56 / 91
第五章
二度目はまだ
しおりを挟む
一週間ほどで月のものは自然と止まった。リサにそう聞いてはいたけれど、初めてのことだったし不安もあった。ちゃんとリサの言う通りに終わってルカはほっと胸を撫で下ろした。またすぐにでもユリウスとしたいと思ったルカだが、ノルデンには二三日は様子を見るようにとしっかり釘を刺された。
最近ルカは、ユリウスの朝の散歩に一緒に出かけるようになった。同じベッドで眠っていると、朝早くに起き出すユリウスの気配に目が覚める。ユリウスはまだ眠っていろと言うのだが、シャツにトラウザーズにブーツを履き、剣を腰にさしただけの軽装で出かけようとするユリウスがどこに行くのか。気になって聞いたら林に出かけるのだと言う。ルカを拾ったあの林だ。
一緒に行くか?と聞かれ、ルカはうんと返事をした。腕と足が出ない服装の方がいいと言うのでリサに用意してもらい、ルカもユリウスのようにシャツに長ズボンにショートブーツを履いた。
長くなったとはいえ、女性にしてはまだ短髪だし一見男の子に見えるねとルカが言うと、ユリウスは困ったように横を向いた。
「どうかした?」と聞けば、ユリウスはそっぽを向きながら、くしゃくしゃとルカの髪を乱した。
「俺には余計に女に見える」
「そうかな」
ルカにはそうは思えない。でもなんだか恥ずかしいのはどうしてだろう。
今朝もカレルに見送られ、ユリウスと共に朝の林に出かけた。出かける時、ボポがやたらとゲージの扉をかいて出たそうにした。少しだけと思ってゲージを開けると、ポポはだっとルカの肩に駆け上がり、離れようとしない。それで今日はポポも一緒に林へ来た。
「逃げるかもしれないぞ」
ユリウスには忠告されたが、それならそれでいい。ポポはもう大きくなった。一人で林で生きていくことはできるだろう。ポポがいなくなるのは寂しいけれど、ポポがそうしたいなら仕方がない。
隣国ルーキング国との国境線近い林は、小鳥のさえずりに川のせせらぎが静かに時を刻んでいる。いつも何か話すでもなく、ルカはユリウスについて歩く。ユリウスは辺りに注意深く視線を配り、国境線である川べりに立ち、向こう岸の様子をうかがう。時折モント騎士団員の人が、ユリウスの姿を見つけてやって来る。
今朝もユリウスが川べりに立つと、すぐに青い軍服を着た騎士団員が駆けてきた。この人の顔は何度か見たので知っている。クライド第三師団長だ。初めてここで顔を合わせたとき、丁寧に自己紹介してくれたから覚えている。
たいていの者は奴隷のルカを無視するけれど、クライドだけはルカにもぺこりと頭を下げてくれる。ルカもぺこりと下げ返した。
「ベイエル伯様、ルカ殿。おはようございます。昨夜のルーキングの斥候ですが――」
クライドは、ユリウスに昨夜の様子を報告し、「では私はこれで」とまた林の奥へと歩いていった。
「そろそろ戻るか」
ユリウスの差し出す手をルカはとった。大きな手の平でルカの手を握ると、ユリウスはもと来た道とは違う道を行く。
「帰らないの?」
「少し遠回りして戻ろう。ディックたちの小屋がそろそろ完成しそうなんだ」
遠回りというより、どんどん林の奥へとユリウスは踏み入っていく。途中大きな水溜りがあり、ユリウスはひょいとルカを抱き上げた。
「ブーツ履いてるから濡れないよ?」
「まぁいいだろ。ブーツも濡れないに越したことはない」
「キュルっ」
まるで返事したかのようにタイミングよくポポが鳴く。
「ポポもそう言ってるぞ」
ユリウスは水溜りを超えてもそのままルカを片腕に乗せて抱いたまま歩いた。結局ディック達の小屋の立つエリアまでそのまま進んだ。
途中、肩の上のポポが頬ずりするようにルカに擦り寄ってきた。指でちょんちょん撫でてやると、ポポはくすぐったそうに尻尾を揺らす。と思ったら突然ルカの肩から、側の木の枝へと飛び移った。
「あ、ポポ」
ルカが呼ぶとポポはちらりとルカを見たが、そのままするすると木の枝を登り、姿が見えなくなった。
「行っちゃった……」
あまりにあっさりとポポは木立の中に姿を消した。肩にはまだポポの温もりが残っている。ポポがそうしたいなら林に帰ればいいとは思っていたけれど、実際いなくなると急に寂しくなった。ユリウスの首にぎゅっと腕を回し、金糸の髪に顔を埋めた。
「ポポはきっとこの林で逞しく生きていくさ」
ユリウスはぽんぽんとルカの頭を撫でた。
「……うん」
ルカは小さく頷いた。ポポはルカの言っていることがわかるのではと思うこともあった。ポポは賢いシマリスだ。ユリウスの言う通り、逞しく生きていくのだろう。
ユリウスは木立の間に現れた小屋を指さした。
「ほら、着いたぞ」
ディック達の小屋は全部で六棟も建っていた。どれも太い丸太を組んだ三角屋根の立派な建物だ。冬の積雪にも耐えられる丈夫な造りになっているらしい。玄関も積雪を見越して地面よりかなり上にある。
ずいぶん早く建つんだねとルカが驚くとユリウスは、実は見越して先に建て始めさせていたという。王都に行っている間も、コーバスとは文を通して頻繁に情報交換をしているそうで、ディック達が来ることを想定して作業を始めていたそうだ。
そんな説明を聞いていると、立ち並ぶ小屋の玄関の一つが開き、中からディックとフォリスが顔をだした。二人はルカとユリウスの姿に気がつくと、「よお」と片手をあげた。
「朝の散歩ですか? ユリウス様」
フォリスがユリウスにしがみついているルカににこりと笑みながら、ユリウスに話しかけた。
「相変わらず仲いいな、ユリウスとルカは。中、見てきます?」
ディックは扉を大きく開いた。ユリウスが「ああ」と頷きルカをおろすと、二人で小屋の中へと入った。一部屋だけの部屋だが広い。すでに調理台やソファ、ベッドなどが並び、今すぐにも生活できそうだ。
「今日は足りないものを街に買いに行こうかと思ってるんです。それで何が必要か確かめにきたんだ」とフォリス。
この小屋はディックとフォリスの小屋になるらしい。あとの五棟を他の仲間でシェアする。余裕ができればまた新たに小屋を増やしていく予定だそうだ。
これからの生活に向けて、ディック達は着々と準備を進めていた。
ユリウスとルカが部屋を見ている間も、二人はあれがあればいいとか、それは高いからまだ買わないでおこうなど楽しそうに話し合っている。
なんか、いいなぁと思った。
これから先に向かって理想を膨らませていく二人の姿が眩しい。
わたしは、これから先ユリウスとどうしていきたいのだろう。
ふとそんなことを考えた。
ユリウスはどう思っているのだろう。ユリウスの描く未来に、ルカはちゃんといるのだろうか。
ユリウスをじっと見上げたら、ユリウスが「どうした?」と聞いてくる。
ルカは首を振って「なんでもない」と答えた。
願わくば、ユリウスの描く未来に自分がいてほしい。そう思わずにはいられなかった。
***
ディックとフォリスの小屋を出て、屋敷へ戻る道すがら、人の声にユリウスは道をそれた。ルカには聞こえなかったようだが、ユリウスの敏感な耳は人声をとらえた。
気になるからとルカにことわり、ユリウスが木立の間を進むと、金髪のラウと黒髪の希少種が何か言い合っているのが見えた。
話の内容までは聞こえない。でも二人は深刻な様子で、黒髪の希少種が歩いていこうとするラウの腕をつかんだ。
黒髪の希少種は知らない顔だ。
ルカに知っているか?と聞いたが、ルカも知らない顔だという。気になってもう少し近づこうと歩を進めると、ルカのブーツが枯れ葉を踏み、かさりと音を立てた。
ラウと、もう一人の希少種が、はっとしたようにこちらを見た。黒髪の希少種は、ユリウスとルカの姿にひらりと身を翻すと木立の中に消えた。
「邪魔をしたか?」
ユリウスはラウに近づいた。金髪に染めたラウは、「いいえ、もう話は終わっていましたから」と言う。とてもそんな風には見えなかったが。
「さっきの希少種は知り合いか?」
念の為聞くと、ラウはええと頷く。
「ちょっと、昔からの知り合いです」
「何しに来た? あの髪色のまま歩き回るのは危険だぞ。領内にはまだ王宮騎士団が、逃げた希少種をさがしている。不用意に髪を晒すのはよくない」
「ああっと、ええ、まぁそうですね。今度会ったら気をつけるように言っておきますよ」
ラウは「じゃあ」と木立の中へと分け入っていった。
その後ろ姿を見送りながら、ユリウスの中にある疑問が芽生えた。王都で出会ったハルムという希少種。王宮から逃げ出したと言っていた。そしてこのラウも、王宮から逃げ出してきたと聞いた。
ルカを連れ去ったハルムのことを、あの時エメレンスはこう言わなかったか。五年前に一人だけ逃げ出した希少種がいたと。エメレンスは一人だけと言ったのだ。
ディック達希少種は、みんなどこからか逃げ出してきた者達ばかりだ。本人達からは元はどこにいたのかを一通り聞いてはいるが、ユリウス自身がその話が本当かどうかを確かめた訳ではない。
今後のためにもディック達のことを調べておくべきだろう。ユリウスはそう心の中で算段した。
最近ルカは、ユリウスの朝の散歩に一緒に出かけるようになった。同じベッドで眠っていると、朝早くに起き出すユリウスの気配に目が覚める。ユリウスはまだ眠っていろと言うのだが、シャツにトラウザーズにブーツを履き、剣を腰にさしただけの軽装で出かけようとするユリウスがどこに行くのか。気になって聞いたら林に出かけるのだと言う。ルカを拾ったあの林だ。
一緒に行くか?と聞かれ、ルカはうんと返事をした。腕と足が出ない服装の方がいいと言うのでリサに用意してもらい、ルカもユリウスのようにシャツに長ズボンにショートブーツを履いた。
長くなったとはいえ、女性にしてはまだ短髪だし一見男の子に見えるねとルカが言うと、ユリウスは困ったように横を向いた。
「どうかした?」と聞けば、ユリウスはそっぽを向きながら、くしゃくしゃとルカの髪を乱した。
「俺には余計に女に見える」
「そうかな」
ルカにはそうは思えない。でもなんだか恥ずかしいのはどうしてだろう。
今朝もカレルに見送られ、ユリウスと共に朝の林に出かけた。出かける時、ボポがやたらとゲージの扉をかいて出たそうにした。少しだけと思ってゲージを開けると、ポポはだっとルカの肩に駆け上がり、離れようとしない。それで今日はポポも一緒に林へ来た。
「逃げるかもしれないぞ」
ユリウスには忠告されたが、それならそれでいい。ポポはもう大きくなった。一人で林で生きていくことはできるだろう。ポポがいなくなるのは寂しいけれど、ポポがそうしたいなら仕方がない。
隣国ルーキング国との国境線近い林は、小鳥のさえずりに川のせせらぎが静かに時を刻んでいる。いつも何か話すでもなく、ルカはユリウスについて歩く。ユリウスは辺りに注意深く視線を配り、国境線である川べりに立ち、向こう岸の様子をうかがう。時折モント騎士団員の人が、ユリウスの姿を見つけてやって来る。
今朝もユリウスが川べりに立つと、すぐに青い軍服を着た騎士団員が駆けてきた。この人の顔は何度か見たので知っている。クライド第三師団長だ。初めてここで顔を合わせたとき、丁寧に自己紹介してくれたから覚えている。
たいていの者は奴隷のルカを無視するけれど、クライドだけはルカにもぺこりと頭を下げてくれる。ルカもぺこりと下げ返した。
「ベイエル伯様、ルカ殿。おはようございます。昨夜のルーキングの斥候ですが――」
クライドは、ユリウスに昨夜の様子を報告し、「では私はこれで」とまた林の奥へと歩いていった。
「そろそろ戻るか」
ユリウスの差し出す手をルカはとった。大きな手の平でルカの手を握ると、ユリウスはもと来た道とは違う道を行く。
「帰らないの?」
「少し遠回りして戻ろう。ディックたちの小屋がそろそろ完成しそうなんだ」
遠回りというより、どんどん林の奥へとユリウスは踏み入っていく。途中大きな水溜りがあり、ユリウスはひょいとルカを抱き上げた。
「ブーツ履いてるから濡れないよ?」
「まぁいいだろ。ブーツも濡れないに越したことはない」
「キュルっ」
まるで返事したかのようにタイミングよくポポが鳴く。
「ポポもそう言ってるぞ」
ユリウスは水溜りを超えてもそのままルカを片腕に乗せて抱いたまま歩いた。結局ディック達の小屋の立つエリアまでそのまま進んだ。
途中、肩の上のポポが頬ずりするようにルカに擦り寄ってきた。指でちょんちょん撫でてやると、ポポはくすぐったそうに尻尾を揺らす。と思ったら突然ルカの肩から、側の木の枝へと飛び移った。
「あ、ポポ」
ルカが呼ぶとポポはちらりとルカを見たが、そのままするすると木の枝を登り、姿が見えなくなった。
「行っちゃった……」
あまりにあっさりとポポは木立の中に姿を消した。肩にはまだポポの温もりが残っている。ポポがそうしたいなら林に帰ればいいとは思っていたけれど、実際いなくなると急に寂しくなった。ユリウスの首にぎゅっと腕を回し、金糸の髪に顔を埋めた。
「ポポはきっとこの林で逞しく生きていくさ」
ユリウスはぽんぽんとルカの頭を撫でた。
「……うん」
ルカは小さく頷いた。ポポはルカの言っていることがわかるのではと思うこともあった。ポポは賢いシマリスだ。ユリウスの言う通り、逞しく生きていくのだろう。
ユリウスは木立の間に現れた小屋を指さした。
「ほら、着いたぞ」
ディック達の小屋は全部で六棟も建っていた。どれも太い丸太を組んだ三角屋根の立派な建物だ。冬の積雪にも耐えられる丈夫な造りになっているらしい。玄関も積雪を見越して地面よりかなり上にある。
ずいぶん早く建つんだねとルカが驚くとユリウスは、実は見越して先に建て始めさせていたという。王都に行っている間も、コーバスとは文を通して頻繁に情報交換をしているそうで、ディック達が来ることを想定して作業を始めていたそうだ。
そんな説明を聞いていると、立ち並ぶ小屋の玄関の一つが開き、中からディックとフォリスが顔をだした。二人はルカとユリウスの姿に気がつくと、「よお」と片手をあげた。
「朝の散歩ですか? ユリウス様」
フォリスがユリウスにしがみついているルカににこりと笑みながら、ユリウスに話しかけた。
「相変わらず仲いいな、ユリウスとルカは。中、見てきます?」
ディックは扉を大きく開いた。ユリウスが「ああ」と頷きルカをおろすと、二人で小屋の中へと入った。一部屋だけの部屋だが広い。すでに調理台やソファ、ベッドなどが並び、今すぐにも生活できそうだ。
「今日は足りないものを街に買いに行こうかと思ってるんです。それで何が必要か確かめにきたんだ」とフォリス。
この小屋はディックとフォリスの小屋になるらしい。あとの五棟を他の仲間でシェアする。余裕ができればまた新たに小屋を増やしていく予定だそうだ。
これからの生活に向けて、ディック達は着々と準備を進めていた。
ユリウスとルカが部屋を見ている間も、二人はあれがあればいいとか、それは高いからまだ買わないでおこうなど楽しそうに話し合っている。
なんか、いいなぁと思った。
これから先に向かって理想を膨らませていく二人の姿が眩しい。
わたしは、これから先ユリウスとどうしていきたいのだろう。
ふとそんなことを考えた。
ユリウスはどう思っているのだろう。ユリウスの描く未来に、ルカはちゃんといるのだろうか。
ユリウスをじっと見上げたら、ユリウスが「どうした?」と聞いてくる。
ルカは首を振って「なんでもない」と答えた。
願わくば、ユリウスの描く未来に自分がいてほしい。そう思わずにはいられなかった。
***
ディックとフォリスの小屋を出て、屋敷へ戻る道すがら、人の声にユリウスは道をそれた。ルカには聞こえなかったようだが、ユリウスの敏感な耳は人声をとらえた。
気になるからとルカにことわり、ユリウスが木立の間を進むと、金髪のラウと黒髪の希少種が何か言い合っているのが見えた。
話の内容までは聞こえない。でも二人は深刻な様子で、黒髪の希少種が歩いていこうとするラウの腕をつかんだ。
黒髪の希少種は知らない顔だ。
ルカに知っているか?と聞いたが、ルカも知らない顔だという。気になってもう少し近づこうと歩を進めると、ルカのブーツが枯れ葉を踏み、かさりと音を立てた。
ラウと、もう一人の希少種が、はっとしたようにこちらを見た。黒髪の希少種は、ユリウスとルカの姿にひらりと身を翻すと木立の中に消えた。
「邪魔をしたか?」
ユリウスはラウに近づいた。金髪に染めたラウは、「いいえ、もう話は終わっていましたから」と言う。とてもそんな風には見えなかったが。
「さっきの希少種は知り合いか?」
念の為聞くと、ラウはええと頷く。
「ちょっと、昔からの知り合いです」
「何しに来た? あの髪色のまま歩き回るのは危険だぞ。領内にはまだ王宮騎士団が、逃げた希少種をさがしている。不用意に髪を晒すのはよくない」
「ああっと、ええ、まぁそうですね。今度会ったら気をつけるように言っておきますよ」
ラウは「じゃあ」と木立の中へと分け入っていった。
その後ろ姿を見送りながら、ユリウスの中にある疑問が芽生えた。王都で出会ったハルムという希少種。王宮から逃げ出したと言っていた。そしてこのラウも、王宮から逃げ出してきたと聞いた。
ルカを連れ去ったハルムのことを、あの時エメレンスはこう言わなかったか。五年前に一人だけ逃げ出した希少種がいたと。エメレンスは一人だけと言ったのだ。
ディック達希少種は、みんなどこからか逃げ出してきた者達ばかりだ。本人達からは元はどこにいたのかを一通り聞いてはいるが、ユリウス自身がその話が本当かどうかを確かめた訳ではない。
今後のためにもディック達のことを調べておくべきだろう。ユリウスはそう心の中で算段した。
0
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。
真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。
親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。
そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。
(しかも私にだけ!!)
社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。
最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。
(((こんな仕打ち、あんまりよーー!!)))
旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
王宮地味女官、只者じゃねぇ
宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。
しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!?
王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。
訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ――
さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。
「おら、案内させてもらいますけんの」
その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。
王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」
副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」
ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」
そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」
けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。
王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。
訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る――
これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。
★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
嫌われ皇后は子供が可愛すぎて皇帝陛下に構っている時間なんてありません。
しあ
恋愛
目が覚めるとお腹が痛い!
声が出せないくらいの激痛。
この痛み、覚えがある…!
「ルビア様、赤ちゃんに酸素を送るためにゆっくり呼吸をしてください!もうすぐですよ!」
やっぱり!
忘れてたけど、お産の痛みだ!
だけどどうして…?
私はもう子供が産めないからだだったのに…。
そんなことより、赤ちゃんを無事に産まないと!
指示に従ってやっと生まれた赤ちゃんはすごく可愛い。だけど、どう見ても日本人じゃない。
どうやら私は、わがままで嫌われ者の皇后に憑依転生したようです。だけど、赤ちゃんをお世話するのに忙しいので、構ってもらわなくて結構です。
なのに、どうして私を嫌ってる皇帝が部屋に訪れてくるんですか!?しかも毎回イラッとするとこを言ってくるし…。
本当になんなの!?あなたに構っている時間なんてないんですけど!
※視点がちょくちょく変わります。
ガバガバ設定、なんちゃって知識で書いてます。
エールを送って下さりありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる