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嫉妬
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誰か私を呼んだ?
私の名前を呼ぶ声が聞こえたような気がして、馬車に乗り込むのをやめ、後ろを振り返る。
「ラケシスさん、待って! 乗らないで!」
遠い所から大声をあげながら走って来るのは──ルーブルさんだ。
「偶然ですね。そんなに走って来なくても大丈夫でしたのに……平気ですか?」
私の目の前まで全速力と思われる速さで走って来たと思ったら、両膝に手をつき、苦し気に肩で息をするルーブルさん。一言も言葉を発することができない程に息が切れているらしく、彼はぜぇぜぇと苦しそうに呼吸している。
「そこまで全力で走らなくても……私、待ってたのに」
「いや……はぁ、はぁ、待ってて……ぜぇ、ぜぇ、くれるか不安……だったか、ら」
息も絶え絶えに言葉を返してくれるルーブルさんの背中を、私はそっと摩る。
これで少しでも早く楽になってくれれば良い。そんな気持ちをこめながら。
ルーブルさんの呼吸が整うまで話し掛けるのはやめようと、暫く無言で彼の背中を摩り続けていると──。
「ありがとうラケシスさん。貴女は本当に優しい人だね」
漸く息が整ったらしいルーブルさんは、優しい笑みを浮かべてそう言った。
「い、いえ。こんなの別に普通のことですし、苦しそうな人が目の前にいたら、誰だって同じようにすると思います」
普段、彼といる時は本ばかりを見ている私。だから今みたいに真正面から笑いかけられると、どこに目を向けて良いか分からず、ドギマギしてしまう。
これまで直視したことがないから気付かなかったけど、こうして見るとルーブルさんってかなり顔が整っているわ……!
所謂イケメンという部類に属されるのではないだろうか。
それでも悲しいかな、私にはドノヴァンの方が格好良く見えてしまうのだけれど。
ドノヴァンの事を思い出したら、同時にアリーシャさんのことまで頭に浮かんでしまい、私はそれを振り払うかのように頭を振った。
「ルーブルさんは、どうして此方に?」
「ああ、僕は注文していた本が届いたと書店から連絡をもらってね。それを受け取りに行くところだったんだ。良ければ君も一緒にどうかな?」
「よろしいのですか?」
思わぬ提案に、私の瞳が輝く。
折角両親に許しをもらって外出したのだ。できれば、まだ帰りたくない。ドノヴァンと一緒に出掛けたことを家の人達は皆知っているから、あまり早く帰っても怪しまれてしまうだろうし。
渡りに船だと思って、ここは是非誘いに乗らせてもらおう。
「是非、ご一緒させて下さい」
ぺこりと頭を下げた私にルーブルさんは笑顔で頷くと、「もちろんだよ、行こう」と言うが早いか、先に立って歩き始めた。
彼について私も歩き出したけれど、途中、劇場の前を通ったところで、ドノヴァンの事が頭を過ぎり、つい足を止めてしまう。
そういえば……ドノヴァンは私の好きそうな劇のチケットを手に入れたと言っていたけど、今はどんな劇をやっているんだろう?
気になって、遠くから目を凝らす。
流石にこの距離からじゃ、演目までは見ることができない。ドノヴァン達は今、二人で劇を見ているのだろうか?
ずきん、と胸が痛みを訴える。思わず胸を押さえると、「ラケシスさん、劇が気になる?」とルーブルさんに声を掛けられた。
「そういうわけではないんです。ただ、ちょっと考え事をしてしまって……」
ドノヴァンの事を考えても辛いだけなのに、どうしてこうも頭から離れてくれないんだろう。
今はルーブルさんと一緒にいるんだから、いつまでも拘っているわけにはいかないのに。
そっと劇場から目を逸らすと、私はぎこちなくルーブルさんに笑いかけた。
「それより今日取りに行く書籍は、どんな内容の物なんですか?」
若干態とらしい気はしたけれど、精一杯明るい声を出し、胸の痛みから目を逸らす。
私は普段ボソボソとしか喋らないから、そんな私の様子にルーブルさんは一瞬驚いたような顔をしたけれど、私の気持ちに気付いたのか、すぐに何事もなかったかのように言葉を返してくれた。
「この前話した冒険譚の続きなんだけど、あれは作者の実体験を元に書かれているらしくてね。そのせいなのか、ずっと続編が出なかったんだ。だけど、それが今回、満を持して販売されることになったらしくて」
「素敵! 私も買おうかな」
その本の内容を聞いた時、もの凄く心惹かれたことを覚えている。
でも、未だに一冊も持っていないから、続編が出るなら以前から販売されている物も含め、両方購入してみようかと、思い付いて言ったのだけれど。
「書籍は高価な物だし、なんなら僕のを貸してあげるよ。購入はそれを読んでから決めても良いんじゃないかな?」
という素敵な申し出が、ルーブルさんからなされた。
「良いんですか? でしたら是非お借りしたいです!」
嬉しくなって、つい彼の手を両手で握ってしまう。
「っ!?」
途端にルーブルさんがビクッと反応したことで失態に気付いた私は、大慌てで彼の手から両手を離した。
「あ……っ! ご、ごめんなさい」
失礼だったと謝るも、ルーブルさんは真っ赤な顔で首を横に振る。
どうしよう、もし破廉恥な女と思われたりしていたら……。
折角仲良くなれたのに、私の無神経な行いのせいで台無しになってしまったかもしれない。
どうしてこうも迂闊なのかと、唇を噛んで俯く。両手もぎゅっと握りしめていたら、ふと右手に触れる感触があった。
「え……」
握りしめていた私の手をそっと開かせ、ルーブルさんが優しく握ってくれる。
驚いて硬直する私に、真っ赤な顔を更に赤く染めたルーブルさんが、恥ずかしそうにボソボソと言った。
「書店はちょっと分かりにくい場所にあるし、逸れたら危ないから……」
「あ、アリガトウゴザイマス……」
激しく照れてしまったせいで、またもや片言になった私に目を見開くと、ルーブルさんはぷっと吹き出す。
「また片言になってる! も~……勘弁してくれよ。どれだけ僕の腹筋を鍛える気?」
大笑いしながらも、彼は私の手を離さない。
しっかりと握ったまま、もう片方の手でお腹を抱えて笑っている。
「そ、そんなに笑わないで下さい。そもそもルーブルさんが私と手なんか繋ぐから、恥ずかしくなってしまって……」
「あ。う、うん、ごめん……」
私が片言になった理由に気付き、一転言葉を失うルーブルさん。
けれどその時私達は、そこが何処なのかということを、完全に忘れ去ってしまっていた。
そこは、劇場前広場という人通りの最も多い場所であり。ならば当然、通常の街中とは比べ物にならない人数の人達が、溢れかえっているわけで。となれば当然、その中に一人二人は知り合いがいるものである。
私達はその日、劇場には用がなかった。
でも私が劇場を見て、ついドノヴァンのことを思い出してしまったせいで足を止め、そのままそこで二人、恥ずかしいやり取りを始めてしまったのだ。
何故私がその場所で足を止めたのかを、やり取りの最中にでも思い出せば、まだ誤解されることはなかったかもしれない。だけど、自分達のことしか頭になかった私達は、完全に周りが見えていなかった。
その時少しでも周りを見ていたら、射るような視線でもって私達を見つめていた人の存在に、気付けたかもしれなかったのに。
私とルーブルさんは、どちらもその視線に気付くことはできなかった。
自分達に向け、剣呑な視線を向けてくる相手がいるなど、思いもしていなかったのだ。
その人物は、一心不乱に仲睦まじい様子の二人の姿を見つめていた。
その瞬間まで自覚されていなかった、長い期間眠りについていた恋心は、それを切っ掛けに突如として燃え上がったのだ。
嫉妬という火花を、激しく撒き散らしながら──。
私の名前を呼ぶ声が聞こえたような気がして、馬車に乗り込むのをやめ、後ろを振り返る。
「ラケシスさん、待って! 乗らないで!」
遠い所から大声をあげながら走って来るのは──ルーブルさんだ。
「偶然ですね。そんなに走って来なくても大丈夫でしたのに……平気ですか?」
私の目の前まで全速力と思われる速さで走って来たと思ったら、両膝に手をつき、苦し気に肩で息をするルーブルさん。一言も言葉を発することができない程に息が切れているらしく、彼はぜぇぜぇと苦しそうに呼吸している。
「そこまで全力で走らなくても……私、待ってたのに」
「いや……はぁ、はぁ、待ってて……ぜぇ、ぜぇ、くれるか不安……だったか、ら」
息も絶え絶えに言葉を返してくれるルーブルさんの背中を、私はそっと摩る。
これで少しでも早く楽になってくれれば良い。そんな気持ちをこめながら。
ルーブルさんの呼吸が整うまで話し掛けるのはやめようと、暫く無言で彼の背中を摩り続けていると──。
「ありがとうラケシスさん。貴女は本当に優しい人だね」
漸く息が整ったらしいルーブルさんは、優しい笑みを浮かべてそう言った。
「い、いえ。こんなの別に普通のことですし、苦しそうな人が目の前にいたら、誰だって同じようにすると思います」
普段、彼といる時は本ばかりを見ている私。だから今みたいに真正面から笑いかけられると、どこに目を向けて良いか分からず、ドギマギしてしまう。
これまで直視したことがないから気付かなかったけど、こうして見るとルーブルさんってかなり顔が整っているわ……!
所謂イケメンという部類に属されるのではないだろうか。
それでも悲しいかな、私にはドノヴァンの方が格好良く見えてしまうのだけれど。
ドノヴァンの事を思い出したら、同時にアリーシャさんのことまで頭に浮かんでしまい、私はそれを振り払うかのように頭を振った。
「ルーブルさんは、どうして此方に?」
「ああ、僕は注文していた本が届いたと書店から連絡をもらってね。それを受け取りに行くところだったんだ。良ければ君も一緒にどうかな?」
「よろしいのですか?」
思わぬ提案に、私の瞳が輝く。
折角両親に許しをもらって外出したのだ。できれば、まだ帰りたくない。ドノヴァンと一緒に出掛けたことを家の人達は皆知っているから、あまり早く帰っても怪しまれてしまうだろうし。
渡りに船だと思って、ここは是非誘いに乗らせてもらおう。
「是非、ご一緒させて下さい」
ぺこりと頭を下げた私にルーブルさんは笑顔で頷くと、「もちろんだよ、行こう」と言うが早いか、先に立って歩き始めた。
彼について私も歩き出したけれど、途中、劇場の前を通ったところで、ドノヴァンの事が頭を過ぎり、つい足を止めてしまう。
そういえば……ドノヴァンは私の好きそうな劇のチケットを手に入れたと言っていたけど、今はどんな劇をやっているんだろう?
気になって、遠くから目を凝らす。
流石にこの距離からじゃ、演目までは見ることができない。ドノヴァン達は今、二人で劇を見ているのだろうか?
ずきん、と胸が痛みを訴える。思わず胸を押さえると、「ラケシスさん、劇が気になる?」とルーブルさんに声を掛けられた。
「そういうわけではないんです。ただ、ちょっと考え事をしてしまって……」
ドノヴァンの事を考えても辛いだけなのに、どうしてこうも頭から離れてくれないんだろう。
今はルーブルさんと一緒にいるんだから、いつまでも拘っているわけにはいかないのに。
そっと劇場から目を逸らすと、私はぎこちなくルーブルさんに笑いかけた。
「それより今日取りに行く書籍は、どんな内容の物なんですか?」
若干態とらしい気はしたけれど、精一杯明るい声を出し、胸の痛みから目を逸らす。
私は普段ボソボソとしか喋らないから、そんな私の様子にルーブルさんは一瞬驚いたような顔をしたけれど、私の気持ちに気付いたのか、すぐに何事もなかったかのように言葉を返してくれた。
「この前話した冒険譚の続きなんだけど、あれは作者の実体験を元に書かれているらしくてね。そのせいなのか、ずっと続編が出なかったんだ。だけど、それが今回、満を持して販売されることになったらしくて」
「素敵! 私も買おうかな」
その本の内容を聞いた時、もの凄く心惹かれたことを覚えている。
でも、未だに一冊も持っていないから、続編が出るなら以前から販売されている物も含め、両方購入してみようかと、思い付いて言ったのだけれど。
「書籍は高価な物だし、なんなら僕のを貸してあげるよ。購入はそれを読んでから決めても良いんじゃないかな?」
という素敵な申し出が、ルーブルさんからなされた。
「良いんですか? でしたら是非お借りしたいです!」
嬉しくなって、つい彼の手を両手で握ってしまう。
「っ!?」
途端にルーブルさんがビクッと反応したことで失態に気付いた私は、大慌てで彼の手から両手を離した。
「あ……っ! ご、ごめんなさい」
失礼だったと謝るも、ルーブルさんは真っ赤な顔で首を横に振る。
どうしよう、もし破廉恥な女と思われたりしていたら……。
折角仲良くなれたのに、私の無神経な行いのせいで台無しになってしまったかもしれない。
どうしてこうも迂闊なのかと、唇を噛んで俯く。両手もぎゅっと握りしめていたら、ふと右手に触れる感触があった。
「え……」
握りしめていた私の手をそっと開かせ、ルーブルさんが優しく握ってくれる。
驚いて硬直する私に、真っ赤な顔を更に赤く染めたルーブルさんが、恥ずかしそうにボソボソと言った。
「書店はちょっと分かりにくい場所にあるし、逸れたら危ないから……」
「あ、アリガトウゴザイマス……」
激しく照れてしまったせいで、またもや片言になった私に目を見開くと、ルーブルさんはぷっと吹き出す。
「また片言になってる! も~……勘弁してくれよ。どれだけ僕の腹筋を鍛える気?」
大笑いしながらも、彼は私の手を離さない。
しっかりと握ったまま、もう片方の手でお腹を抱えて笑っている。
「そ、そんなに笑わないで下さい。そもそもルーブルさんが私と手なんか繋ぐから、恥ずかしくなってしまって……」
「あ。う、うん、ごめん……」
私が片言になった理由に気付き、一転言葉を失うルーブルさん。
けれどその時私達は、そこが何処なのかということを、完全に忘れ去ってしまっていた。
そこは、劇場前広場という人通りの最も多い場所であり。ならば当然、通常の街中とは比べ物にならない人数の人達が、溢れかえっているわけで。となれば当然、その中に一人二人は知り合いがいるものである。
私達はその日、劇場には用がなかった。
でも私が劇場を見て、ついドノヴァンのことを思い出してしまったせいで足を止め、そのままそこで二人、恥ずかしいやり取りを始めてしまったのだ。
何故私がその場所で足を止めたのかを、やり取りの最中にでも思い出せば、まだ誤解されることはなかったかもしれない。だけど、自分達のことしか頭になかった私達は、完全に周りが見えていなかった。
その時少しでも周りを見ていたら、射るような視線でもって私達を見つめていた人の存在に、気付けたかもしれなかったのに。
私とルーブルさんは、どちらもその視線に気付くことはできなかった。
自分達に向け、剣呑な視線を向けてくる相手がいるなど、思いもしていなかったのだ。
その人物は、一心不乱に仲睦まじい様子の二人の姿を見つめていた。
その瞬間まで自覚されていなかった、長い期間眠りについていた恋心は、それを切っ掛けに突如として燃え上がったのだ。
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