上 下
60 / 91
第五章

希少種は大事にされている

しおりを挟む
 思えば約束もなく突然誰かの屋敷を訪ねるのははじめてだった。
 エミーは勢いのままユリウスの屋敷まで走ってきたが、もちろん訪れる旨を伝えていなかったのだから、出迎える者もいない。ここまで来たものの、どうしたものかと屋敷の外をしばらくうろうろとした。
 が、屋敷からは誰も出てくる気配はなく、時間だけが過ぎていく。このまま家まで引き返そうか。後ろ向きな自分が顔をのぞかせはじめ、エミーは意を決して玄関扉を開けた。
 見慣れた吹き抜けの玄関ホール。そこに置かれたベンチで希少種があのシマリスと一緒に座っていた。希少種は驚いたようにエミーを見、慌てて立ち上がるとぺこりと頭を下げた。希少種は、またシンプルなワンピース姿だ。新緑の緑のような色鮮やかなワンピースで、色白の希少種によく似合っている。シンプルだが幅広の襟が上品さを出し、腰で結んだ大きなリボンが細い腰を際立たせる。考えつくされたワンピースひとつとっても、この屋敷で希少種が大事にされていることが伝わってきた。
 エミーはにこっと希少種に笑いかけた。
 ユリウスの妻になるには、この希少種と上手くやっていかなければいけない。そう思ったことを思い出した。
 エミーが笑いかけると、希少種はほっとしたように肩の力を抜いた。

「あの、この間はごめんなさい。その、助け起こさなくて」

 希少種はこの間のことを謝って、ぺこりと頭を下げる。短い真っ直ぐな黒髪がさらさらと流れる。きれいだった。色白のうなじも、ワンピースの裾からのぞく細い足首も、何もかもきれいだった。希少種は、この間屋敷で会った時と少し雰囲気が変わった。少年っぽい少女という雰囲気だったが、ちょっと女らしくなったように見える。
 この間からさほど時間は経っていないのに不思議だ。
 素直に頭を下げられて、エミーは「いいのよ」と返した。ここは寛大な女主人となれるところを見せないといけない。

「私が勝手に驚いて転んだだけだから。気にしないでちょうだい」

 大きな心でそう言うと、希少種はほっとしたように息をついた。
 なんだ。案外素直でいい子じゃないの。
 これならば、上手くやっていけるかもしれない。
 光明が見えた気がしてエミーは気を良くした。
 でも、自分はあくまで女主人。この子は奴隷だ。上下関係はちゃんとしていなくてはいけない。

「ユリウス様はいらして?」

「あ、いえ、まだです。ユリウスに御用ですか?」

「ええ、そうね。それならカレルを呼んできてちょうだい」

「はい。ただいま」

 受け答えは悪くない。ユリウスを呼び捨てにするのは直させないといけないが。
 希少種はすぐにカレルを連れて戻ってきた。

「お約束されていらっしゃいましたでしょうか。寡聞にして存じ上げず、案内もせずご無礼いたしました」

 カレルは「さっ、こちらへどうぞ」と奥の応接間へと案内する。

「約束はしていません。こちらこそ突然訪ねてごめんなさい」

 カレルはユリウスの大事な執事だ。彼のことはちゃんとたてないと。そう思って丁寧に答えた。カレルは、「そうでございましたか」とエミーにソファをすすめ、すぐにリサがお茶を運んできた。希少種は側で突っ立ったままだ。

「そこのあなた。歩いてきたから靴が汚れましたの。拭いてくださる?」

 靴拭きは奴隷の仕事だ。カレルとリサの手前、一応丁寧に頼むと、希少種はきょとんとした顔をした。聞こえなかったのかとエミーはもう一度言った。

「そう。希少種のあなたよ。お願いできて?」

 希少種は自分に言われたと理解したようだ。どうしたらいい?というようにリサに助けを求める。

「失礼ながら」

 カレルがさっと割って入った。

「ルカは靴拭きの仕事は致しません。お気になるようでしたら私が磨かせていただきます」

 リサが希少種をかばうように後ろへ下がらせる。カレルは懐から布を取り出すと、「失礼いたします」とエミーの足元に跪いた。
 違う。エミーはうろたえた。ユリウスの大事な執事に、そんなことさせたいわけではない。

「やめてください。私は奴隷に頼んだのです。カレルにしていただくわけにはいきません」

 さっと足を引くと、カレルは心底困ったようにエミーを見上げた。

「しかしお足元が気になるのでは?」

「だからそこの奴隷に磨かせればいいでしょう。あなたがなさる必要はないわ」

「そういうわけにはまいりません。ルカは確かにユリウス様の奴隷としてここにおりますが、ユリウス様にとって大事なお方。靴磨きをさせるわけにはまいりません」

「大事なって、そんなたかが―――」

 ユリウス様の欲を受け止めるだけの性奴隷のくせに。
 喉元まででかかった言葉はなんとか飲み込んだ。

 でも、寛大な女主人を気取ることや、希少種と上手くやっていけるところをみせることも、この瞬間頭から吹き飛んだ。カレルとリサ、この屋敷の者が一丸となって希少種を守ろうとしている。こんな、たかが性奴隷のために。
 頭にかぁっと血がのぼった。こんなに屈辱的なことはない。いつだってエミーは一番だった。兄のコーバスも、年老いた両親も、みんなエミーを一番に考えて大事にしてくれる。みんなみんなエミーエミーと可愛がってくれる。それが、この屋敷では通らない。通らないばかりか、今エミーは、この性奴隷の希少種よりも下に見られたのだ。

「下がりなさい、カレル」

 エミーは厳しくカレルをはねのけた。エミーは男爵家の令嬢、カレルとリサはたかが無爵位の使用人だ。立場はエミーの方が圧倒的に上だ。
 エミーが強く出ると、カレルはさっと身を引いた。

「ご無礼いたしました」

「そこの希少種。カレルから布を受け取って早く来なさい。私の靴を磨くんですのよ」

「エミー様」

 カレルはなおも食い下がったが、エミーは構わず「早くなさい」と希少種に命じた。
 希少種はきょときょとしながらも、エミーの命じた通りカレルの握りしめた布を取るとエミーの足元に跪いた。

「したことがないので、上手くできるかわかりませんが」

 希少種はそう前置いてエミーの靴を拭き始めた。
 なんだ。やればできるじゃないの。
 自分の足元に跪いて靴を磨く希少種を見下ろすのは気分がよかった。少し溜飲が下がる。でも、黒髪の間からのぞいた白いうなじに、情事のあとと思われる赤い痕を見つけて、エミーはまた抑えがたい怒りが沸き起こった。
 やっぱり。この子は本当にユリウス様と。
 わかってはいたけれど、現実を突きつけられたようで愕然とした。
 ああ、この子は本当にユリウス様とベッドを共にし、睦み合う関係なのだ。そして、カレルやリサまで籠絡して、この屋敷に居座っているのだ。これではエミーがユリウスの妻になっても、この希少種はこの屋敷で大きな顔をし続ける。
 もっともっと貶めて立場をわからせなければいけない。自分は奴隷であり、ただの性欲処理の道具なのだと知らしめなければいけない。そうでなければ、エミーの妻としての立場が成り立たなくなる。
 一心に靴を磨く希少種を見下ろしていると、一旦は収まりかけた怒りが膨れ上がり、エミーは足をあげると希少種の胸に靴底をつけた。新緑のワンピース。こんなものを着て、生意気だ。
 エミーは靴底の泥をそのワンピースの胸元になすりつけた。希少種は驚いたような顔をしてエミーを見上げる。その黒い瞳にもエミーは苛立ち、目を見たまま靴底で希少種の胸を思い切り押した。
 希少種はあっけないほど簡単に後ろへ転がった。ガシャンっと派手な音を立て、ローテーブルの上に希少種の上半身がのけぞり、並べられていた茶器が割れて散らばる。

「ルカっ!」

 リサが慌てて駆け寄り、希少種を助け起こした。割れた茶器で切れたのだろう。希少種の頬に線となって血が滲んでいる。いい気味だ。

「ルカ。血が」

 希少種は切れた頬を触り、指についた血を見て弱々しく笑った。

「大丈夫。そんなに痛くないから」

「いけません。早くノルデンに手当てしてもらいましょう」

 リサがそう言うそばから、カレルは部屋を飛び出していった。リサは希少種を立たせると胸についた泥を払い、スカートと髪を整え、「さぁ行きましょう」と希少種の手を引く。するとカレルが慌ただしく戻ってきて、侍医のノルデンを連れてきた。
 ノルデンはテーブル上の惨状に眉をしかめ、ルカの顔の傷を見るとエミーの向かいのソファに座らせた。
 消毒液やガーゼなど、ノルデンは手早く取り出すと傷の手当をはじめる。

「ノルデン、傷は残りますか?」

 リサが心配そうに聞く。たかが奴隷の怪我に大げさだ。ノルデンは、「いや、大丈夫ですよ」と傷を確かめ答える。

「ごく浅い傷ですからな。傷跡の心配は無用です」

 それを聞いてリサだけではなくカレルまでほっとしたように息を吐き出した。

「よかった。万が一顔に傷跡が残るようなら、留守を預かる身としてユリウス様に申し訳が立たないところでした」

 カレルが言えばリサも

「本当ですわ。でもこの傷を見たらなんとおっしゃることか。ユリウス様はめったに怒らない方ですが」

「わたし、大丈夫だよ?」

 カレルとリサの言葉に、希少種は元気なところを見せようとしたのだろう。ばっと立ち上がった。そしてエミーにぺこりと頭を下げる。完全に蚊帳の外に置かれていたエミーは、希少種の行動に戸惑った。蹴りつけた相手に頭を下げるってどういう意味なのかしら。
 混乱するエミーをよそに、希少種は倒れた時の衝撃で落とした布を拾い上げると

「まだ途中でしたので、続けさせていただきます」

とまたエミーの靴を磨こうとする。呆気に取られるエミーを前に、そんな希少種をカレルが断固とした口調で止めた。

「なりません、ルカ。もうしなくてよいのです」

「そうなの? だってカレルもリサも困ってたから」

「申し訳ございません。ルカ。私の対応が間違っておりました。エミー様には私からもっときちんとお断りすべきでした」

 そしてカレルはエミーに向き直り、腰を九十度折って頭を下げた。

「ご無礼は承知で申し上げます。ルカはエミー様の奴隷ではございません。申し付けるならば私かリサにお願いいたします。ユリウス様の執事として、私にはユリウス様の大事なお方を守る義務がございます。これ以上のご無理をお聞きすることはできません」

 カレルの口からはっきりきっぱり告げられた時、開いたままだった応接間の扉からユリウスが顔を出した。

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!

楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。 (リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……) 遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──! (かわいい、好きです、愛してます) (誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?) 二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない! ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。 (まさか。もしかして、心の声が聞こえている?) リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる? 二人の恋の結末はどうなっちゃうの?! 心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。 ✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。 ✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

溺愛の始まりは魔眼でした。騎士団事務員の貧乏令嬢、片想いの騎士団長と婚約?!

恋愛
 男爵令嬢ミナは実家が貧乏で騎士団の事務員と騎士団寮の炊事洗濯を掛け持ちして働いていた。ミナは騎士団長オレンに片想いしている。バレないようにしつつ長年真面目に働きオレンの信頼も得、休憩のお茶まで一緒にするようになった。  ある日、謎の香料を口にしてミナは魔法が宿る眼、魔眼に目覚める。魔眼のスキルは、筋肉のステータスが見え、良い筋肉が目の前にあると相手の服が破けてしまうものだった。ミナは無類の筋肉好きで、筋肉が近くで見られる騎士団は彼女にとっては天職だ。魔眼のせいでクビにされるわけにはいかない。なのにオレンの服をびりびりに破いてしまい魔眼のスキルを話さなければいけない状況になった。  全てを話すと、オレンはミナと協力して魔眼を治そうと提案する。対処法で筋肉を見たり触ったりすることから始まった。ミナが長い間封印していた絵描きの趣味も魔眼対策で復活し、よりオレンとの時間が増えていく。片想いがバレないようにするも何故か魔眼がバレてからオレンが好意的で距離も近くなり甘やかされてばかりでミナは戸惑う。別の日には我慢しすぎて自分の服を魔眼で破り真っ裸になった所をオレンに見られ彼は責任を取るとまで言いだして?! ※結構ふざけたラブコメです。 恋愛が苦手な女性シリーズ、前作と同じ世界線で描かれた2作品目です(続きものではなく単品で読めます)。今回は無自覚系恋愛苦手女性。 ヒロインによる一人称視点。全56話、一話あたり概ね1000~2000字程度で公開。 前々作「訳あり女装夫は契約結婚した副業男装妻の推し」前作「身体強化魔法で拳交える外交令嬢の拗らせ恋愛~隣国の悪役令嬢を妻にと連れてきた王子に本来の婚約者がいないとでも?~」と同じ時代・世界です。 ※小説家になろう、ノベルアップ+にも投稿しています。※R15は保険です。

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

魔力なしと虐げられた令嬢は孤高の騎士団総長に甘やかされる

橋本彩里(Ayari)
恋愛
五歳で魔力なしと判定され魔力があって当たり前の貴族社会では恥ずかしいことだと蔑まれ、使用人のように扱われ物置部屋で生活をしていた伯爵家長女ミザリア。 十六歳になり、魔力なしの役立たずは出て行けと屋敷から追い出された。 途中騎士に助けられ、成り行きで王都騎士団寮、しかも総長のいる黒狼寮での家政婦として雇われることになった。 それぞれ訳ありの二人、総長とミザリアは周囲の助けもあってじわじわ距離が近づいていく。 命を狙われたり互いの事情やそれにまつわる事件が重なり、気づけば総長に過保護なほど甘やかされ溺愛され……。 孤高で寡黙な総長のまっすぐな甘やかしに溺れないようにとミザリアは今日も家政婦業に励みます! ※R15については暴力や血の出る表現が少々含まれますので保険としてつけています。

【R18】出来損ないの魔女なので殿下の溺愛はお断りしたいのですが!? 気づいたら女子力高めな俺様王子の寵姫の座に収まっていました

深石千尋
恋愛
 バーベナはエアネルス王国の三大公爵グロー家の娘にもかかわらず、生まれながらに魔女としての資質が低く、家族や使用人たちから『出来損ない』と呼ばれ虐げられる毎日を送っていた。  そんな中成人を迎えたある日、王族に匹敵するほどの魔力が覚醒してしまう。  今さらみんなから認められたいと思わないバーベナは、自由な外国暮らしを夢見て能力を隠すことを決意する。  ところが、ひょんなことから立太子を間近に控えたディアルムド王子にその力がバレて―― 「手短に言いましょう。俺の妃になってください」  なんと求婚される事態に発展!! 断っても断ってもディアルムドのアタックは止まらない。  おまけに偉そうな王子様の、なぜか女子力高めなアプローチにバーベナのドキドキも止まらない!?  やむにやまれぬ事情から条件つきで求婚を受け入れるバーベナだが、結婚は形だけにとどまらず――!?  ただの契約妃のつもりでいた、自分に自信のないチートな女の子 × ハナから別れるつもりなんてない、女子力高めな俺様王子 ──────────────────── ○Rシーンには※マークあり ○他サイトでも公開中 ────────────────────

【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。

早稲 アカ
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。 宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。 彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。 加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。 果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?

初恋をこじらせた騎士軍師は、愛妻を偏愛する ~有能な頭脳が愛妻には働きません!~

如月あこ
恋愛
 宮廷使用人のメリアは男好きのする体型のせいで、日頃から貴族男性に絡まれることが多く、自分の身体を嫌っていた。  ある夜、悪辣で有名な貴族の男に王城の庭園へ追い込まれて、絶体絶命のピンチに陥る。  懸命に守ってきた純潔がついに散らされてしまう! と、恐怖に駆られるメリアを助けたのは『騎士軍師』という特別な階級を与えられている、策士として有名な男ゲオルグだった。  メリアはゲオルグの提案で、大切な人たちを守るために、彼と契約結婚をすることになるが――。    騎士軍師(40歳)×宮廷使用人(22歳)  ひたすら不器用で素直な二人の、両片想いむずむずストーリー。 ※ヒロインは、むちっとした体型(太っているわけではないが、本人は太っていると思い込んでいる)

処理中です...