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第一章 回り出した歯車
赤い光
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村人達による一斉攻撃に、騎士の男が慌てる素振りを見せたのは一瞬だった。
「ふん……馬鹿か」
男は一番近くにいた村人の攻撃を難なく躱すと、重い甲冑を着けた足でその腹を蹴り飛ばす。
「ぐっ……!」
「ああっ!」
受け身を取る事すらできず、ただ無防備に吹っ飛ばされる村人の姿に、ラズリは絶望の声をあげた。
どうして。何故。
騎士の男の手はどちらも塞がっているのに、重そうな甲冑を身に纏ったまま、男は器用に村人達の攻撃を流れるような動作で躱し、最初の村人の時と同じように、次から次へと村人達を蹴り飛ばしていく。
人数差など問題にもならないようで、寧ろ楽し気に口角を上げる騎士の男に、ラズリは言いようのない恐怖を感じた。
「やめて……お願い、やめてぇ!」
このままでは、取り返しのつかない事になる──。
そう思い、男を止めようとラズリが叫ぶのに、騎士の男の動きは止まらず、最後の一人に至るまで容赦なく攻撃は繰り返される。
なんで、なんで、なんで……!
どうしてここまで非常な行いができるのだろう? こんなの、弱いもの虐めと何ら変わらないのに。
王宮騎士とは、悪魔の別名なのだろうか?
ついそう思ってしまう程、男の行いはあまりにも酷すぎて。
「……なんだぁ? お前ら。人数いれば何とかなると思ってたのか? 天下の王宮騎士様を見縊るにもほどがあるだろ」
全ての村人達を蹴り飛ばした後、騎士の男は呆れたようにそう言った。
「く……っ、だ、だまれぇぇぇ!」
なんとか立ち上がった村人が、今度はラズリを奪うべく、農具を捨てて突進してくる。
「だからぁ、無駄だって!」
しかしそれも敢えなく躱され、先程より強く蹴りを入れられたらしい村人は、木に激突した後、激しく咳き込んだ。
「ウォルターさん!」
悲鳴混じりでラズリが叫ぶ。
あんな勢いで木に叩きつけられたら……!
心配で一心に見つめていると、ウォルターと呼ばれた村人は暫く咳き込んだ後、ラズリを安心させるかのように弱々しい笑みを向けてきた。
辛うじて大丈夫そうではあるものの、村人達は皆一様に地面へと倒れ込んでいて、起き上がれそうにない。
明らかに自分より弱い人達を相手にこんな酷いことをするなんて、人間のやることじゃない……。
しかもそれをやったのが名誉ある王宮騎士の一員だなんて。絶対に信じられなかった。
「あなたは人間じゃない! 鬼よ、悪魔よ! 王宮騎士だなんて嘘なんでしょう!?」
騎士の男を睨み付け、食ってかかるも、彼は鼻で笑うだけ。
「最初に攻撃を仕掛けてきたのはそいつらだろ? 俺は応戦しただけだ。よっぽどお嬢ちゃんに自分達の失態を知られたくなかったんだな。……必死すぎて笑える」
倒れ伏した村人達を見回し、騎士の男は心底楽し気に言うと、くくっと肩を揺らした。
「……失態ってなに?」
だからつい、ラズリは聞き返してしまったのだ。
敵わないと知りつつ、村のみんなが騎士に向かって行ったのには、それなりの理由があるということは分かる。そしてそれはきっと、ラズリには知られたくないことなのだろうということも。
けれど、そこまでして隠したいことって何なんだろうと、気になってしまう自分もいて。
だから、聞いてしまったのだ。好奇心を抑えられずに。
「ラ、ラズリ……」
後生だから聞かないでくれとばかりに、村人がラズリの名を呼ぶ。
しかし、村人達の気持ちなど意に介さない騎士は、なんの躊躇いもなく、つらつらと彼等の失態についてラズリに語ってくれた。
「そいつらにとっては失態だが、俺達にとっては幸運だった。なんせ、俺達が森の中を彷徨ってる時に、そいつらがキノコを採ってるところに偶然出会したんだからな。これはラッキーってことで、王宮騎士の名の下、この村に案内してもらったってわけだ」
「そうだったんだ……」
言われてラズリは、ふと思い出した。
そういえば、ウォルターからお裾分けにと度々キノコを貰っていたが、どこに生えているものなのか、ずっと疑問に思っていたことを。
本人に聞いても教えてくれなかったし、家に招待された時にさり気なく探してみても、どこにも元となるものが見つけられなかったから、実はずっと気になっていた。
それがまさか、村の外へ採りに行っていたなんて。
「すまない、ラズリ……。村長には何度も注意されていたんだが、キノコだけはどうしても村の中には生えなくて……だから極力少ない回数、時間のみで外の森へ採りに行っていたんだ。こんな深い森の中にやって来る人間がいるとは思わず。俺が村長の言う通りにしていれば、こんなことには……」
ウォルターは地面に這い蹲りながら身体を丸くし、ラズリに向かって土下座するかのように額を地べたに擦り付けてくる。
それを見た他の村人達も、みな同じようにラズリに向かって頭を下げた。
「俺達も同罪だ。すまねぇラズリ、すまねぇ……」
「や、やだ、みんなやめて。私だってお裾分けでキノコ貰ってたし、美味しいからいつも楽しみにしてたんだよ? 食べてた私だって同罪だよ。だから……ね? みんなのせいじゃないよ」
精一杯優しく声をかければ──。
村人達は、声をあげて泣きだした。
「すまねぇ! すまねぇラズリ!」
「俺達が村のルールを破ったせいで、こんなことになっちまって……」
「村長の言葉を軽く考えていた俺達が悪いんだ。すまない……何遍謝ったって足りないとは思うが、すまないラズリ……」
何度も何度も地面に額を打ち付け、擦り、村人達は謝罪を繰り返す。
「み、みんな! もういいよ、私は大丈夫だから……」
なんとか村人達の気持ちを落ち着けようと、ラズリが声を発した時──。
「……やれやれ、めんどくせぇな」
ポツリと呟くような騎士の声が耳に入ったかと思うと、ラズリの身体はくるりと方向転換され、村人達に背を向けさせられた。
そのまま騎士は何事もなかったかのように、村とは反対方向へ歩き出す。
「ちょ、ちょっと待って。まだ私、みんなと話終わってない……」
ラズリは騎士を見上げて言うが、その言葉は、騎士の冷たい声によって遮られた。
「もう十分だろう。少しは楽しませてくれるかと期待したが……安っぽい芝居に興味はねぇんだ」
無駄な時間を浪費した、と言われてしまえば、それ以上何も言えなくなってしまう。
暫く無言で運ばれた後、騎士の手によって村から外へと出されたラズリは、絶望感に涙を流した。
村から出たいと思ったことは何度もあったけれど。
こんな風に出たいわけじゃなかった。こんな風にみんなと別れたいわけじゃなかった。
悲しくて、辛くて、とめどなく涙が頬を伝って流れ落ちていく。
みんなには、もう会えないのかな……。
おじいちゃんは……少しだけ元気になってたみたいだけど、もっとちゃんと話したかったな……。
ざわざわ、ざわざわと、心残りや後悔が黒い靄となって胸の中へと広がっていく。
ずっと村にいたかった。なのにどうして、私だけこんな目に遭うの?
悪いことなんてしてない。おじいちゃんや村のみんなのために、一生懸命やってきただけなのに……なんで?
ざわざわ、ざわざわ。
際限なく増える黒い靄で、胸の中が埋め尽くされていく気がする。
それと同時に、胸の中の恨みや後悔も、大きく膨れていくような感覚を覚えた。
ざわざわ、ざわざわ。
なにこれ、気持ち悪い……。
行きたくない……。なんで私だけ……。
黒い靄がもたらしてくる感覚に、気持ち悪いと思う反面、溢れる黒い感情を止められない。
こんなの不公平じゃない。どうしていつも私ばかり……私だけが辛い目に遭うの?
気持ち悪い……気分が悪い。こんなの嫌、こんな風に思いたくないのに。
どうして? あの時もそうだった。あの時からずっと私は……。
どうして……どうシテ……ドウシテ!
瞬間、ラズリの胸の中が真っ黒になり、視界までもが黒く埋め尽くされる。
否、埋め尽くされたと思った──刹那。
突然見えた赤い光が、黒い靄を打ち消した!
「…………っ!」
瞬時に頭の中が真っ白になり、ラズリは大きく目を見開く。
しかしその瞳を、そっと閉じさせる者がいた。
『まだ……早い。お前はまだ……そのままで……』
どこかで聞いたような優しい声と温もりに、ラズリの尖った感情が丸くなっていく。
この声……前に、どこかで……。
思い出そうとして意識を傾けるも、睡魔に襲われ集中することができない。
あなたは……誰? どうして私……を……。
頭の中でそう問いかけたのを最後に、ラズリの意識は途切れた──。
「ふん……馬鹿か」
男は一番近くにいた村人の攻撃を難なく躱すと、重い甲冑を着けた足でその腹を蹴り飛ばす。
「ぐっ……!」
「ああっ!」
受け身を取る事すらできず、ただ無防備に吹っ飛ばされる村人の姿に、ラズリは絶望の声をあげた。
どうして。何故。
騎士の男の手はどちらも塞がっているのに、重そうな甲冑を身に纏ったまま、男は器用に村人達の攻撃を流れるような動作で躱し、最初の村人の時と同じように、次から次へと村人達を蹴り飛ばしていく。
人数差など問題にもならないようで、寧ろ楽し気に口角を上げる騎士の男に、ラズリは言いようのない恐怖を感じた。
「やめて……お願い、やめてぇ!」
このままでは、取り返しのつかない事になる──。
そう思い、男を止めようとラズリが叫ぶのに、騎士の男の動きは止まらず、最後の一人に至るまで容赦なく攻撃は繰り返される。
なんで、なんで、なんで……!
どうしてここまで非常な行いができるのだろう? こんなの、弱いもの虐めと何ら変わらないのに。
王宮騎士とは、悪魔の別名なのだろうか?
ついそう思ってしまう程、男の行いはあまりにも酷すぎて。
「……なんだぁ? お前ら。人数いれば何とかなると思ってたのか? 天下の王宮騎士様を見縊るにもほどがあるだろ」
全ての村人達を蹴り飛ばした後、騎士の男は呆れたようにそう言った。
「く……っ、だ、だまれぇぇぇ!」
なんとか立ち上がった村人が、今度はラズリを奪うべく、農具を捨てて突進してくる。
「だからぁ、無駄だって!」
しかしそれも敢えなく躱され、先程より強く蹴りを入れられたらしい村人は、木に激突した後、激しく咳き込んだ。
「ウォルターさん!」
悲鳴混じりでラズリが叫ぶ。
あんな勢いで木に叩きつけられたら……!
心配で一心に見つめていると、ウォルターと呼ばれた村人は暫く咳き込んだ後、ラズリを安心させるかのように弱々しい笑みを向けてきた。
辛うじて大丈夫そうではあるものの、村人達は皆一様に地面へと倒れ込んでいて、起き上がれそうにない。
明らかに自分より弱い人達を相手にこんな酷いことをするなんて、人間のやることじゃない……。
しかもそれをやったのが名誉ある王宮騎士の一員だなんて。絶対に信じられなかった。
「あなたは人間じゃない! 鬼よ、悪魔よ! 王宮騎士だなんて嘘なんでしょう!?」
騎士の男を睨み付け、食ってかかるも、彼は鼻で笑うだけ。
「最初に攻撃を仕掛けてきたのはそいつらだろ? 俺は応戦しただけだ。よっぽどお嬢ちゃんに自分達の失態を知られたくなかったんだな。……必死すぎて笑える」
倒れ伏した村人達を見回し、騎士の男は心底楽し気に言うと、くくっと肩を揺らした。
「……失態ってなに?」
だからつい、ラズリは聞き返してしまったのだ。
敵わないと知りつつ、村のみんなが騎士に向かって行ったのには、それなりの理由があるということは分かる。そしてそれはきっと、ラズリには知られたくないことなのだろうということも。
けれど、そこまでして隠したいことって何なんだろうと、気になってしまう自分もいて。
だから、聞いてしまったのだ。好奇心を抑えられずに。
「ラ、ラズリ……」
後生だから聞かないでくれとばかりに、村人がラズリの名を呼ぶ。
しかし、村人達の気持ちなど意に介さない騎士は、なんの躊躇いもなく、つらつらと彼等の失態についてラズリに語ってくれた。
「そいつらにとっては失態だが、俺達にとっては幸運だった。なんせ、俺達が森の中を彷徨ってる時に、そいつらがキノコを採ってるところに偶然出会したんだからな。これはラッキーってことで、王宮騎士の名の下、この村に案内してもらったってわけだ」
「そうだったんだ……」
言われてラズリは、ふと思い出した。
そういえば、ウォルターからお裾分けにと度々キノコを貰っていたが、どこに生えているものなのか、ずっと疑問に思っていたことを。
本人に聞いても教えてくれなかったし、家に招待された時にさり気なく探してみても、どこにも元となるものが見つけられなかったから、実はずっと気になっていた。
それがまさか、村の外へ採りに行っていたなんて。
「すまない、ラズリ……。村長には何度も注意されていたんだが、キノコだけはどうしても村の中には生えなくて……だから極力少ない回数、時間のみで外の森へ採りに行っていたんだ。こんな深い森の中にやって来る人間がいるとは思わず。俺が村長の言う通りにしていれば、こんなことには……」
ウォルターは地面に這い蹲りながら身体を丸くし、ラズリに向かって土下座するかのように額を地べたに擦り付けてくる。
それを見た他の村人達も、みな同じようにラズリに向かって頭を下げた。
「俺達も同罪だ。すまねぇラズリ、すまねぇ……」
「や、やだ、みんなやめて。私だってお裾分けでキノコ貰ってたし、美味しいからいつも楽しみにしてたんだよ? 食べてた私だって同罪だよ。だから……ね? みんなのせいじゃないよ」
精一杯優しく声をかければ──。
村人達は、声をあげて泣きだした。
「すまねぇ! すまねぇラズリ!」
「俺達が村のルールを破ったせいで、こんなことになっちまって……」
「村長の言葉を軽く考えていた俺達が悪いんだ。すまない……何遍謝ったって足りないとは思うが、すまないラズリ……」
何度も何度も地面に額を打ち付け、擦り、村人達は謝罪を繰り返す。
「み、みんな! もういいよ、私は大丈夫だから……」
なんとか村人達の気持ちを落ち着けようと、ラズリが声を発した時──。
「……やれやれ、めんどくせぇな」
ポツリと呟くような騎士の声が耳に入ったかと思うと、ラズリの身体はくるりと方向転換され、村人達に背を向けさせられた。
そのまま騎士は何事もなかったかのように、村とは反対方向へ歩き出す。
「ちょ、ちょっと待って。まだ私、みんなと話終わってない……」
ラズリは騎士を見上げて言うが、その言葉は、騎士の冷たい声によって遮られた。
「もう十分だろう。少しは楽しませてくれるかと期待したが……安っぽい芝居に興味はねぇんだ」
無駄な時間を浪費した、と言われてしまえば、それ以上何も言えなくなってしまう。
暫く無言で運ばれた後、騎士の手によって村から外へと出されたラズリは、絶望感に涙を流した。
村から出たいと思ったことは何度もあったけれど。
こんな風に出たいわけじゃなかった。こんな風にみんなと別れたいわけじゃなかった。
悲しくて、辛くて、とめどなく涙が頬を伝って流れ落ちていく。
みんなには、もう会えないのかな……。
おじいちゃんは……少しだけ元気になってたみたいだけど、もっとちゃんと話したかったな……。
ざわざわ、ざわざわと、心残りや後悔が黒い靄となって胸の中へと広がっていく。
ずっと村にいたかった。なのにどうして、私だけこんな目に遭うの?
悪いことなんてしてない。おじいちゃんや村のみんなのために、一生懸命やってきただけなのに……なんで?
ざわざわ、ざわざわ。
際限なく増える黒い靄で、胸の中が埋め尽くされていく気がする。
それと同時に、胸の中の恨みや後悔も、大きく膨れていくような感覚を覚えた。
ざわざわ、ざわざわ。
なにこれ、気持ち悪い……。
行きたくない……。なんで私だけ……。
黒い靄がもたらしてくる感覚に、気持ち悪いと思う反面、溢れる黒い感情を止められない。
こんなの不公平じゃない。どうしていつも私ばかり……私だけが辛い目に遭うの?
気持ち悪い……気分が悪い。こんなの嫌、こんな風に思いたくないのに。
どうして? あの時もそうだった。あの時からずっと私は……。
どうして……どうシテ……ドウシテ!
瞬間、ラズリの胸の中が真っ黒になり、視界までもが黒く埋め尽くされる。
否、埋め尽くされたと思った──刹那。
突然見えた赤い光が、黒い靄を打ち消した!
「…………っ!」
瞬時に頭の中が真っ白になり、ラズリは大きく目を見開く。
しかしその瞳を、そっと閉じさせる者がいた。
『まだ……早い。お前はまだ……そのままで……』
どこかで聞いたような優しい声と温もりに、ラズリの尖った感情が丸くなっていく。
この声……前に、どこかで……。
思い出そうとして意識を傾けるも、睡魔に襲われ集中することができない。
あなたは……誰? どうして私……を……。
頭の中でそう問いかけたのを最後に、ラズリの意識は途切れた──。
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