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2.デート編

18.二度目のお泊まり!?①

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「……」

「……」

その日の夜、俺は有里香と2人きりで俺の部屋にいた。

なんでって?

そんなの俺が聞きたいよ!!

「あの……さ、有里香?」

「ひゅ、ひゃい!?」

「なんで俺の部屋なんだ?」

「そっ、それは……怖いから」

「何が怖いんだ?」

「おっ、オバケとか……?」

「いや、有里香そういうの昔平気じゃなかったっけ?」

「……怖いものは怖いの!」

有里香はそんな事を言って俺の布団の中に潜り込んでくるが、こっちはオバケどころじゃない。

この前も有里香と一緒に寝たことはあったけど、あの時は凛津がいたし、そんなに意識することは無かったんだけど……

冷静に考えてこの状況ではまずい!

そもそもなんで俺が有里香と2人きりになっているのか

それは俺達が餃子を食べ終わったところまで遡り、


「ふぅ。もうお腹いっぱいだ!」

「私も~!」

「餃子って久しぶりに食べたけど美味しかったわ!」

由里香も凛津も満足そうだった。

「飯も食い終わったし、俺は有里香を家まで送るよ」

日も落ちてきたので、俺は有里香にそう言ったのだが

「よし! じゃあお言葉に甘えて!」

なんて言いながら立ち上がったのは凛津だった。

「凛津? どうしたんだ? お前はここに泊まってるだろ?」

すると、凛津は何故か有里香の方を見て

「はっ! そうだった! ねっ、ねぇ? 有里香!」

「……うっ、うん! そう……ね」

「それじゃあ送って来るよ」

と俺が言うと、

「あっ、ちょっと待って!」

と凛津が言った。

続けて、

「私、今日だけ家の手伝いしなきゃいけなくてさ……だから、今日は私自分の家に帰るよ! その代わり、有里香を泊まらせてあげたいな~!」

なんて言い始めた。

「そうか? じゃあ凛津は今日は家に帰るんだな」

「うん」

「で、有里香は俺の家に泊まるのか?」

「えっ!? ……うん」    

「そっか、それじゃあ俺は凛津を家まで送ればいいんだな?」

「そういうこと!」

凛津はそう言いながら立ち上がった。

「じゃあ、俺は凛津を送って来るからここで待っといて!」

凛津の家は歩いて10分もかからない距離なので、まぁすぐに帰って来るんだけど

「じゃあ、行ってくる」

「うん」

「じゃあ……り、有里香また明日ね!」

「また明日」

そう言って俺は凛津を家まで送り届けて帰ってきたのだが、リビングに有里香の姿がない。

「あれっ? おーい! 有里香!」

どうやら一階にはいないようなので、二階に向かう。

でも、二階には物置き部屋と俺の部屋くらいしか……

そう思いながら、自分の部屋の扉を開くと……

「ひゃっ!」

…………いた。

なぜか俺のベッドの下を漁っている。


「……何してるの?」

「えっ……と、これは……お掃除?」

「掃除するためにベッドの下に顔を突っ込むやつがどこにいるんだよ!!」

俺がそう言うと有里香はあわあわしながら口をパクパクさせている。

「……もしかしてだけどさ……なんか変な本とかあると思ったの?」

すると、有里香はピンっと背筋をのばして

「なっ、なわけないでしょ!!」

どうやら図星だったらしい。

「はぁ、そんな本持ってないよ」

「えっ? 持ってないの? 男は全員持ってるんじゃないの?」

「誤解だ! 男でも持ってない人もいるよ! なんたって、今はデジタルの時代なんだから!」

あっ、いま口をついて余計なことを言ってしまった気が……

「デジタル? あぁ! そういうことか~!」

何やら凛津がニヤニヤしながらこちらを見ている。

そして、俺の机の上に置いてあったパソコンを取り上げ

「この中に入ってるのね?」

「おっ、おい! 何をするつもりだ!!」

やばい。あのパソコンの中には俺の秘蔵のコレクションが……!

「有里香。悪いことは言わない。早くそれをこっちに渡すんだ」

「どうしようかな?」

有里香はそんなことを言いながら俺を弄んでいるつもりのようだったが、顔が真っ赤だ。

そんなに真っ赤になるくらいならそもそも見ようとするなよ!

「分かった……。それじゃあ、それをこっちに渡したら願い事をなんでも一つ聞いてやる」

「えっ! なんでも一つ?」

「あぁ、なんでも一つだ」

きっと、有里香の事だ。 

「じゃあ、一生私のことをお姉様って呼んで!」

なんて言い出すのだろう。

俺はそんなことを考えていた……のだが

「じゃ、じゃあ……一緒に……寝よ?」

「分かった、それじゃあこれからは一生お姉様って……え?」

「いま有里香なんて言った?」

「だから……一緒に……寝よ」

いや、いや、いや、え?

俺は今、夢を見ているのか?

俺は自分の頬をパチンと叩いてから再び有里香の方に向き直る。

けれど俺の夢は覚めることなく、見えるのは真っ赤な顔で俯いている有里香だけだった。

「……俺と一緒に寝たいの?」

「……うん」

え? これって告白? 新手の告白?

俺がそんな事を考えていたら俺の考えを読んだように

「れっ、練習……だから!」

「あっ、あぁ……そうか! 練習ね! ってなるかぁー!」

よく考えてみれば、一緒に寝るって事自体、練習とか関係なしにアウトだろ!

「だっ、ダメなの?」

すると、涙目で上目遣いをしながら有里香が迫ってきた。

「いや……あのさ、こういうことはよく知らない男とするもんじゃないぞ?」

俺は有里香に注意するような意味も込めてそう言った。

しかし、

「よく知らない訳じゃないもん! だって、優太は……」


そう言いながらまた顔を俯けてしまった。

「……本当にそんな事でいいのか?」

「うん……」

「じゃあ、寝るか……一緒に」

「うん……」

そう言うと、有里香がベッドの中に入ってきて今に至るというわけだ。








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