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5.学校編

44.重い!?

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有里ねぇは一つの日記の様なものを、机の中から取り出し、それを俺に手渡した。

すると、さっきまで有里ねぇが医者になるため、アメリカに行くという話を聞いて固まっていた2人も、ようやく正気に戻り

「そっ、それは!?」

「有里香さん、まだそれ持ってたんですね……」

2人してそう言いながら、こちらの方までやって来た。

「え? 2人とも知ってるの?」

「えぇ……まぁ」

「そりゃあ……」

心なしか、2人とも少し渋い顔をしている。

「じゃあ、俺にも見せてくれない?」

「やめといた方がいいんじゃない?」

「あんまりおすすめは……しないですね」

凛津も優太も、こんな感じなので一体何が書かれているのか余計に気になる。

「……開けるぞ」

俺はそう言ってその日記をパラッとめくると

『今日は初めて優太に助けられた。すんごい心細かったけど、優太すごいカッコよかった!きっと優太にはまだ好きな人はいないんだろうから、私が優太のお嫁さんに立候補したいな~なんて!まぁ、とにかく!私は優太のことが大好きだってこと!……なんか、まだ足りない気がするな。私がどれくらい優太のことが好きなのか伝えるのには、これには収まり切らない……………』

……ビシッと文字だらけだった。

しかも、それらは全て……

「これって……俺宛て?」

「うっ……うん」

「……」

俺に宛てられたものだった。

ページをめくっていっても、出てくるのはビッシリの文字だけ。

その文字の中に、『優太』の文字がところどころに点在している。

しかも、よくよく見ればノートの各ページの上部には日付まで書かれていた。

どうやら、1日1ページずつ書かれている様だった。

「あのさ……」

「うん?」

「もしかして……いや、もしかしなくてもなんだけど……」

「うん」

「有里ねぇって……」

「「重い……」」

凛津とテルも、俺がそう言うと分かっていたかの様に口を揃えて言った。

言われた当人はというと……

「え? 重いって何が?」

どうやら全く自覚はない様だった、

「……もしかして、俺に見せたかったのって……」

「そうだよ!」

即答だった。

「どう? 嬉しい? 凛津の時は喜んでたみたいだけど……」

そう言って有里ねぇはモジモジしているけれど、正直ここまで来ると……

「怖い……」

「そっ、そうか……嬉しいのかって……え?」

「……」

「聞き間違いだよね~! 念のためもう一回……」

「……怖いです」

「……え。 えぇ~~~っ!」

だだっ広い教室の中で、有里ねぇの声が盛大に響き渡った。


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