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第2章

魔法少女たちの週末

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「はい、ということで週末です」

 征司がパーンと一つ、手をたたく。コンクリート打ちっぱなしの拷問部屋には、甲高い音が反響しよく響く。
 土曜日の朝、征司と梨姫はマルチクローゼットの先にある拷問部屋へ来ていた。征司は黒いジーンズに白のワイシャツ、その上に何故か白衣を着ていた。一方の梨姫は紺色競泳水着型の魔法少女姿だ。

「せっかくの連休なので、梨姫と茉莉香をたっぷりと虐めてやろうと思っています」
「…わくわく」

 待ちきれない、という雰囲気でぴこぴこ体を揺らしてとつま先立ちになるのを繰り返す梨姫。

「ところで、雌豚…プリズマ、シャイン…は?」

 思い出したように周りを見渡し梨姫が問う。
 広い拷問部屋の中には、征司とアクアブロンテ姿の梨姫しかいない。貼り付け台やギロチン台、鞭や杭など目立つ拷問器具は以前と同様キレイに片付けられ、それらに茉莉香が拘束されているということもない。
 ただ一点、以前と違うのは征司の真後ろにある巨大な肉の塊だ。昆虫の繭をなにかの肉で作りました、と表現するのが一番しっくりくるだろうか。全長2メートル以上、人一人くらい飲み込んでも余りある巨大な塊の表面は時たま脈動し、表面には筋肉のような筋が何本も入っている。

 なにこれ…気持ち悪い、というのが梨姫の率直な感想だ。この時点で彼女にも、後の展開が予想はついたのだが。

「その前にこれを渡しておこう」

 征司が銀のタグをアクアブロンテに手渡す。茉莉香に渡したものとおなじ、呪印のステータスプレートだ。こちらには『水沢 梨姫』と溝を掘って文字が刻まれている。
 肉繭を気にしつつも使い方を説明されると、アクアブロンテは納得した顔でステータスを表示した。

 ----------------------------
 水沢 梨姫 呪印侵食度 23%
『呪印効果(パッシブ)』
 状態通知、居場所通知、主人に対する悪意行動抑制、回復促進(Ⅰ)
『呪印効果(アクティブ)』
 痛覚-快感 変換、感度操作 0.1~120倍、
 意識誘導、記憶読み取り、身体制御、 “感覚干渉(五感)”、生命維持、気絶防止(Ⅱ)
 ----------------------------

「茉莉香と違って精神的な抵抗が無いから侵食が早いな」

「そう…なん、ですか…?」

「あぁ、本人が主に対して精神的に屈するほど侵食していく呪印だからな。もちろん本人の魔力の強さや魔法抵抗力の高さも関係するが」

 言われ、まじまじとプレートを見ていたアクアブロンテが急に集中して魔力を操り始める。

「………………………………!!」

 ジジッっとステータス表示にノイズが走ると、侵食度と、発現効果が若干変化した。

 ----------------------------
 水沢 梨姫 呪印侵食度 21%
『呪印効果(パッシブ)』
 状態通知、居場所通知、主人に対する悪意行動抑制、回復促進(Ⅰ)
『呪印効果(アクティブ)』
 痛覚-快感 変換、感度操作 0.1~110倍、
 意識誘導、記憶読み取り、身体制御、 “感覚干渉(五感)”、生命維持、気絶防止(Ⅰ)
 ----------------------------

「おぉい…まじかよ」

「………………………………ッ!!」

 再びノイズが走る。今度は侵食度が上がった。

 ----------------------------
 水沢 梨姫 呪印侵食度 24%
『呪印効果(パッシブ)』
 状態通知、居場所通知、主人に対する悪意行動抑制、回復促進(Ⅰ)
『呪印効果(アクティブ)』
 痛覚-快感 変換、感度操作 0.1~125倍、
 意識誘導、記憶読み取り、身体制御、 “感覚干渉(五感)”、生命維持、気絶防止(Ⅱ)
 ----------------------------

「お前…本当にすごいな」
「魔力制御、得意、だから。回復とか、身体の制御も、得意」

 征司は、得意という程度であっさりとどうこうできる呪いじゃないんだけどなぁ、と半ば呆れる。無論、征司の側からの抵抗が無いためではあるが、呪印の侵食を減らすように抵抗し続ければ程なくして侵食度0、解呪にいたるであろう。その事実に、改めてアクアブロンテの能力の高さに驚く征司であった。

(ほんとうに、思わぬ拾い物だな。手を噛まれないようにしないといけないが、こいつの場合は別に構わないか、逆らうことも無いだろう)

「まぁいい、護符の効果もあるからそいつは持っとけ」
「…はい」

 もう一度プレートを見て、愛おしそうに両手で抱え、アクアブロンテが返事をした。

「で、話が戻るが、茉莉香がどうしたかってことだけれど……」

 征司は振り返ると異様な存在感を放つ肉繭を裏拳でコンコンと叩く。

「この中だ」

 言うな否やクチャリと肉が裂けるような嫌な音を立てて肉繭の正面がゆっくりと開いていく。その隙間から、低い悲鳴が拷問部屋中に反響し響き渡る。

「んほおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーッ!!!」

 肉繭の中からはむせ返るような雌の匂いが溢れ出た。肉繭が開いたのは、ちょうどプリズマシャイン姿の茉莉香が絶頂した瞬間であった。暗い肉の中で両手両足が肉壁の中にめり込み、身動きを封じられた彼女は、魔法少女姿のまま無数の触手に嬲られていた。まさしく、『敗北した魔法少女の末路』、というタイトルがふさわしい格好だ。強靭なはずのレオタード衣装の胸と股間部分はもちろん、それ以外のところもところどころ無残に破れ、秘部の二穴はもちろん、口、鼻、ヘソに乳腺や耳、尿道に至るまであらゆる穴が触手によって嬲られている。

「ふんぐっ、むぶっ、ぶもっごもっ、ずじゅごごごっ!おっぶえぇぇぇ、むごおぉぉ!!」

 絶頂の後も、変わらない勢いで犯され続けている。塞がれた口からはプリズマシャインの意志とは関係なく鳴き声が漏れる。

「これっ…は、一体……」

 その様子を眺めていたアクアブロンテが顔を赤らめ、胸と股間を抑えながら熱のこもった声で征司に問う。

「こいつは魔法少女専用魔機融合型拘束陵辱機、通称『なぶるちゃん』だ!」
「なぶる…ちゃん……!?」

 アクアブロンテは噛みしめるように征司の言葉を繰り返し、一度ビくんと身体を震わせると、とてとてと肉繭に近づき、ねっちょりとした肉壁や、そこから生えた凶悪な太く硬い触手をぷにぷにと触りながら呟く。

「簡単に言うと、魔法生物と機械を錬金術で融合させたもんだ。機械部分が生物部分を上手くコントロールして、魔法少女を生かさず殺さず嬲り続けることができる」

 征司が笑いながら言うと肉壁がメリメリと盛り上がり、そこから金属製のプレートで覆われた機械部分が姿を表した。

「……すごい…すごい!」

 肉壁と触手から手を離さずにアクアブロンテが小さな驚嘆の声を上げる。

「これ、一つしか、ないの?」

「すぐに動かせるのはこいつだけだなぁ。こいつは、なぶるちゃん1号機で、今日中にもう一台、なぶるちゃん2号機がロールアウトする予定だ」

「なぶるちゃん、2号機…!!」

 おぉっ、っと声を上げるアクアブロンテ。

「ちなみに、1号機は快楽攻め、2号機は苦痛攻め主体だ」
「おぉっ!おぉぉーー!」

 ふんすふんすと鼻息を荒くする。

「さて、茉莉香は昨日の夜から入れっぱなしだから、いい感じに出来上がってるな」

 征司がなぶるちゃんに魔力を通し、触手に停止する命令を下す。

「うぼぐっ!おひゅん、おぉぉっ!おぉぉっ!ああぁぁ…………!」

 ゆっくりと全身を責めていた触手が抜かれ、肉壁の中へと収まっていく。

「んあぁぁ……………………ぅぅ…………」

 体中をガンガン突いていた触手から開放され、それが持ち上げていた身体が落ち、前のめりに倒れるように俯く。
 なぶるちゃんの外、下側から覗くその顔はとろけきり、口からだらしなく舌が垂れ、潤んだ瞳には大粒の涙が浮かぶ。肉感のある巨乳はぷるんと程よい弾力を湛え震え、レオタード越しにも見えるほど乳首が大きく勃起している。ぷにぷにとした両太ももは股間から溢れ出した大量の体液でぐちょぐちょに濡れ、拷問部屋を照らす明かりを反射して怪しい色変を発している。

「おぉ……………ふぐっ…………………ひぅ……………」

 プリズマシャインの腕には、いくつもの注射痕があり内出血で青黒くなっていた。一晩の間に、そこから何度も媚薬を注射され嬲られ続け、敏感になり過ぎたプリズマシャインの感覚は、空気に触れるだけでも感じるのか、触手から開放されても時折小さな喘ぎが漏れていた。

「この格好のまま、学園の男子更衣室にでも放置したらどうなるか、ちょっとやってみたくなる淫乱さだな」

 言いながら、無数の男共に群がるように犯されるプリズマシャインを想像し征司が興奮を顕にする。

 ただでさえ露出度が高く年頃の男子を刺激する魔法少女衣装が適度に破け、女性の象徴たる突起を晒し淫乱に勃起させ、全身から雌の匂いをふんだんに漂わせている。このようなとろけた表情で力なく倒れる少女が目の前にいたら、たとえ征司でなかろうと、どんな男でも欲情を抑えるのは難しいだろう。

「これ、どうするの?」

 敗北魔法少女を指差し、アクアブロンテが首をかしげる。
 光のない蕩けた瞳は何も映さず、虚空を見つめていた。

「とりあえず一晩漬け込んでだいぶ性感も熟してきたみたいだけど、このままもうしばらく熟すまで放置だな」

 魔法少女の一夜漬け。発酵食品でも調理しているかのような言い草の征司である。
 征司がなぶるちゃんに背を向けると、再び無数の触手がプリズマシャインに群がりだす。

「ぶもっ、ぐもおぉぉぉーーーーーー!~~~~~~~~~~~~ッ!!!」

 少女の穴全てが再び触手に満たされる。それと同時に、開いていた肉の壁がゆっくりと閉じる。

「――――――ブモッ!!ひぐっ、おぉぉぉぉ~~~~~~~~っ!!、………………………………………………………………」

 いつ終わるともしれぬ快楽拷問に、絶叫が漏れる。しかし完全に肉壁が閉じると、その声も外の二人には全く届かなくなった。

 完全な暗闇に閉ざされ、何も見えない空間で手足を拘束されたプリズマシャイン。五感の一つが潰され、それ以外の感覚が鋭くなった状態で、気の狂いそうな快楽責め。一晩中それにさらされた彼女は、強靭な精神力で必死に耐え、未だに発狂せずに正常な精神を保っていたが、果たしてそれが幸せだったのかどうか。

 少女の地獄は、まだまだ続く。



「で、梨姫はこれから別の道具を使って調教してやる。お前は、痛いほうが好きだろう?苦痛責めといったらやっぱりまずはこれだよな」

 征司が、拷問器具のある一角を指差しながらアクアブロンテに問いかける。

「これ…は……!」

 少女が向けた視線の先にあったものは、鋭い角度の三角木馬。その背は刀のような鋭い金属プレートで加工され、30度にすら満たないほど急な角度で合わさっている。木馬の高さは1mほど、これにアクアブロンテが乗せられれば地面に足がつくことはない。全長は2m近くあり、中心に近い部分以外の背には、のこぎり状に尖った山が並んでいる。のこぎり部分の側面には無数の小さな棘が一面に並び、凶悪なヤスリのようになっている。中心だけ無難に (?) 股を裂くだけの部分があり、それ以外に跨がらせられれば、少し動くだけでのこぎりで股間がこそぎ取られ、太ももが針のヤスリで削られる。木馬は中心と両端に一本ずつ、太い伸び縮みするシリンダー状の柱で支えられている。ただ静かに乗っていられるとは思えない構造だ。

「拷問といえばやっぱりこれだろう?」

 征司は、木馬以外にも道具を取り出し拷問の準備を始めた。
 金属も織り交ぜられた拷問用の一本鞭、刺激物が練り混ぜられた高温蝋燭、大量の金属製の重りが準備される。

「ふおぉーーっ、ご主人様……これ、絶対、裂ける…!こんなのに、乗せられたら、おまんこ、ぐちょぐちょに裂けて…壊れちゃいます…!!」

 鼻息荒く興奮するアクアブロンテ。

「こっちもすげぇぞ、調教用じゃぁなく、戦闘用の鞭だ」

 手にした鞭を硬い金属製の重りに振るう。バシーンと音を立て、丸い金属塊が粉々に砕けた。

「おぉぉ………!」

「拷問中、変身は絶対にとくなよ。生身の人間が食らったら一撃で手足がもげるぞ」
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