雨の日の物語

関塚衣旅葉

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雨の日の過ごし方

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 正直雨は苦手だ。
濡れると寒いし、せっかくオシャレしても雨で濡れてしまうともうなんか嫌な気持ちになる。
髪も湿気でなんだかなぁって感じになるし。
でも、遠い昔の記憶だけど、雨だけどまあいいかなって思える時もあった。
それは、大好きな彼とのデートの日。
だいたい、お泊まりをしてそのままデートするって事が多くて、会った日は晴れてても次のデート本番みたいな時は雨だった。
でも、傘で見えない彼の姿が何だか愛おしかった。
見えないからこそ気持ちが増えたのかな。
たまに、建物に入って、傘を閉じた時に2人の距離が近づくのがめちゃくちゃ嬉しくて。
雨でも彼といると気持ちは明るかった。
 
 今は彼と別れて時間が経って、1人で過ごす休日が多くなったが、雨の休日は昔のことを思い出している。
彼と過ごした日々は、高確率で雨だったけど、傘をお互いにさしてるから近づけなかった。
だけど、雨がやんだら距離が縮まるんだなぁってことまで想像したら、だいぶ幸せになれるのが分かった。
一緒に入った傘は思ったより小さくて、彼の肩をめちゃくちゃ濡らしてしまったのは今でも申し訳なかったなぁと思う。
ごめんね。
風邪ひかなかったかな?

 
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