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第21章 帝国領攻略作戦
第21章-⑤ 軍規を行い罪人を罰す
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クイーンは着替えを済ませると、すぐにエミリアとダフネを伴い、エンツォらが拘束されている町外れの倉庫へと向かった。10名の罪人は猿ぐつわをされ、後ろ手に厳しく縄でくくられ、膝をつき額を地面につけてクイーンを迎えるように強要された。用便の自由さえ与えられなかったのであろう、このうちの幾人かはすでに恐怖と尿意に耐えかねて失禁していた。饐えたにおいが、倉庫内に滞留している。
「クイーン、わざわざお運びいただき恐縮です」
倉庫には兵団長のヴァネッサ以下、副兵団長のジュリエット、千人長のシャルロット、百人長のイヴァンカがクイーンを待っていた。このうち、罪人どもの直接の上官であるイヴァンカ、イヴァンカの上官シャルロットは、片膝をついて陳謝の意を示し出迎えた。出陣前の全軍に対する訓示では、帝国領での許可のない敵対的行動、特に帝国人民に対する直接の危害や財産の略取など厳しく禁じられており、背けば重罰に処するとされている。部下のなかからこの命令に違背する者が出たら、彼女たちも監督者として責めを負わねばならない。
「ヴァネッサ、事情を詳しく話してください」
「承知しました」
問題は、エンツォの近衛兵団への入隊時からあったらしい。
エンツォは貴族家の次男坊として産まれ、不自由のない生活に慣れきっている。クイーンの即位後、段階的に貴族制度の改革が行われ、蓄えていた財産も徐々に減るなか、当主のマリオッティ子爵も放蕩三昧で浪費家のこの次男坊には手を焼いていたらしい。本人の志願であると子爵は殊勝なことを言ったが、実際には厄介払いをしたかったに違いない。その証拠に、軍に入ってからのエンツォは厳しい訓練にまったくと言っていいほどついていけず、すぐに音を上げた。出陣前最後の小演習でもしばしば落伍し、上官のイヴァンカも叱咤と怒号と罵声の連続でしばらく声が枯れたほどである。結局、エンツォの分隊はイヴァンカ自身が預かって出征に参加することとなった。国都を発してからも、重装備下での行軍に慣れないエンツォは足が痛いと言って泣き、部下の支えでようやく置いてきぼりをまぬがれたという体たらくであった。
ミューレホルツに到着して早々は、イヴァンカの厳格な指揮に服して一切の間違いは起こらなかったが、夜になってからエンツォは上官や同僚の目を盗んで自らの部下を召集し、町を徘徊した。部下らはこの無能で人でなしの上官の真意を測りかねたものの、やがて彼がある裕福そうな民家を覗き込み、ここに押し入ろうと言ったときはさすがに躊躇した。クイーンの厳命は末端の兵にいたるまで全員が知っている。帝国の民衆に無用に危害を加えれば下手をすれば命はない。だが断ることもできなかった。エンツォは高貴な家の出であり、かつはクイーンの義理の従兄弟である。要するに兵らは、彼と彼の尊貴な背景に対して遠慮と畏れとを抱いている。俺はクイーンの従兄弟だ、と凄まれたら、従うほかはない。
折しも、町はどの家も教国軍の進駐を喜び祝い、浮かれきっていて、この家の騒ぎにも気づかない。エンツォは押し入ってまず家の主人と息子を剣で殴って気絶させ、妻と娘たちには口に布を押し込んで、順繰りに犯した。彼は部下たちにもこの醜い犯罪に加わるよう強要し、全員が裸になって、ダイニングテーブルやベッド、廊下、屋根裏など家のあちこちを連れ回しては凌辱の限りを尽くした。
エンツォは家人に、自分は教国女王の従兄弟であるから、事件を通報しても処罰されない、そのようなことをすれば必ず報復する、と脅迫を加えた上、金品を奪い、夜が明ける前に去った。朝になれば点呼がある。内密に出歩いたことが露見すれば軍規違反になるし、事件が発覚するかもしれない。それを恐れたのであろう。
だがいざ点呼というとき、部下の一人がいなかった。その部下は持ち場には戻らず、千人長のシャルロットのもとへ駆け込み、自らの罪について洗いざらいを白状した。
「その話、被害を受けた方たちに裏付けはとりましたか」
「サミアを行かせました。すべて事実です」
「そうですか」
エンツォは猿ぐつわを外され、弁明の機会を与えられた。彼がとった態度は、恐らく考えうる限りで最も見苦しいものであったろう。
彼はこの場を切り抜けるための手段として、まず自分の血統と縁故を利用しようとした。
「クイーン、クイーン、私はマリオッティ子爵家の正統な血筋、あなたの従兄弟です」
次に、自分は主犯ではなく従犯であると主張し、責任を転嫁しようとした。
「私は部下どもに唆され、この卑劣な行いを指揮するよう強いられたのです」
さらに、自身の責任能力についても言及した。
「夕べは散々に酒を飲まされていたため、酩酊し、明らかに判断力を失っておりました。私を罰することに、なんの意味がありましょうか」
クイーンはまるで慈悲の心を失ったかのような、凍てついた視線でこの男の釈明の終わりを待ち、すべて聞き終えるや、審判を申し渡した。
「あなたの弁解はよく分かりました。あなたの処分については、この町の方たちに決めてもらいましょう。非がなく、罪もないのなら、あなたを害そうとする者はいないはず。今日一日、町の中央広場に立ち、何事もなく明日を迎えられたら、隊に復帰してください」
その判決の意味を理解したエンツォは、声色を一瞬にして哀願から罵倒へと切り替え、つばきを飛ばして叫んだ。
「孤児院育ちの物乞いエスメラルダ、貴様に俺が殺せるものか!」
ヴァネッサは、クイーンへの罵声に殺気立つ旗本らを指揮し、エンツォを町の広場へ引き立てて、そこに柱を立て、縛りつけた。そして町に布告を発した。エンツォの行状を公表し、クイーンの心からの謝罪を書き記すとともに、その姿を晒したのである。そして彼に対する報復を望む者は、望むままに行うことを許すと。
住民たちはしばらく遠巻きに不安と動揺のため歪んだ罪人の顔を見守っていたが、次第に怨嗟の声が起こり、石が投げられた。石は徐々に大きくなり、それらが四方八方から容赦なく浴びせられ、エンツォは許しを乞う叫びを上げ続けた。虫の息になったところで、彼のために貞操を奪われた女たちが歩み寄って、顔を数百回にわたって石で殴り、ようやくこの刑罰は終わりを迎えた。頭部は頭蓋骨が割られ、いくつかの肉片が血まみれでそこにぶら下がって、原形をとどめなかったという。
エンツォの蛮行に不本意ながらも従った部下の兵たちは、せめてもの情けとして苦しみの少ない断首刑とされ、同じ広場で公開処刑となった。同胞に対して残虐であり、上官に強いられた事情を勘案すれば苛酷なようにも思えるが、民衆の感情に対する配慮と、この場合は軍規を徹底することが、内外に対するクイーンの覚悟と教国軍の正当性を強烈に示すことになる。
ミューレホルツの住人たちは、罪人たちが処刑されたのを見て、一様に拍手を送り喝采を叫んだ。と同時に、教国軍こそ正義の執行者であるとの思いを確かにした。エンツォは歴史に汚名を残したが、教国軍の規律を強め、帝国人民のクイーンに対する信頼を得ることに少なからず貢献したと言っていい。
この始末に関しては、法による処罰ではなく、いわば市民たちに私刑を使嗾したものであり、指揮官としてあるいは君主としての責任を放棄したとして後世、批判の的に晒されることもあるが、反論も多い。この場合のクイーンは、法による処罰を執行することよりも、市民たちの怒りと不信を彼個人に向け、遠征軍に対する反抗心を解消する政治的要求に従うことを優先したわけであり、また遠征軍の将兵にも法の重きを知らしめることで一罰百戒としたのではないか、というものである。いずれにしてもクイーンの処置はそのそれぞれに効果を示した。
事実をシャルロット千人長に通報した兵は、刑を減じられ、本国に送り返された上で禁錮20年の処分となった。のち、再審理にかけられ、最終的には禁錮4年の刑で釈放されている。
そしてマリオッティ子爵家のその後であるが、家を継いだエンリコは、弟の不始末による悪評を苦にして精神を病み、5年後に浪費が原因で破産し、直後に自殺している。父親は温厚で誠実、能力もそれなりにある人物であったが、その息子たちはいずれも栄誉あるマリオッティ家を新たな治世のもとで存続させるに足る者たちではなかったようである。
当のマリオッティ子爵は、エンリコの死後、再び当主の座に返り咲いたものの、一文無しにまで落ちぶれた不名誉なマリオッティ子爵家の門地を継ぐ者も現れず、そのまま2年後に失意の末、死没している。
クイーンは国内で治安の向上に努める一方で残虐な刑罰を禁止し、のちに死刑を原則的に廃止しているが、軍規に関する限りは厳格で、特に民間人に害を与えた場合は極刑の適用も辞さなかった。そうした姿勢が、最終的には軍の強化と有利な戦略的環境を整えることにつながり、要は楽に勝てることになると知っていたのであろう。
教国軍はこのトリーゼンベルク地方で軍を分け、本隊は西へと折れてクライフェルト川の本流へと向かい、第三師団のみそのまま北上してベルヴェデーレ要塞へと向かった。
無論、教国軍の動きは要塞にあるシュトラウス上級大将以下、帝国の主力軍団の将兵にも知れ渡っている。
教国軍の動きに、どのように対応すべきか。
要塞の前線司令部は、緊急の討議に入った。
「クイーン、わざわざお運びいただき恐縮です」
倉庫には兵団長のヴァネッサ以下、副兵団長のジュリエット、千人長のシャルロット、百人長のイヴァンカがクイーンを待っていた。このうち、罪人どもの直接の上官であるイヴァンカ、イヴァンカの上官シャルロットは、片膝をついて陳謝の意を示し出迎えた。出陣前の全軍に対する訓示では、帝国領での許可のない敵対的行動、特に帝国人民に対する直接の危害や財産の略取など厳しく禁じられており、背けば重罰に処するとされている。部下のなかからこの命令に違背する者が出たら、彼女たちも監督者として責めを負わねばならない。
「ヴァネッサ、事情を詳しく話してください」
「承知しました」
問題は、エンツォの近衛兵団への入隊時からあったらしい。
エンツォは貴族家の次男坊として産まれ、不自由のない生活に慣れきっている。クイーンの即位後、段階的に貴族制度の改革が行われ、蓄えていた財産も徐々に減るなか、当主のマリオッティ子爵も放蕩三昧で浪費家のこの次男坊には手を焼いていたらしい。本人の志願であると子爵は殊勝なことを言ったが、実際には厄介払いをしたかったに違いない。その証拠に、軍に入ってからのエンツォは厳しい訓練にまったくと言っていいほどついていけず、すぐに音を上げた。出陣前最後の小演習でもしばしば落伍し、上官のイヴァンカも叱咤と怒号と罵声の連続でしばらく声が枯れたほどである。結局、エンツォの分隊はイヴァンカ自身が預かって出征に参加することとなった。国都を発してからも、重装備下での行軍に慣れないエンツォは足が痛いと言って泣き、部下の支えでようやく置いてきぼりをまぬがれたという体たらくであった。
ミューレホルツに到着して早々は、イヴァンカの厳格な指揮に服して一切の間違いは起こらなかったが、夜になってからエンツォは上官や同僚の目を盗んで自らの部下を召集し、町を徘徊した。部下らはこの無能で人でなしの上官の真意を測りかねたものの、やがて彼がある裕福そうな民家を覗き込み、ここに押し入ろうと言ったときはさすがに躊躇した。クイーンの厳命は末端の兵にいたるまで全員が知っている。帝国の民衆に無用に危害を加えれば下手をすれば命はない。だが断ることもできなかった。エンツォは高貴な家の出であり、かつはクイーンの義理の従兄弟である。要するに兵らは、彼と彼の尊貴な背景に対して遠慮と畏れとを抱いている。俺はクイーンの従兄弟だ、と凄まれたら、従うほかはない。
折しも、町はどの家も教国軍の進駐を喜び祝い、浮かれきっていて、この家の騒ぎにも気づかない。エンツォは押し入ってまず家の主人と息子を剣で殴って気絶させ、妻と娘たちには口に布を押し込んで、順繰りに犯した。彼は部下たちにもこの醜い犯罪に加わるよう強要し、全員が裸になって、ダイニングテーブルやベッド、廊下、屋根裏など家のあちこちを連れ回しては凌辱の限りを尽くした。
エンツォは家人に、自分は教国女王の従兄弟であるから、事件を通報しても処罰されない、そのようなことをすれば必ず報復する、と脅迫を加えた上、金品を奪い、夜が明ける前に去った。朝になれば点呼がある。内密に出歩いたことが露見すれば軍規違反になるし、事件が発覚するかもしれない。それを恐れたのであろう。
だがいざ点呼というとき、部下の一人がいなかった。その部下は持ち場には戻らず、千人長のシャルロットのもとへ駆け込み、自らの罪について洗いざらいを白状した。
「その話、被害を受けた方たちに裏付けはとりましたか」
「サミアを行かせました。すべて事実です」
「そうですか」
エンツォは猿ぐつわを外され、弁明の機会を与えられた。彼がとった態度は、恐らく考えうる限りで最も見苦しいものであったろう。
彼はこの場を切り抜けるための手段として、まず自分の血統と縁故を利用しようとした。
「クイーン、クイーン、私はマリオッティ子爵家の正統な血筋、あなたの従兄弟です」
次に、自分は主犯ではなく従犯であると主張し、責任を転嫁しようとした。
「私は部下どもに唆され、この卑劣な行いを指揮するよう強いられたのです」
さらに、自身の責任能力についても言及した。
「夕べは散々に酒を飲まされていたため、酩酊し、明らかに判断力を失っておりました。私を罰することに、なんの意味がありましょうか」
クイーンはまるで慈悲の心を失ったかのような、凍てついた視線でこの男の釈明の終わりを待ち、すべて聞き終えるや、審判を申し渡した。
「あなたの弁解はよく分かりました。あなたの処分については、この町の方たちに決めてもらいましょう。非がなく、罪もないのなら、あなたを害そうとする者はいないはず。今日一日、町の中央広場に立ち、何事もなく明日を迎えられたら、隊に復帰してください」
その判決の意味を理解したエンツォは、声色を一瞬にして哀願から罵倒へと切り替え、つばきを飛ばして叫んだ。
「孤児院育ちの物乞いエスメラルダ、貴様に俺が殺せるものか!」
ヴァネッサは、クイーンへの罵声に殺気立つ旗本らを指揮し、エンツォを町の広場へ引き立てて、そこに柱を立て、縛りつけた。そして町に布告を発した。エンツォの行状を公表し、クイーンの心からの謝罪を書き記すとともに、その姿を晒したのである。そして彼に対する報復を望む者は、望むままに行うことを許すと。
住民たちはしばらく遠巻きに不安と動揺のため歪んだ罪人の顔を見守っていたが、次第に怨嗟の声が起こり、石が投げられた。石は徐々に大きくなり、それらが四方八方から容赦なく浴びせられ、エンツォは許しを乞う叫びを上げ続けた。虫の息になったところで、彼のために貞操を奪われた女たちが歩み寄って、顔を数百回にわたって石で殴り、ようやくこの刑罰は終わりを迎えた。頭部は頭蓋骨が割られ、いくつかの肉片が血まみれでそこにぶら下がって、原形をとどめなかったという。
エンツォの蛮行に不本意ながらも従った部下の兵たちは、せめてもの情けとして苦しみの少ない断首刑とされ、同じ広場で公開処刑となった。同胞に対して残虐であり、上官に強いられた事情を勘案すれば苛酷なようにも思えるが、民衆の感情に対する配慮と、この場合は軍規を徹底することが、内外に対するクイーンの覚悟と教国軍の正当性を強烈に示すことになる。
ミューレホルツの住人たちは、罪人たちが処刑されたのを見て、一様に拍手を送り喝采を叫んだ。と同時に、教国軍こそ正義の執行者であるとの思いを確かにした。エンツォは歴史に汚名を残したが、教国軍の規律を強め、帝国人民のクイーンに対する信頼を得ることに少なからず貢献したと言っていい。
この始末に関しては、法による処罰ではなく、いわば市民たちに私刑を使嗾したものであり、指揮官としてあるいは君主としての責任を放棄したとして後世、批判の的に晒されることもあるが、反論も多い。この場合のクイーンは、法による処罰を執行することよりも、市民たちの怒りと不信を彼個人に向け、遠征軍に対する反抗心を解消する政治的要求に従うことを優先したわけであり、また遠征軍の将兵にも法の重きを知らしめることで一罰百戒としたのではないか、というものである。いずれにしてもクイーンの処置はそのそれぞれに効果を示した。
事実をシャルロット千人長に通報した兵は、刑を減じられ、本国に送り返された上で禁錮20年の処分となった。のち、再審理にかけられ、最終的には禁錮4年の刑で釈放されている。
そしてマリオッティ子爵家のその後であるが、家を継いだエンリコは、弟の不始末による悪評を苦にして精神を病み、5年後に浪費が原因で破産し、直後に自殺している。父親は温厚で誠実、能力もそれなりにある人物であったが、その息子たちはいずれも栄誉あるマリオッティ家を新たな治世のもとで存続させるに足る者たちではなかったようである。
当のマリオッティ子爵は、エンリコの死後、再び当主の座に返り咲いたものの、一文無しにまで落ちぶれた不名誉なマリオッティ子爵家の門地を継ぐ者も現れず、そのまま2年後に失意の末、死没している。
クイーンは国内で治安の向上に努める一方で残虐な刑罰を禁止し、のちに死刑を原則的に廃止しているが、軍規に関する限りは厳格で、特に民間人に害を与えた場合は極刑の適用も辞さなかった。そうした姿勢が、最終的には軍の強化と有利な戦略的環境を整えることにつながり、要は楽に勝てることになると知っていたのであろう。
教国軍はこのトリーゼンベルク地方で軍を分け、本隊は西へと折れてクライフェルト川の本流へと向かい、第三師団のみそのまま北上してベルヴェデーレ要塞へと向かった。
無論、教国軍の動きは要塞にあるシュトラウス上級大将以下、帝国の主力軍団の将兵にも知れ渡っている。
教国軍の動きに、どのように対応すべきか。
要塞の前線司令部は、緊急の討議に入った。
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