ。それからというものの、限界ギリギリで間に合う、なんて危ない状況が何度か見受けられた。    ある日の紅葉が色づく頃、事件は起こる。その日は何かとタイミングが掴めなくて、いつもよりさらに忙しかった。やっとトイレにいける、そう思ったところで、前を押さえた幼児に捕まってしまい…?

徹夜でレポート間に合わせて寝落ちしたら……

紫藤百零
大衆娯楽
トイレに間に合いませんでしたorz 徹夜で書き上げたレポートを提出し、そのまま眠りについた澪理。目覚めた時には尿意が限界ギリギリに。少しでも動けば漏らしてしまう大ピンチ! 望む場所はすぐ側なのになかなか辿り着けないジレンマ。 刻一刻と高まる尿意と戦う澪理の結末はいかに。

6年生になっても

ryo
大衆娯楽
おもらしが治らない女の子が集団生活に苦戦するお話です。

同僚くすぐりマッサージ

セナ
大衆娯楽
これは自分の実体験です

意味がわかると怖い話

井見虎和
ホラー
意味がわかると怖い話 答えは下の方にあります。 あくまで私が考えた答えで、別の考え方があれば感想でどうぞ。

処理中です...