上 下
56 / 91
第五章

二度目はまだ

しおりを挟む
 一週間ほどで月のものは自然と止まった。リサにそう聞いてはいたけれど、初めてのことだったし不安もあった。ちゃんとリサの言う通りに終わってルカはほっと胸を撫で下ろした。またすぐにでもユリウスとしたいと思ったルカだが、ノルデンには二三日は様子を見るようにとしっかり釘を刺された。
 
 最近ルカは、ユリウスの朝の散歩に一緒に出かけるようになった。同じベッドで眠っていると、朝早くに起き出すユリウスの気配に目が覚める。ユリウスはまだ眠っていろと言うのだが、シャツにトラウザーズにブーツを履き、剣を腰にさしただけの軽装で出かけようとするユリウスがどこに行くのか。気になって聞いたら林に出かけるのだと言う。ルカを拾ったあの林だ。
 一緒に行くか?と聞かれ、ルカはうんと返事をした。腕と足が出ない服装の方がいいと言うのでリサに用意してもらい、ルカもユリウスのようにシャツに長ズボンにショートブーツを履いた。
 長くなったとはいえ、女性にしてはまだ短髪だし一見男の子に見えるねとルカが言うと、ユリウスは困ったように横を向いた。
 「どうかした?」と聞けば、ユリウスはそっぽを向きながら、くしゃくしゃとルカの髪を乱した。

「俺には余計に女に見える」

「そうかな」

 ルカにはそうは思えない。でもなんだか恥ずかしいのはどうしてだろう。
 
 今朝もカレルに見送られ、ユリウスと共に朝の林に出かけた。出かける時、ボポがやたらとゲージの扉をかいて出たそうにした。少しだけと思ってゲージを開けると、ポポはだっとルカの肩に駆け上がり、離れようとしない。それで今日はポポも一緒に林へ来た。

「逃げるかもしれないぞ」

 ユリウスには忠告されたが、それならそれでいい。ポポはもう大きくなった。一人で林で生きていくことはできるだろう。ポポがいなくなるのは寂しいけれど、ポポがそうしたいなら仕方がない。

 隣国ルーキング国との国境線近い林は、小鳥のさえずりに川のせせらぎが静かに時を刻んでいる。いつも何か話すでもなく、ルカはユリウスについて歩く。ユリウスは辺りに注意深く視線を配り、国境線である川べりに立ち、向こう岸の様子をうかがう。時折モント騎士団員の人が、ユリウスの姿を見つけてやって来る。
 今朝もユリウスが川べりに立つと、すぐに青い軍服を着た騎士団員が駆けてきた。この人の顔は何度か見たので知っている。クライド第三師団長だ。初めてここで顔を合わせたとき、丁寧に自己紹介してくれたから覚えている。
 たいていの者は奴隷のルカを無視するけれど、クライドだけはルカにもぺこりと頭を下げてくれる。ルカもぺこりと下げ返した。

「ベイエル伯様、ルカ殿。おはようございます。昨夜のルーキングの斥候ですが――」

 クライドは、ユリウスに昨夜の様子を報告し、「では私はこれで」とまた林の奥へと歩いていった。
 
「そろそろ戻るか」

 ユリウスの差し出す手をルカはとった。大きな手の平でルカの手を握ると、ユリウスはもと来た道とは違う道を行く。

「帰らないの?」

「少し遠回りして戻ろう。ディックたちの小屋がそろそろ完成しそうなんだ」

 遠回りというより、どんどん林の奥へとユリウスは踏み入っていく。途中大きな水溜りがあり、ユリウスはひょいとルカを抱き上げた。

「ブーツ履いてるから濡れないよ?」

「まぁいいだろ。ブーツも濡れないに越したことはない」

「キュルっ」

 まるで返事したかのようにタイミングよくポポが鳴く。

「ポポもそう言ってるぞ」

 ユリウスは水溜りを超えてもそのままルカを片腕に乗せて抱いたまま歩いた。結局ディック達の小屋の立つエリアまでそのまま進んだ。
 途中、肩の上のポポが頬ずりするようにルカに擦り寄ってきた。指でちょんちょん撫でてやると、ポポはくすぐったそうに尻尾を揺らす。と思ったら突然ルカの肩から、側の木の枝へと飛び移った。

「あ、ポポ」

 ルカが呼ぶとポポはちらりとルカを見たが、そのままするすると木の枝を登り、姿が見えなくなった。

「行っちゃった……」

 あまりにあっさりとポポは木立の中に姿を消した。肩にはまだポポの温もりが残っている。ポポがそうしたいなら林に帰ればいいとは思っていたけれど、実際いなくなると急に寂しくなった。ユリウスの首にぎゅっと腕を回し、金糸の髪に顔を埋めた。

「ポポはきっとこの林で逞しく生きていくさ」

 ユリウスはぽんぽんとルカの頭を撫でた。

「……うん」

 ルカは小さく頷いた。ポポはルカの言っていることがわかるのではと思うこともあった。ポポは賢いシマリスだ。ユリウスの言う通り、逞しく生きていくのだろう。
 ユリウスは木立の間に現れた小屋を指さした。

「ほら、着いたぞ」

 ディック達の小屋は全部で六棟も建っていた。どれも太い丸太を組んだ三角屋根の立派な建物だ。冬の積雪にも耐えられる丈夫な造りになっているらしい。玄関も積雪を見越して地面よりかなり上にある。

 ずいぶん早く建つんだねとルカが驚くとユリウスは、実は見越して先に建て始めさせていたという。王都に行っている間も、コーバスとは文を通して頻繁に情報交換をしているそうで、ディック達が来ることを想定して作業を始めていたそうだ。

 そんな説明を聞いていると、立ち並ぶ小屋の玄関の一つが開き、中からディックとフォリスが顔をだした。二人はルカとユリウスの姿に気がつくと、「よお」と片手をあげた。

「朝の散歩ですか? ユリウス様」

 フォリスがユリウスにしがみついているルカににこりと笑みながら、ユリウスに話しかけた。

「相変わらず仲いいな、ユリウスとルカは。中、見てきます?」

 ディックは扉を大きく開いた。ユリウスが「ああ」と頷きルカをおろすと、二人で小屋の中へと入った。一部屋だけの部屋だが広い。すでに調理台やソファ、ベッドなどが並び、今すぐにも生活できそうだ。

「今日は足りないものを街に買いに行こうかと思ってるんです。それで何が必要か確かめにきたんだ」とフォリス。

 この小屋はディックとフォリスの小屋になるらしい。あとの五棟を他の仲間でシェアする。余裕ができればまた新たに小屋を増やしていく予定だそうだ。
 これからの生活に向けて、ディック達は着々と準備を進めていた。
 ユリウスとルカが部屋を見ている間も、二人はあれがあればいいとか、それは高いからまだ買わないでおこうなど楽しそうに話し合っている。
 なんか、いいなぁと思った。
 これから先に向かって理想を膨らませていく二人の姿が眩しい。
 わたしは、これから先ユリウスとどうしていきたいのだろう。
 ふとそんなことを考えた。
 ユリウスはどう思っているのだろう。ユリウスの描く未来に、ルカはちゃんといるのだろうか。
 ユリウスをじっと見上げたら、ユリウスが「どうした?」と聞いてくる。
 ルカは首を振って「なんでもない」と答えた。
 願わくば、ユリウスの描く未来に自分がいてほしい。そう思わずにはいられなかった。










***









 ディックとフォリスの小屋を出て、屋敷へ戻る道すがら、人の声にユリウスは道をそれた。ルカには聞こえなかったようだが、ユリウスの敏感な耳は人声をとらえた。
 気になるからとルカにことわり、ユリウスが木立の間を進むと、金髪のラウと黒髪の希少種が何か言い合っているのが見えた。
 話の内容までは聞こえない。でも二人は深刻な様子で、黒髪の希少種が歩いていこうとするラウの腕をつかんだ。
 黒髪の希少種は知らない顔だ。
 ルカに知っているか?と聞いたが、ルカも知らない顔だという。気になってもう少し近づこうと歩を進めると、ルカのブーツが枯れ葉を踏み、かさりと音を立てた。
 ラウと、もう一人の希少種が、はっとしたようにこちらを見た。黒髪の希少種は、ユリウスとルカの姿にひらりと身を翻すと木立の中に消えた。

「邪魔をしたか?」

 ユリウスはラウに近づいた。金髪に染めたラウは、「いいえ、もう話は終わっていましたから」と言う。とてもそんな風には見えなかったが。

「さっきの希少種は知り合いか?」

 念の為聞くと、ラウはええと頷く。

「ちょっと、昔からの知り合いです」

「何しに来た? あの髪色のまま歩き回るのは危険だぞ。領内にはまだ王宮騎士団が、逃げた希少種をさがしている。不用意に髪を晒すのはよくない」

「ああっと、ええ、まぁそうですね。今度会ったら気をつけるように言っておきますよ」

 ラウは「じゃあ」と木立の中へと分け入っていった。
 その後ろ姿を見送りながら、ユリウスの中にある疑問が芽生えた。王都で出会ったハルムという希少種。王宮から逃げ出したと言っていた。そしてこのラウも、王宮から逃げ出してきたと聞いた。
 ルカを連れ去ったハルムのことを、あの時エメレンスはこう言わなかったか。五年前に一人だけ逃げ出した希少種がいたと。エメレンスは一人だけと言ったのだ。
 ディック達希少種は、みんなどこからか逃げ出してきた者達ばかりだ。本人達からは元はどこにいたのかを一通り聞いてはいるが、ユリウス自身がその話が本当かどうかを確かめた訳ではない。
 今後のためにもディック達のことを調べておくべきだろう。ユリウスはそう心の中で算段した。


 

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!

楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。 (リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……) 遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──! (かわいい、好きです、愛してます) (誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?) 二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない! ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。 (まさか。もしかして、心の声が聞こえている?) リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる? 二人の恋の結末はどうなっちゃうの?! 心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。 ✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。 ✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

溺愛の始まりは魔眼でした。騎士団事務員の貧乏令嬢、片想いの騎士団長と婚約?!

恋愛
 男爵令嬢ミナは実家が貧乏で騎士団の事務員と騎士団寮の炊事洗濯を掛け持ちして働いていた。ミナは騎士団長オレンに片想いしている。バレないようにしつつ長年真面目に働きオレンの信頼も得、休憩のお茶まで一緒にするようになった。  ある日、謎の香料を口にしてミナは魔法が宿る眼、魔眼に目覚める。魔眼のスキルは、筋肉のステータスが見え、良い筋肉が目の前にあると相手の服が破けてしまうものだった。ミナは無類の筋肉好きで、筋肉が近くで見られる騎士団は彼女にとっては天職だ。魔眼のせいでクビにされるわけにはいかない。なのにオレンの服をびりびりに破いてしまい魔眼のスキルを話さなければいけない状況になった。  全てを話すと、オレンはミナと協力して魔眼を治そうと提案する。対処法で筋肉を見たり触ったりすることから始まった。ミナが長い間封印していた絵描きの趣味も魔眼対策で復活し、よりオレンとの時間が増えていく。片想いがバレないようにするも何故か魔眼がバレてからオレンが好意的で距離も近くなり甘やかされてばかりでミナは戸惑う。別の日には我慢しすぎて自分の服を魔眼で破り真っ裸になった所をオレンに見られ彼は責任を取るとまで言いだして?! ※結構ふざけたラブコメです。 恋愛が苦手な女性シリーズ、前作と同じ世界線で描かれた2作品目です(続きものではなく単品で読めます)。今回は無自覚系恋愛苦手女性。 ヒロインによる一人称視点。全56話、一話あたり概ね1000~2000字程度で公開。 前々作「訳あり女装夫は契約結婚した副業男装妻の推し」前作「身体強化魔法で拳交える外交令嬢の拗らせ恋愛~隣国の悪役令嬢を妻にと連れてきた王子に本来の婚約者がいないとでも?~」と同じ時代・世界です。 ※小説家になろう、ノベルアップ+にも投稿しています。※R15は保険です。

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

魔力なしと虐げられた令嬢は孤高の騎士団総長に甘やかされる

橋本彩里(Ayari)
恋愛
五歳で魔力なしと判定され魔力があって当たり前の貴族社会では恥ずかしいことだと蔑まれ、使用人のように扱われ物置部屋で生活をしていた伯爵家長女ミザリア。 十六歳になり、魔力なしの役立たずは出て行けと屋敷から追い出された。 途中騎士に助けられ、成り行きで王都騎士団寮、しかも総長のいる黒狼寮での家政婦として雇われることになった。 それぞれ訳ありの二人、総長とミザリアは周囲の助けもあってじわじわ距離が近づいていく。 命を狙われたり互いの事情やそれにまつわる事件が重なり、気づけば総長に過保護なほど甘やかされ溺愛され……。 孤高で寡黙な総長のまっすぐな甘やかしに溺れないようにとミザリアは今日も家政婦業に励みます! ※R15については暴力や血の出る表現が少々含まれますので保険としてつけています。

【R18】出来損ないの魔女なので殿下の溺愛はお断りしたいのですが!? 気づいたら女子力高めな俺様王子の寵姫の座に収まっていました

深石千尋
恋愛
 バーベナはエアネルス王国の三大公爵グロー家の娘にもかかわらず、生まれながらに魔女としての資質が低く、家族や使用人たちから『出来損ない』と呼ばれ虐げられる毎日を送っていた。  そんな中成人を迎えたある日、王族に匹敵するほどの魔力が覚醒してしまう。  今さらみんなから認められたいと思わないバーベナは、自由な外国暮らしを夢見て能力を隠すことを決意する。  ところが、ひょんなことから立太子を間近に控えたディアルムド王子にその力がバレて―― 「手短に言いましょう。俺の妃になってください」  なんと求婚される事態に発展!! 断っても断ってもディアルムドのアタックは止まらない。  おまけに偉そうな王子様の、なぜか女子力高めなアプローチにバーベナのドキドキも止まらない!?  やむにやまれぬ事情から条件つきで求婚を受け入れるバーベナだが、結婚は形だけにとどまらず――!?  ただの契約妃のつもりでいた、自分に自信のないチートな女の子 × ハナから別れるつもりなんてない、女子力高めな俺様王子 ──────────────────── ○Rシーンには※マークあり ○他サイトでも公開中 ────────────────────

【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。

早稲 アカ
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。 宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。 彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。 加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。 果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?

初恋をこじらせた騎士軍師は、愛妻を偏愛する ~有能な頭脳が愛妻には働きません!~

如月あこ
恋愛
 宮廷使用人のメリアは男好きのする体型のせいで、日頃から貴族男性に絡まれることが多く、自分の身体を嫌っていた。  ある夜、悪辣で有名な貴族の男に王城の庭園へ追い込まれて、絶体絶命のピンチに陥る。  懸命に守ってきた純潔がついに散らされてしまう! と、恐怖に駆られるメリアを助けたのは『騎士軍師』という特別な階級を与えられている、策士として有名な男ゲオルグだった。  メリアはゲオルグの提案で、大切な人たちを守るために、彼と契約結婚をすることになるが――。    騎士軍師(40歳)×宮廷使用人(22歳)  ひたすら不器用で素直な二人の、両片想いむずむずストーリー。 ※ヒロインは、むちっとした体型(太っているわけではないが、本人は太っていると思い込んでいる)

処理中です...