207 / 230
第27章 旅は終わらず
第27章-② 気高く、強く
しおりを挟む
教国軍の第三師団長として、今次遠征においても武功を残したルーカス・レイナート将軍。
彼は帝国にはいささかの因縁がある。
いや、その表現は控えめに過ぎるであろう。
人は彼を教国軍の将軍として認識するところが大きいが、実際には帝国生まれ帝国育ち、軍籍ももとは帝国軍にあり、20代で中佐の階級を得ていた。つまり、彼はれっきとした帝国の人間である。
彼が教国にあるのは、ヘルムス総統による祖国支配を疑問とし、民衆のためには害がはるかに多く、これを変えるためには内圧よりも外圧をもってすべきで、自らは隣国である教国に亡命し、そこで新たな祖国と古き祖国のために力を尽くそうと志したからである。
教国亡命後はよそ者ということもあり、その才覚を必ずしも活かせるだけの地位を与えられなかったが、クイーンの信頼を得て、一躍、師団長へと進んだ。大小いくつかの戦いにおいて、彼は帝国軍に対して一度も引けをとらず、振り返ると彼の足跡には赫々たる戦果が記されている。
そして、彼の尽力もあり、ヘルムス政権は倒れた。これから帝国がどのように生まれ変わるのか、それは未知数だが、少なくとも彼の当初の志はここに遂げられたことになる。
連合軍による帝都陥落後、4月26日。
この日、帝都には冷たい雨が降った。シェラン河畔及び帝都での戦い以降、初めて降った雨である。雨粒は徐々に集まって流れをつくり、石や土、レンガにこびりついた血を洗った。戦争終結を喜ぶ兵や市民たちも、この日は騒ぐことなく、静かな時間を送っている。
帝都ヴェルダンディ郊外、フェルステンフェルト地区の墓地。
レイナートは単身、この街における最も大きな埋葬地を訪れている。彼の前にある墓石には、「クララ・ウェーバー」の名が刻まれている。遺族はこの墓を建てるのに、よほどの金を積んだのであろう。よく磨き込まれた最上級の大理石が使われている。まだ新しく、手入れも定期的にされているらしい。
帽子や外套をずぶ濡れにしながらも飽くことなく佇む彼の背後から、不意に声をかけた者がある。
「やはり、来ていたか」
振り向いた先に、墓の下の住人の、その兄がいる。
「ウェーバー少将」
「久しぶりだな。妹が亡くなって、今日でちょうど8年になる」
「クララを忘れたことは、この8年、一度もありません」
「そうか。クララも懐かしい顔が見られて、喜ぶだろう」
ウェーバーは、目元に穏やかな皺を浮かべた。レイナートが知っている当時に比して、顔には彫りが増え、声からは若さが消え、瞳にも感情の激しさより安定的な理性が強く感じられる。8年という歳月は、人の姿を変えるには充分な期間であろう。その分、彼自身も変わっているだろうし、ウェーバーからも同様に見えたかもしれない。
「改めて、お悔やみを。それと、心からの謝罪を。私が亡命などしなければ、クララは命を断つことはなかったはず」
「ルーカス、後悔はするなよ」
レイナートは返答に困り、沈黙した。
「貴様がやったことは正しい。いや、誰よりも正しい。少なくとも、俺よりはな。俺は上官を見捨て、確実に負けると分かってから、合衆国軍に投降した。帝都に戻ってからは、妻や子とも再会できた。妻は俺が捨てた上官の娘だから、罵声を覚悟していたが、生きて戻ってくれてよかったと、それだけを言ってくれた。中途半端で、何も成し遂げていない。成し遂げるための志もない。そんな俺や、俺に似た大多数の人々に比べれば、貴様は誰よりも正しい。だから、後悔だけはするな。後悔すれば、クララも傷つくだろう」
「後悔はあります。志を伏せ、彼女とともに生きる道もあったのではないかと」
「いや、これでよかったんだ。それに、妹が死んだのは貴様のせいじゃない。俺のせいだ」
「どういうことですか」
レイナートの率直な問いに、ウェーバーは表情の陰影を濃くした。
「貴様が亡命した直後、帝都ではちょっとした騒ぎになった。何しろ、現役の国防軍中佐が隣国に亡命したんだ。上官、同僚、家族、もちろんクララも俺も憲兵隊の聴取を受けた。誰もが寝耳に水だったわけだし、関与を否定したが、ひとりクララだけはすべてを正直に話した。貴様がどのような志を抱いて亡命をしたのか、自分はそれを知りともに亡命することを願ったが貴様に止められたこと。憲兵隊の知り合いから、クララの供述内容を聞いて、俺は自殺行為だと思った。何も知らなかったと言っておけば、国防軍士官の妹でもあるし、それ以上の追及はなかっただろう。だが、クララはすべてを話すことを選んだ。どうしてだろうな。俺は未だに分からない」
「それで、彼女は」
「表向き、罪に問われることはなかった。教唆も、幇助も立証されなかったからな。だが、永久的に憲兵隊の監視がつくことになった。監視と言っても、実際には悪質な嫌がらせさ。四六時中、身辺をついて回る。監視の目は家族にも及ぶから、俺や両親も監視対象になった。俺はクララに言ったさ、ルーカスとお前のせいで、家族はめちゃくちゃだとな」
レイナートも、憲兵隊による監視がどういうものかは知っている。公然の監視、非公然の監視とがあり、前者に関しては監視しているということを本人とその周囲の者たちに伝えることで、圧力をかけ、孤立に追い込む。家族や友人、近隣の住民などは憲兵隊と関わりたくないから、本人と距離をとるようになる。人間関係が破壊され、生活に支障をきたし、あらゆる面で悪影響が出る。一種の精神的拷問であり、事実上の刑罰である。しかもそれが永遠に続くと宣告されているわけだから、苦痛は並ではない。それが憲兵隊のやり口である。
「俺も、出世欲があったからな。両親にも言って、クララと縁を切ることにした」
縁を切ったあと、クララの周囲には人が寄りつかず、相変わらず憲兵隊の監視員だけが残った。しばらくして、絶望したクララは、監視員の前でシェラン川に身を投げた。監視員は止めようともしなかったという。そして、下流の河原に流れ着いた遺体を確認し、ごく事務的に、ウェーバーのもとへ連絡を寄越した。
彼は慟哭し、この墓を建てた。
墓には、名前とともに銘が刻まれている。
「気高く、強く生きた」
無骨なほどに簡潔だが、ウェーバーとクララ、それぞれの人柄をよく表しているように、レイナートには思われた。
二人はしばし、故人との思い出やその生きざまについて思いを馳せ、やがてウェーバーが未来についての話を始めた。
「それで、これからどうする。帝国に帰ってくるのか」
「分かっていることは、まだ何もありません。ただ、クイーンは私の志が果たされるのに協力していただいたと、少なくとも私はそのように理解しています。私としては、恩返しにクイーンの大志の実現に微力ながら尽くしたいとも思っています。そのために、帝国に戻るのがよいか、それとも教国に留まるのがよいのか。いずれにしても私自身が何かを選択し決定できる余地は、さほど広くないように思います」
「それもそうだな。帝国も、体制が変われば政府からも軍からもヘルムス色を排除するような人事が断行されるだろう。そうなれば一時的にでも人材が欠乏する。まずは骨格を決めなければな。これからどうなるにせよ、ともに力を尽くそう。クララのためにもな」
ウェーバーが差し出した手を、レイナートが握る。雨に濡れそぼってはいたが、ぬくもりのある、力強い感触が掌から腕にまで伝わった。この握手で、彼も8年越しのわだかまりを解くことができたか、どうか。
少なくとも彼の歩む道に、ひとつの大きな変化をもたらす予感を与える、これは握手であった。
彼は帝国にはいささかの因縁がある。
いや、その表現は控えめに過ぎるであろう。
人は彼を教国軍の将軍として認識するところが大きいが、実際には帝国生まれ帝国育ち、軍籍ももとは帝国軍にあり、20代で中佐の階級を得ていた。つまり、彼はれっきとした帝国の人間である。
彼が教国にあるのは、ヘルムス総統による祖国支配を疑問とし、民衆のためには害がはるかに多く、これを変えるためには内圧よりも外圧をもってすべきで、自らは隣国である教国に亡命し、そこで新たな祖国と古き祖国のために力を尽くそうと志したからである。
教国亡命後はよそ者ということもあり、その才覚を必ずしも活かせるだけの地位を与えられなかったが、クイーンの信頼を得て、一躍、師団長へと進んだ。大小いくつかの戦いにおいて、彼は帝国軍に対して一度も引けをとらず、振り返ると彼の足跡には赫々たる戦果が記されている。
そして、彼の尽力もあり、ヘルムス政権は倒れた。これから帝国がどのように生まれ変わるのか、それは未知数だが、少なくとも彼の当初の志はここに遂げられたことになる。
連合軍による帝都陥落後、4月26日。
この日、帝都には冷たい雨が降った。シェラン河畔及び帝都での戦い以降、初めて降った雨である。雨粒は徐々に集まって流れをつくり、石や土、レンガにこびりついた血を洗った。戦争終結を喜ぶ兵や市民たちも、この日は騒ぐことなく、静かな時間を送っている。
帝都ヴェルダンディ郊外、フェルステンフェルト地区の墓地。
レイナートは単身、この街における最も大きな埋葬地を訪れている。彼の前にある墓石には、「クララ・ウェーバー」の名が刻まれている。遺族はこの墓を建てるのに、よほどの金を積んだのであろう。よく磨き込まれた最上級の大理石が使われている。まだ新しく、手入れも定期的にされているらしい。
帽子や外套をずぶ濡れにしながらも飽くことなく佇む彼の背後から、不意に声をかけた者がある。
「やはり、来ていたか」
振り向いた先に、墓の下の住人の、その兄がいる。
「ウェーバー少将」
「久しぶりだな。妹が亡くなって、今日でちょうど8年になる」
「クララを忘れたことは、この8年、一度もありません」
「そうか。クララも懐かしい顔が見られて、喜ぶだろう」
ウェーバーは、目元に穏やかな皺を浮かべた。レイナートが知っている当時に比して、顔には彫りが増え、声からは若さが消え、瞳にも感情の激しさより安定的な理性が強く感じられる。8年という歳月は、人の姿を変えるには充分な期間であろう。その分、彼自身も変わっているだろうし、ウェーバーからも同様に見えたかもしれない。
「改めて、お悔やみを。それと、心からの謝罪を。私が亡命などしなければ、クララは命を断つことはなかったはず」
「ルーカス、後悔はするなよ」
レイナートは返答に困り、沈黙した。
「貴様がやったことは正しい。いや、誰よりも正しい。少なくとも、俺よりはな。俺は上官を見捨て、確実に負けると分かってから、合衆国軍に投降した。帝都に戻ってからは、妻や子とも再会できた。妻は俺が捨てた上官の娘だから、罵声を覚悟していたが、生きて戻ってくれてよかったと、それだけを言ってくれた。中途半端で、何も成し遂げていない。成し遂げるための志もない。そんな俺や、俺に似た大多数の人々に比べれば、貴様は誰よりも正しい。だから、後悔だけはするな。後悔すれば、クララも傷つくだろう」
「後悔はあります。志を伏せ、彼女とともに生きる道もあったのではないかと」
「いや、これでよかったんだ。それに、妹が死んだのは貴様のせいじゃない。俺のせいだ」
「どういうことですか」
レイナートの率直な問いに、ウェーバーは表情の陰影を濃くした。
「貴様が亡命した直後、帝都ではちょっとした騒ぎになった。何しろ、現役の国防軍中佐が隣国に亡命したんだ。上官、同僚、家族、もちろんクララも俺も憲兵隊の聴取を受けた。誰もが寝耳に水だったわけだし、関与を否定したが、ひとりクララだけはすべてを正直に話した。貴様がどのような志を抱いて亡命をしたのか、自分はそれを知りともに亡命することを願ったが貴様に止められたこと。憲兵隊の知り合いから、クララの供述内容を聞いて、俺は自殺行為だと思った。何も知らなかったと言っておけば、国防軍士官の妹でもあるし、それ以上の追及はなかっただろう。だが、クララはすべてを話すことを選んだ。どうしてだろうな。俺は未だに分からない」
「それで、彼女は」
「表向き、罪に問われることはなかった。教唆も、幇助も立証されなかったからな。だが、永久的に憲兵隊の監視がつくことになった。監視と言っても、実際には悪質な嫌がらせさ。四六時中、身辺をついて回る。監視の目は家族にも及ぶから、俺や両親も監視対象になった。俺はクララに言ったさ、ルーカスとお前のせいで、家族はめちゃくちゃだとな」
レイナートも、憲兵隊による監視がどういうものかは知っている。公然の監視、非公然の監視とがあり、前者に関しては監視しているということを本人とその周囲の者たちに伝えることで、圧力をかけ、孤立に追い込む。家族や友人、近隣の住民などは憲兵隊と関わりたくないから、本人と距離をとるようになる。人間関係が破壊され、生活に支障をきたし、あらゆる面で悪影響が出る。一種の精神的拷問であり、事実上の刑罰である。しかもそれが永遠に続くと宣告されているわけだから、苦痛は並ではない。それが憲兵隊のやり口である。
「俺も、出世欲があったからな。両親にも言って、クララと縁を切ることにした」
縁を切ったあと、クララの周囲には人が寄りつかず、相変わらず憲兵隊の監視員だけが残った。しばらくして、絶望したクララは、監視員の前でシェラン川に身を投げた。監視員は止めようともしなかったという。そして、下流の河原に流れ着いた遺体を確認し、ごく事務的に、ウェーバーのもとへ連絡を寄越した。
彼は慟哭し、この墓を建てた。
墓には、名前とともに銘が刻まれている。
「気高く、強く生きた」
無骨なほどに簡潔だが、ウェーバーとクララ、それぞれの人柄をよく表しているように、レイナートには思われた。
二人はしばし、故人との思い出やその生きざまについて思いを馳せ、やがてウェーバーが未来についての話を始めた。
「それで、これからどうする。帝国に帰ってくるのか」
「分かっていることは、まだ何もありません。ただ、クイーンは私の志が果たされるのに協力していただいたと、少なくとも私はそのように理解しています。私としては、恩返しにクイーンの大志の実現に微力ながら尽くしたいとも思っています。そのために、帝国に戻るのがよいか、それとも教国に留まるのがよいのか。いずれにしても私自身が何かを選択し決定できる余地は、さほど広くないように思います」
「それもそうだな。帝国も、体制が変われば政府からも軍からもヘルムス色を排除するような人事が断行されるだろう。そうなれば一時的にでも人材が欠乏する。まずは骨格を決めなければな。これからどうなるにせよ、ともに力を尽くそう。クララのためにもな」
ウェーバーが差し出した手を、レイナートが握る。雨に濡れそぼってはいたが、ぬくもりのある、力強い感触が掌から腕にまで伝わった。この握手で、彼も8年越しのわだかまりを解くことができたか、どうか。
少なくとも彼の歩む道に、ひとつの大きな変化をもたらす予感を与える、これは握手であった。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
満州国馬賊討伐飛行隊
ゆみすけ
歴史・時代
満州国は、日本が作った対ソ連の干渉となる国であった。 未開の不毛の地であった。 無法の馬賊どもが闊歩する草原が広がる地だ。 そこに、農業開発開墾団が入植してくる。 とうぜん、馬賊と激しい勢力争いとなる。 馬賊は機動性を武器に、なかなか殲滅できなかった。 それで、入植者保護のため満州政府が宗主国である日本国へ馬賊討伐を要請したのである。 それに答えたのが馬賊専門の討伐飛行隊である。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
軍艦少女は死に至る夢を見る~戦時下の大日本帝国から始まる艦船擬人化物語~
takahiro
キャラ文芸
『船魄』(せんぱく)とは、軍艦を自らの意のままに操る少女達である。船魄によって操られる艦艇、艦載機の能力は人間のそれを圧倒し、彼女達の前に人間は殲滅されるだけの存在なのだ。1944年10月に覚醒した最初の船魄、翔鶴型空母二番艦『瑞鶴』は、日本本土進攻を企てるアメリカ海軍と激闘を繰り広げ、ついに勝利を掴んだ。
しかし戦後、瑞鶴は帝国海軍を脱走し行方をくらませた。1955年、アメリカのキューバ侵攻に端を発する日米の軍事衝突の最中、瑞鶴は再び姿を現わし、帝国海軍と交戦状態に入った。瑞鶴の目的はともかくとして、船魄達を解放する戦いが始まったのである。瑞鶴が解放した重巡『妙高』『高雄』、いつの間にかいる空母『グラーフ・ツェッペリン』は『月虹』を名乗って、国家に属さない軍事力として活動を始める。だが、瑞鶴は大義やら何やらには興味がないので、利用できるものは何でも利用する。カリブ海の覇権を狙う日本・ドイツ・ソ連・アメリカの間をのらりくらりと行き交いながら、月虹は生存の道を探っていく。
登場する艦艇はなんと57隻!(2024/12/18時点)(人間のキャラは他に多数)(まだまだ増える)。人類に反旗を翻した軍艦達による、異色の艦船擬人化物語が、ここに始まる。
――――――――――
●本作のメインテーマは、あくまで(途中まで)史実の地球を舞台とし、そこに船魄(せんぱく)という異物を投入したらどうなるのか、です。いわゆる艦船擬人化ものですが、特に軍艦や歴史の知識がなくとも楽しめるようにしてあります。もちろん知識があった方が楽しめることは違いないですが。
●なお軍人がたくさん出て来ますが、船魄同士の関係に踏み込むことはありません。つまり船魄達の人間関係としては百合しかありませんので、ご安心もしくはご承知おきを。かなりGLなので、もちろんがっつり性描写はないですが、苦手な方はダメかもしれません。
●全ての船魄に挿絵ありですが、AI加筆なので雰囲気程度にお楽しみください。
●少女たちの愛憎と謀略が絡まり合う、新感覚、リアル志向の艦船擬人化小説を是非お楽しみください。またお気に入りや感想などよろしくお願いします。
毎日一話投稿します。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる