9 / 91
第一章
落としたパンの行方
しおりを挟む
執務を終え、日も沈む頃ユリウスが帰宅すると、何やら屋敷内が騒がしい。出迎えたカレルにどうしたのかと問えば、カレルは顔をしかめた。
「ユリウス様の拾い物に手こずっておりまする」
「なんだそれは」
苦笑しながらユリウスが食堂に入ると、ちょうど席についた希少種が、パンを持って差し出したリサの手を払うところだった。
パシンっと小気味いい音を立て、リサの手から弾き出されたパンが床に転がる。給仕をしていたコックのアントンが顔を歪めた。
テーブルに置かれた食事にも一切手を付けていない。
「ユリウス様。お帰りなさいませ」
リサが心底困った顔で入ってきたユリウスを見上げる。ユリウスは転がったパンを拾うと、希少種の前の席に座り、アントンに自分の分の食事の用意を頼んだ。
すぐにアントンはユリウスの前に食事を並べ始める。
「食べないのか? 毒は入っていないぞ」
ユリウスが床に落ちたパンを食べると、希少種は驚いたように目を瞠った。
「それ……。わたしの落としたパン」
「ああ。そうだな。ここでは食べ物は貴重だ。残しては精を尽くして作ってくれた厨房の者にも申し訳が立たない」
希少種は虚をつかれたようにはっとし、唇をかむと俯いた。
「悪かった…」
消え入りそうに小さな声でぼそりと呟き、おずおずと食事に手を伸ばした。スプーンとフォークの使い方も知らないとみえ、希少種は手づかみで食事をつかもうとする。
「あ、待って」
慌ててリサがスプーンを差し出すと、不思議そうに小首を傾げる、
「スープはこうやって掬うんですのよ」
リサが掬ってやって口元に持っていくと、希少種は口を開いてパクリと食べた。瞬間、ぱぁと顔が綻ぶ。
「……おいしい…」
それを見ていたリサはスプーンを持ったまま、年甲斐もなくきゃっと飛び跳ねた。
「……かわいい」
確かにリサの言う通り、差し出されたスプーンをパクリとくわえた様は妙に庇護欲をそそられる。
まるでもっとちょうだいと言わんばかりに見上げてくる希少種に、リサは「私が食べさせてあげますわ」と隣に座り、完全に主導権を握ると、希少種の口に次から次へと食べ物を運んだ。
希少種はよく食べた。
リサによるとつい先程まで昏々と眠っていたらしい。目を覚まし、不浄に行きたいというのでリサが抱いて連れて行った。
「あまりに軽いので驚きましたわ」とリサ。そのついでにと食堂へ連れてきたのがつい先ほどだった。
意地を張っていただけで、お腹は空いていたのだろう。希少種はすごい勢いで食べる。アントンは柔らかく煮た野菜など、消化のいいものを用意していた。
しばらく夢中で食べ続ける希少種を見ながら、ユリウスも食事を進めた。
「おまえ、名はなんというんだ?」
今朝から風呂場の乱闘でまだまともに話もしていない。まずは名を知りたいと訊くと、希少種は一瞬きょとんとした顔をし、すぐにぼそりと答えた。
「ルカ」
「そうか。俺もまだ名乗っていなかったな。ユリウス・ベイエルだ。この北のモント領主だ。それと今ルカに食べさせているのが――」
「――リサですわ」
手を止めてリサが名乗る。続いて執事のカレル、コックのアントンと順に紹介する。
「あと、今朝ルカを診た医師のノルデンに、カレルとリサの息子のボブ。いつも屋敷にいるのはその面々だ。何かあれば今言った者たちに言うといい」
ルカは、黒い瞳で一人一人の顔をじっと見た。最後に、目の前のユリウスに視線を合わせる。
「わたし、いつ王宮に帰されるの?」
「今朝も言ったが、返すとは言ってないぞ」
「でも、いつかは帰されるんでしょう? いつ?」
ユリウスはふぅと息をついた。まだ完全にこちらのことを信用したわけではないようだ。それもそうだろう。今までルカがどんな境遇に置かれていたのか。わからないが、背中と大腿の傷を見ただけでも大体の察しはつく。そう簡単に人を信用することはないのだろう。
なんと言葉をかけてやればいいのか。
何を言ってもルカは、ユリウスのことを、ここにいる者たちのことを心から信用し、頼ることはない。そう思うとどんな言葉もルカにとっては上滑りで、無意味なことだ。
「あら、まぁ」
リサの声にルカを見れば、目がとろんとして首がガクンと前に傾いだ。はっとしたように目を開くが、すぐにまたまぶたが落ちてくる。
「まぁ、かわいいこと」
リサがそっと頭を支えてやると、そのままルカはうとうと舟を漕ぎだした。
「ずっと気を張り詰めているのね。可哀想に。こうやって居眠りできるくらいには、少しは私達に対して警戒心を解いているのかしらね」
「さあな」
ユリウスは食事を終え立ち上がるとルカを抱きかかえた。背中と大腿に触れないように抱こうと思えば、今朝と同じ縦抱きになる。抱き上げればルカは自然とユリウスの首に腕をまわしてきた。よく眠っている。無意識なのだろう。ユリウスの髪に顔を埋めるように擦り寄ってくる。
なんだろうか。この気持ちは。
ユリウスはむず痒いような、そわそわした気持ちがした。肩に頬をのせるルカの顔を見れば、少し開いた唇が妙に艶めかしい。
「なんだかとってもかわいいですわね。ユリウス様には気を許しているんですね、きっと」
「どうだろうな」
ユリウスはリサに話しかけられ、はっとしてルカの唇から目を逸らした。カレルに案内させ、ユリウスはルカをうつ伏せにベッドに寝かせた。
よく眠っている。穏やかな寝息だ。
ユリウスは寝室を出ると自室にカレルを呼んだ。
「王宮騎士団からの伝令でな。王宮から逃げ出した希少種の奴隷をさがしているそうだ」
「なんですと?!」
ユリウスは王宮騎士団からの伝令をカレルに話した。カレルは見る間に顔を青ざめさせた。
「どうされるおつもりです? 王宮から逃げ出した希少種とは、十中八九ルカのことですぞ。当然、王宮騎士団に引き渡されるんですよね」
「おまえは差し出せるのか? あれほど怯え怖がっている者を、おまえは差し出すのか?」
カレルは言葉に詰まり、長々と息を吐き出した。
「……無茶を申しました。ユリウス様がそのような非道を許すお方ではないことは、よくわかっております。ですがもし事が露見した場合、いかがなさるおつもりです。たまたま見つけた拾い物のせいで、やっと落ち着いたこの地位までも手放すことになりかねませんぞ」
「……わかっている」
ユリウスの父、レオナルト・ベイエルはもと中央の貴族だった。領地も王都から程近い場所で、爵位も公爵位。初代バッケル王の傍系で国の中枢を担う存在だった。ユリウスはそのベイエル公爵家の一人息子として将来を嘱望され、侯爵家の令嬢との婚儀も決まっていた。
しかし十年前、前王ラドバウト崩御に伴いあとを継いだライニールが王位につくと、側近ヘルハルト・オーラフが宰相の座に付き、状況は一変した。噂ではヘルハルトは、オーラフ家が迎えた養子らしいが切れ者だった。いつの間にかライニール王の懐深く入り込み、王の絶対的な信頼のもと、オーラフ宰相はおのれに従わない者を次々に粛清していき、その過程で多くの者はオーラフ宰相側についた。ユリウスの父レオナルトは、そんなオーラフ宰相に与せず、独立した地位を保っていたが、アルメレ川の河川工事の是非を巡って激しく対立した。
結局、工事の反対を主張した父レオナルトが周りの支持を得られず敗北し、爵位も二段階降格の伯爵位に落とされ、今のモント領に領地替えとなり、中央からは去ることとなった。
モント領は隣国に接した国境線守備の最前線であり、冬も厳しい北の僻地だ。今でこそ豊富な森林資源を活用し、領内は潤っているが、十年前のモント領は、ただ国境線の守備にのみ重きを置かれた地で、領民の生活は悲惨なものだった。
多くの者が父の元から去った。ユリウスにもその波は寄せてきた。友と慕った同じ年頃の貴族の子息は去っていき、侯爵家の令嬢との婚約は、相手の親から一方的に破棄された。都落ちしていく将来性のないユリウスに、娘を嫁がせることはできない。その気持ちはよくわかる。ユリウスにはどうすることもできなかった。
父レオナルトは、一旦はモント領主におさまったが、すぐに息子のユリウスにその座を譲った。自身は今はユリウスの母と二人、モント領でも比較的南の地方で穏やかに暮らしている。
一方、十九歳でモント領主となったユリウスは、在野の貴族や領民と積極的に交わり、ここまでの領地へと導いてきた。忌憚のない意見をする者、ユリウスの顔色ではなく、真剣に領地の問題を解決しようと尽力する者。新鮮だった。そしていかに自分が今まで嘘と建前の世界にいたのかを痛感した。
都落ちしたことを、今のユリウスはむしろ前向きに捉えている。もしあのまま公爵家の跡取りとして中央にいたのでは、今の自分はいなかった。カレルをはじめ、リサ、ノルデン、アントンといった王都からついてきてくれた使用人たちへの見る目も、今とは違っていただろう。
「心配かけてすまない。カレル」
カレルの発言は、いつもユリウスの身を案じてのことだ。それでもどうしてもあの希少種を王宮騎士団につきだす気にはなれない。
ユリウスがそう言うと、カレルはやれやれとため息をつきながらも、「善処いたしましょう」と頭を下げた。
「ユリウス様の拾い物に手こずっておりまする」
「なんだそれは」
苦笑しながらユリウスが食堂に入ると、ちょうど席についた希少種が、パンを持って差し出したリサの手を払うところだった。
パシンっと小気味いい音を立て、リサの手から弾き出されたパンが床に転がる。給仕をしていたコックのアントンが顔を歪めた。
テーブルに置かれた食事にも一切手を付けていない。
「ユリウス様。お帰りなさいませ」
リサが心底困った顔で入ってきたユリウスを見上げる。ユリウスは転がったパンを拾うと、希少種の前の席に座り、アントンに自分の分の食事の用意を頼んだ。
すぐにアントンはユリウスの前に食事を並べ始める。
「食べないのか? 毒は入っていないぞ」
ユリウスが床に落ちたパンを食べると、希少種は驚いたように目を瞠った。
「それ……。わたしの落としたパン」
「ああ。そうだな。ここでは食べ物は貴重だ。残しては精を尽くして作ってくれた厨房の者にも申し訳が立たない」
希少種は虚をつかれたようにはっとし、唇をかむと俯いた。
「悪かった…」
消え入りそうに小さな声でぼそりと呟き、おずおずと食事に手を伸ばした。スプーンとフォークの使い方も知らないとみえ、希少種は手づかみで食事をつかもうとする。
「あ、待って」
慌ててリサがスプーンを差し出すと、不思議そうに小首を傾げる、
「スープはこうやって掬うんですのよ」
リサが掬ってやって口元に持っていくと、希少種は口を開いてパクリと食べた。瞬間、ぱぁと顔が綻ぶ。
「……おいしい…」
それを見ていたリサはスプーンを持ったまま、年甲斐もなくきゃっと飛び跳ねた。
「……かわいい」
確かにリサの言う通り、差し出されたスプーンをパクリとくわえた様は妙に庇護欲をそそられる。
まるでもっとちょうだいと言わんばかりに見上げてくる希少種に、リサは「私が食べさせてあげますわ」と隣に座り、完全に主導権を握ると、希少種の口に次から次へと食べ物を運んだ。
希少種はよく食べた。
リサによるとつい先程まで昏々と眠っていたらしい。目を覚まし、不浄に行きたいというのでリサが抱いて連れて行った。
「あまりに軽いので驚きましたわ」とリサ。そのついでにと食堂へ連れてきたのがつい先ほどだった。
意地を張っていただけで、お腹は空いていたのだろう。希少種はすごい勢いで食べる。アントンは柔らかく煮た野菜など、消化のいいものを用意していた。
しばらく夢中で食べ続ける希少種を見ながら、ユリウスも食事を進めた。
「おまえ、名はなんというんだ?」
今朝から風呂場の乱闘でまだまともに話もしていない。まずは名を知りたいと訊くと、希少種は一瞬きょとんとした顔をし、すぐにぼそりと答えた。
「ルカ」
「そうか。俺もまだ名乗っていなかったな。ユリウス・ベイエルだ。この北のモント領主だ。それと今ルカに食べさせているのが――」
「――リサですわ」
手を止めてリサが名乗る。続いて執事のカレル、コックのアントンと順に紹介する。
「あと、今朝ルカを診た医師のノルデンに、カレルとリサの息子のボブ。いつも屋敷にいるのはその面々だ。何かあれば今言った者たちに言うといい」
ルカは、黒い瞳で一人一人の顔をじっと見た。最後に、目の前のユリウスに視線を合わせる。
「わたし、いつ王宮に帰されるの?」
「今朝も言ったが、返すとは言ってないぞ」
「でも、いつかは帰されるんでしょう? いつ?」
ユリウスはふぅと息をついた。まだ完全にこちらのことを信用したわけではないようだ。それもそうだろう。今までルカがどんな境遇に置かれていたのか。わからないが、背中と大腿の傷を見ただけでも大体の察しはつく。そう簡単に人を信用することはないのだろう。
なんと言葉をかけてやればいいのか。
何を言ってもルカは、ユリウスのことを、ここにいる者たちのことを心から信用し、頼ることはない。そう思うとどんな言葉もルカにとっては上滑りで、無意味なことだ。
「あら、まぁ」
リサの声にルカを見れば、目がとろんとして首がガクンと前に傾いだ。はっとしたように目を開くが、すぐにまたまぶたが落ちてくる。
「まぁ、かわいいこと」
リサがそっと頭を支えてやると、そのままルカはうとうと舟を漕ぎだした。
「ずっと気を張り詰めているのね。可哀想に。こうやって居眠りできるくらいには、少しは私達に対して警戒心を解いているのかしらね」
「さあな」
ユリウスは食事を終え立ち上がるとルカを抱きかかえた。背中と大腿に触れないように抱こうと思えば、今朝と同じ縦抱きになる。抱き上げればルカは自然とユリウスの首に腕をまわしてきた。よく眠っている。無意識なのだろう。ユリウスの髪に顔を埋めるように擦り寄ってくる。
なんだろうか。この気持ちは。
ユリウスはむず痒いような、そわそわした気持ちがした。肩に頬をのせるルカの顔を見れば、少し開いた唇が妙に艶めかしい。
「なんだかとってもかわいいですわね。ユリウス様には気を許しているんですね、きっと」
「どうだろうな」
ユリウスはリサに話しかけられ、はっとしてルカの唇から目を逸らした。カレルに案内させ、ユリウスはルカをうつ伏せにベッドに寝かせた。
よく眠っている。穏やかな寝息だ。
ユリウスは寝室を出ると自室にカレルを呼んだ。
「王宮騎士団からの伝令でな。王宮から逃げ出した希少種の奴隷をさがしているそうだ」
「なんですと?!」
ユリウスは王宮騎士団からの伝令をカレルに話した。カレルは見る間に顔を青ざめさせた。
「どうされるおつもりです? 王宮から逃げ出した希少種とは、十中八九ルカのことですぞ。当然、王宮騎士団に引き渡されるんですよね」
「おまえは差し出せるのか? あれほど怯え怖がっている者を、おまえは差し出すのか?」
カレルは言葉に詰まり、長々と息を吐き出した。
「……無茶を申しました。ユリウス様がそのような非道を許すお方ではないことは、よくわかっております。ですがもし事が露見した場合、いかがなさるおつもりです。たまたま見つけた拾い物のせいで、やっと落ち着いたこの地位までも手放すことになりかねませんぞ」
「……わかっている」
ユリウスの父、レオナルト・ベイエルはもと中央の貴族だった。領地も王都から程近い場所で、爵位も公爵位。初代バッケル王の傍系で国の中枢を担う存在だった。ユリウスはそのベイエル公爵家の一人息子として将来を嘱望され、侯爵家の令嬢との婚儀も決まっていた。
しかし十年前、前王ラドバウト崩御に伴いあとを継いだライニールが王位につくと、側近ヘルハルト・オーラフが宰相の座に付き、状況は一変した。噂ではヘルハルトは、オーラフ家が迎えた養子らしいが切れ者だった。いつの間にかライニール王の懐深く入り込み、王の絶対的な信頼のもと、オーラフ宰相はおのれに従わない者を次々に粛清していき、その過程で多くの者はオーラフ宰相側についた。ユリウスの父レオナルトは、そんなオーラフ宰相に与せず、独立した地位を保っていたが、アルメレ川の河川工事の是非を巡って激しく対立した。
結局、工事の反対を主張した父レオナルトが周りの支持を得られず敗北し、爵位も二段階降格の伯爵位に落とされ、今のモント領に領地替えとなり、中央からは去ることとなった。
モント領は隣国に接した国境線守備の最前線であり、冬も厳しい北の僻地だ。今でこそ豊富な森林資源を活用し、領内は潤っているが、十年前のモント領は、ただ国境線の守備にのみ重きを置かれた地で、領民の生活は悲惨なものだった。
多くの者が父の元から去った。ユリウスにもその波は寄せてきた。友と慕った同じ年頃の貴族の子息は去っていき、侯爵家の令嬢との婚約は、相手の親から一方的に破棄された。都落ちしていく将来性のないユリウスに、娘を嫁がせることはできない。その気持ちはよくわかる。ユリウスにはどうすることもできなかった。
父レオナルトは、一旦はモント領主におさまったが、すぐに息子のユリウスにその座を譲った。自身は今はユリウスの母と二人、モント領でも比較的南の地方で穏やかに暮らしている。
一方、十九歳でモント領主となったユリウスは、在野の貴族や領民と積極的に交わり、ここまでの領地へと導いてきた。忌憚のない意見をする者、ユリウスの顔色ではなく、真剣に領地の問題を解決しようと尽力する者。新鮮だった。そしていかに自分が今まで嘘と建前の世界にいたのかを痛感した。
都落ちしたことを、今のユリウスはむしろ前向きに捉えている。もしあのまま公爵家の跡取りとして中央にいたのでは、今の自分はいなかった。カレルをはじめ、リサ、ノルデン、アントンといった王都からついてきてくれた使用人たちへの見る目も、今とは違っていただろう。
「心配かけてすまない。カレル」
カレルの発言は、いつもユリウスの身を案じてのことだ。それでもどうしてもあの希少種を王宮騎士団につきだす気にはなれない。
ユリウスがそう言うと、カレルはやれやれとため息をつきながらも、「善処いたしましょう」と頭を下げた。
0
お気に入りに追加
210
あなたにおすすめの小説
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
溺愛の始まりは魔眼でした。騎士団事務員の貧乏令嬢、片想いの騎士団長と婚約?!
参
恋愛
男爵令嬢ミナは実家が貧乏で騎士団の事務員と騎士団寮の炊事洗濯を掛け持ちして働いていた。ミナは騎士団長オレンに片想いしている。バレないようにしつつ長年真面目に働きオレンの信頼も得、休憩のお茶まで一緒にするようになった。
ある日、謎の香料を口にしてミナは魔法が宿る眼、魔眼に目覚める。魔眼のスキルは、筋肉のステータスが見え、良い筋肉が目の前にあると相手の服が破けてしまうものだった。ミナは無類の筋肉好きで、筋肉が近くで見られる騎士団は彼女にとっては天職だ。魔眼のせいでクビにされるわけにはいかない。なのにオレンの服をびりびりに破いてしまい魔眼のスキルを話さなければいけない状況になった。
全てを話すと、オレンはミナと協力して魔眼を治そうと提案する。対処法で筋肉を見たり触ったりすることから始まった。ミナが長い間封印していた絵描きの趣味も魔眼対策で復活し、よりオレンとの時間が増えていく。片想いがバレないようにするも何故か魔眼がバレてからオレンが好意的で距離も近くなり甘やかされてばかりでミナは戸惑う。別の日には我慢しすぎて自分の服を魔眼で破り真っ裸になった所をオレンに見られ彼は責任を取るとまで言いだして?!
※結構ふざけたラブコメです。
恋愛が苦手な女性シリーズ、前作と同じ世界線で描かれた2作品目です(続きものではなく単品で読めます)。今回は無自覚系恋愛苦手女性。
ヒロインによる一人称視点。全56話、一話あたり概ね1000~2000字程度で公開。
前々作「訳あり女装夫は契約結婚した副業男装妻の推し」前作「身体強化魔法で拳交える外交令嬢の拗らせ恋愛~隣国の悪役令嬢を妻にと連れてきた王子に本来の婚約者がいないとでも?~」と同じ時代・世界です。
※小説家になろう、ノベルアップ+にも投稿しています。※R15は保険です。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
魔力なしと虐げられた令嬢は孤高の騎士団総長に甘やかされる
橋本彩里(Ayari)
恋愛
五歳で魔力なしと判定され魔力があって当たり前の貴族社会では恥ずかしいことだと蔑まれ、使用人のように扱われ物置部屋で生活をしていた伯爵家長女ミザリア。
十六歳になり、魔力なしの役立たずは出て行けと屋敷から追い出された。
途中騎士に助けられ、成り行きで王都騎士団寮、しかも総長のいる黒狼寮での家政婦として雇われることになった。
それぞれ訳ありの二人、総長とミザリアは周囲の助けもあってじわじわ距離が近づいていく。
命を狙われたり互いの事情やそれにまつわる事件が重なり、気づけば総長に過保護なほど甘やかされ溺愛され……。
孤高で寡黙な総長のまっすぐな甘やかしに溺れないようにとミザリアは今日も家政婦業に励みます!
※R15については暴力や血の出る表現が少々含まれますので保険としてつけています。
【R18】出来損ないの魔女なので殿下の溺愛はお断りしたいのですが!? 気づいたら女子力高めな俺様王子の寵姫の座に収まっていました
深石千尋
恋愛
バーベナはエアネルス王国の三大公爵グロー家の娘にもかかわらず、生まれながらに魔女としての資質が低く、家族や使用人たちから『出来損ない』と呼ばれ虐げられる毎日を送っていた。
そんな中成人を迎えたある日、王族に匹敵するほどの魔力が覚醒してしまう。
今さらみんなから認められたいと思わないバーベナは、自由な外国暮らしを夢見て能力を隠すことを決意する。
ところが、ひょんなことから立太子を間近に控えたディアルムド王子にその力がバレて――
「手短に言いましょう。俺の妃になってください」
なんと求婚される事態に発展!! 断っても断ってもディアルムドのアタックは止まらない。
おまけに偉そうな王子様の、なぜか女子力高めなアプローチにバーベナのドキドキも止まらない!?
やむにやまれぬ事情から条件つきで求婚を受け入れるバーベナだが、結婚は形だけにとどまらず――!?
ただの契約妃のつもりでいた、自分に自信のないチートな女の子 × ハナから別れるつもりなんてない、女子力高めな俺様王子
────────────────────
○Rシーンには※マークあり
○他サイトでも公開中
────────────────────
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
早稲 アカ
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
初恋をこじらせた騎士軍師は、愛妻を偏愛する ~有能な頭脳が愛妻には働きません!~
如月あこ
恋愛
宮廷使用人のメリアは男好きのする体型のせいで、日頃から貴族男性に絡まれることが多く、自分の身体を嫌っていた。
ある夜、悪辣で有名な貴族の男に王城の庭園へ追い込まれて、絶体絶命のピンチに陥る。
懸命に守ってきた純潔がついに散らされてしまう! と、恐怖に駆られるメリアを助けたのは『騎士軍師』という特別な階級を与えられている、策士として有名な男ゲオルグだった。
メリアはゲオルグの提案で、大切な人たちを守るために、彼と契約結婚をすることになるが――。
騎士軍師(40歳)×宮廷使用人(22歳)
ひたすら不器用で素直な二人の、両片想いむずむずストーリー。
※ヒロインは、むちっとした体型(太っているわけではないが、本人は太っていると思い込んでいる)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる