91 / 93
第九章 魔力を吸う札
警鐘
しおりを挟む
大切な駒を取り戻そうと、何度も何度も名前を呼んだ。
今すぐとはいかなくとも、繰り返し名前を呼んでさえいれば、そのうち自分の元へ戻って来ると。彼女は自分の声を絶対に無視できない筈だと信じ、ルーチェは幾度も繰り返し氷依の名を呼び続けた。
しかし、どれだけ名を呼ぼうとも、氷依はルーチェの前へ姿を現す事はなく。
何故なんだ?
握り潰した札から薄らと漏れ出した黒い靄を、ルーチェは憎々し気に睨み付けた。
もし氷依が攫われたりしなければ、この札の中に封じ込められている魔性の魔力を注ぎ込み、それによって彼女に魔力を補充するつもりだった。
例えそれが純粋なる氷依の魔力でなかったとしても、元は同じ魔性という種族の魔力だ。互換性はあるだろうと判断して。
なのに結果、氷依は攫われ、今なお何処にいるのかすら分からずにいる。
恐らくはまだ、彼女を攫った魔性に捕らえられているのだろう。でなければ、彼女が自分の元へ戻らないなどあり得ない。
そして多分……あの灰色の髪を持つ男こそが、この札に込められた魔力の持ち主で間違いないという確信がルーチェにはあった。
確信に至った理由は、魔性独特の魔力の『色』だ。
殆どの魔性は、見た目と同じ色の能力を使う。
水色の髪と瞳を持った氷依が水や氷の能力を使っていたように、あの灰色の魔性も結界を張った際、彼の周囲にぼんやりと灰色の膜ができていた。
今握っている札から漏れている靄は黒く見えるが、光に翳せば灰色に見えなくもないし、黒っぽい灰色の物が寄り集まれば、それは限りなく『黒』へと近付く。
そう考えれば、疑いようはないと思った。
そして、この札に吸い取られた魔力の残滓を追って、あの男はここへやって来たのだ。
他者の魔力は追えずとも、自分のものであれば、追うのはそう難しい事ではないのだろう。
だからこそ彼の魔力を吸った札と共にいた氷依は見つかり、連れ去られてしまったに違いない。
しかも、狙ったかのようにルーチェの作成した札を身体に貼り付けられて──。
「氷依に興味があったのなら、大人しく氷依だけを攫って行けば良かったものを……」
既に魔力の減っていた氷依が、再度札を貼り付けられて無事な保証は何処にもない。
寧ろ、氷依の身体に残る魔力の全てを吸い取られ、既に存在が消滅してしまっている可能性すらある。
「連れて行ったところで、札を剥がすことのできる人間がいなければ、氷依は助からないのに……っ!」
大切な、たった一つの駒であった。
人間と比べ、とても便利で使いやすい。これから更に役立ってもらう予定であった駒なのに。
「こんな事で……こんな簡単にっ!」
奪われなければならないなんて。
どうしてこんなにも邪魔ばかり入る?
何か目に見えない不可思議な力のようなものが働いているのだろうか?
いや、そんな考えは馬鹿げている。馬鹿げているが、こうも邪魔ばかりされると、どうしてもそのような考えが頭に浮かんで離れない。
迷信……なんてもの自分は絶対に信じないが、思わず信じそうになってしまうぐらいには、今の状況はルーチェにとって絶望的なものであった。
「……ん?」
ふと、ルーチェはそこで、黒い靄が扉の隙間から廊下へと漏れ出している事に気が付いた。
ルーチェの手の中で握り潰された三枚の札から漏れ出した靄が、扉の前で一つに固まり、一筋の線となって廊下へと流れ出ている。
まるで、目的を持って何処かへ向かっているかのように。
「……どういうことだ?」
立ち上がり扉を開けると、そこで待ってましたとばかりに立ち尽くしていた男から、ミルドからという言伝を受け取ったが、それには適当に頷いて、ルーチェは黒い靄の向かう先へと足を向けた。
氷依と灰色の魔性は既に城内から消え去っている。
ならば黒い靄が向かう先には何があるのか。
新たな魔性が城内に現れた?
であれば、こんなにも静まり返っているのはおかしい。もっと大きな騒ぎとなっているはず。
だったら……?
廊下を曲がった途端、ルーチェの目に、謁見の間の扉のすぐ側で倒れ伏すミルドの姿が飛び込んで来た。
「おい、どうした?」
声を掛けるも、ミルドは頭を抱えて苦し気に呻くだけで、ルーチェの声に答えない。
「何があった? まさか、何者かに襲われたのか?」
言いながら、ミルドの肩に手を掛けようとして──刹那、ルーチェはビクリとして手を止めた。
「これは……」
ミルドの周囲を囲むように、黒い靄が渦を巻き始めていた。
黒い靄の出処は、ルーチェの握っている札と──ミルドの顔? のようだ。
でもどうして、ミルドの顔から……?
「うう……うぅぅぅ……」
ミルドは床に突っ伏した状態で頭を抱え呻いている為、その顔を窺い見ることはできない。
故に、彼の顔が今どうなっているのか、どうしてミルドの顔の辺りから黒い靄が発生しているのかを知る事はできず。
「おい、ミルド!」
仕方なく無理矢理顔を上げさせようとするも、激しい抵抗を受けた。
これまで彼がルーチェに反抗することなど、ただの一度もなかったというのに。
「どうなってる……?」
徐々に増えていく靄を見つめながら、ルーチェは手の中の札を試しに握りしめてみる。
だが、どんな握り方をしようとも、小さく折り畳んで札の表面が僅かなりとも表に出ないようにしようとも、隙間から漏れ出す靄は止められず。
ならばとミルドの肩に手を掛けようとするが、手を伸ばそうとするたびミルドに直前で察知され、此方を攻撃する勢いで腕を振り回す為、流石に手を出すことができなかった。
このままじゃ、まずい……。
どうまずい事になるのかは分からないが、このまま放置するのは危険だと頭の中で警鐘が鳴っていた。
だからといって、どうすべきかなんて、全く思い付いてはいなかったのだが。
今すぐとはいかなくとも、繰り返し名前を呼んでさえいれば、そのうち自分の元へ戻って来ると。彼女は自分の声を絶対に無視できない筈だと信じ、ルーチェは幾度も繰り返し氷依の名を呼び続けた。
しかし、どれだけ名を呼ぼうとも、氷依はルーチェの前へ姿を現す事はなく。
何故なんだ?
握り潰した札から薄らと漏れ出した黒い靄を、ルーチェは憎々し気に睨み付けた。
もし氷依が攫われたりしなければ、この札の中に封じ込められている魔性の魔力を注ぎ込み、それによって彼女に魔力を補充するつもりだった。
例えそれが純粋なる氷依の魔力でなかったとしても、元は同じ魔性という種族の魔力だ。互換性はあるだろうと判断して。
なのに結果、氷依は攫われ、今なお何処にいるのかすら分からずにいる。
恐らくはまだ、彼女を攫った魔性に捕らえられているのだろう。でなければ、彼女が自分の元へ戻らないなどあり得ない。
そして多分……あの灰色の髪を持つ男こそが、この札に込められた魔力の持ち主で間違いないという確信がルーチェにはあった。
確信に至った理由は、魔性独特の魔力の『色』だ。
殆どの魔性は、見た目と同じ色の能力を使う。
水色の髪と瞳を持った氷依が水や氷の能力を使っていたように、あの灰色の魔性も結界を張った際、彼の周囲にぼんやりと灰色の膜ができていた。
今握っている札から漏れている靄は黒く見えるが、光に翳せば灰色に見えなくもないし、黒っぽい灰色の物が寄り集まれば、それは限りなく『黒』へと近付く。
そう考えれば、疑いようはないと思った。
そして、この札に吸い取られた魔力の残滓を追って、あの男はここへやって来たのだ。
他者の魔力は追えずとも、自分のものであれば、追うのはそう難しい事ではないのだろう。
だからこそ彼の魔力を吸った札と共にいた氷依は見つかり、連れ去られてしまったに違いない。
しかも、狙ったかのようにルーチェの作成した札を身体に貼り付けられて──。
「氷依に興味があったのなら、大人しく氷依だけを攫って行けば良かったものを……」
既に魔力の減っていた氷依が、再度札を貼り付けられて無事な保証は何処にもない。
寧ろ、氷依の身体に残る魔力の全てを吸い取られ、既に存在が消滅してしまっている可能性すらある。
「連れて行ったところで、札を剥がすことのできる人間がいなければ、氷依は助からないのに……っ!」
大切な、たった一つの駒であった。
人間と比べ、とても便利で使いやすい。これから更に役立ってもらう予定であった駒なのに。
「こんな事で……こんな簡単にっ!」
奪われなければならないなんて。
どうしてこんなにも邪魔ばかり入る?
何か目に見えない不可思議な力のようなものが働いているのだろうか?
いや、そんな考えは馬鹿げている。馬鹿げているが、こうも邪魔ばかりされると、どうしてもそのような考えが頭に浮かんで離れない。
迷信……なんてもの自分は絶対に信じないが、思わず信じそうになってしまうぐらいには、今の状況はルーチェにとって絶望的なものであった。
「……ん?」
ふと、ルーチェはそこで、黒い靄が扉の隙間から廊下へと漏れ出している事に気が付いた。
ルーチェの手の中で握り潰された三枚の札から漏れ出した靄が、扉の前で一つに固まり、一筋の線となって廊下へと流れ出ている。
まるで、目的を持って何処かへ向かっているかのように。
「……どういうことだ?」
立ち上がり扉を開けると、そこで待ってましたとばかりに立ち尽くしていた男から、ミルドからという言伝を受け取ったが、それには適当に頷いて、ルーチェは黒い靄の向かう先へと足を向けた。
氷依と灰色の魔性は既に城内から消え去っている。
ならば黒い靄が向かう先には何があるのか。
新たな魔性が城内に現れた?
であれば、こんなにも静まり返っているのはおかしい。もっと大きな騒ぎとなっているはず。
だったら……?
廊下を曲がった途端、ルーチェの目に、謁見の間の扉のすぐ側で倒れ伏すミルドの姿が飛び込んで来た。
「おい、どうした?」
声を掛けるも、ミルドは頭を抱えて苦し気に呻くだけで、ルーチェの声に答えない。
「何があった? まさか、何者かに襲われたのか?」
言いながら、ミルドの肩に手を掛けようとして──刹那、ルーチェはビクリとして手を止めた。
「これは……」
ミルドの周囲を囲むように、黒い靄が渦を巻き始めていた。
黒い靄の出処は、ルーチェの握っている札と──ミルドの顔? のようだ。
でもどうして、ミルドの顔から……?
「うう……うぅぅぅ……」
ミルドは床に突っ伏した状態で頭を抱え呻いている為、その顔を窺い見ることはできない。
故に、彼の顔が今どうなっているのか、どうしてミルドの顔の辺りから黒い靄が発生しているのかを知る事はできず。
「おい、ミルド!」
仕方なく無理矢理顔を上げさせようとするも、激しい抵抗を受けた。
これまで彼がルーチェに反抗することなど、ただの一度もなかったというのに。
「どうなってる……?」
徐々に増えていく靄を見つめながら、ルーチェは手の中の札を試しに握りしめてみる。
だが、どんな握り方をしようとも、小さく折り畳んで札の表面が僅かなりとも表に出ないようにしようとも、隙間から漏れ出す靄は止められず。
ならばとミルドの肩に手を掛けようとするが、手を伸ばそうとするたびミルドに直前で察知され、此方を攻撃する勢いで腕を振り回す為、流石に手を出すことができなかった。
このままじゃ、まずい……。
どうまずい事になるのかは分からないが、このまま放置するのは危険だと頭の中で警鐘が鳴っていた。
だからといって、どうすべきかなんて、全く思い付いてはいなかったのだが。
10
お気に入りに追加
40
あなたにおすすめの小説
旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします
暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。
女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。
妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。
だから恥じた。
「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。
本当に恥ずかしい…
私は潔く身を引くことにしますわ………」
そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。
「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。
私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。
手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
異世界でも男装標準装備~性別迷子とか普通だけど~
結城 朱煉
ファンタジー
日常から男装している木原祐樹(25歳)は
気が付くと真っ白い空間にいた
自称神という男性によると
部下によるミスが原因だった
元の世界に戻れないので
異世界に行って生きる事を決めました!
異世界に行って、自由気ままに、生きていきます
~☆~☆~☆~☆~☆
誤字脱字など、気を付けていますが、ありましたら教えて頂けると助かります!
また、感想を頂けると大喜びします
気が向いたら書き込んでやって下さい
~☆~☆~☆~☆~☆
カクヨム・小説家になろうでも公開しています
もしもシリーズ作りました<異世界でも男装標準装備~もしもシリーズ~>
もし、よろしければ読んであげて下さい
蔑ろにされた王妃と見限られた国王
奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています
国王陛下には愛する女性がいた。
彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。
私は、そんな陛下と結婚した。
国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。
でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。
そしてもう一つ。
私も陛下も知らないことがあった。
彼女のことを。彼女の正体を。
交換された花嫁
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉さんなんだから我慢なさい」
お姉さんなんだから…お姉さんなんだから…
我儘で自由奔放な妹の所為で昔からそればかり言われ続けてきた。ずっと我慢してきたが。公爵令嬢のヒロインは16歳になり婚約者が妹と共に出来きたが…まさかの展開が。
「お姉様の婚約者頂戴」
妹がヒロインの婚約者を寝取ってしまい、終いには頂戴と言う始末。両親に話すが…。
「お姉さんなのだから、交換して上げなさい」
流石に婚約者を交換するのは…不味いのでは…。
結局ヒロインは妹の要求通りに婚約者を交換した。
そしてヒロインは仕方無しに嫁いで行くが、夫である第2王子にはどうやら想い人がいるらしく…。
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる