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2章
第3話過去①
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「さて、何から話そうかしら?」
「えぇ…。何から言えばいいのやら……」
ゼノンはファナに通されて今はディアナ邸のリビング……らしき部屋にいた。
「師匠……」
「…何かしら?」
「この部屋の残場はどういうことでしょうか?ご説明願いたい」
ゼノンとファナがいるところはもはや部屋と呼べるものではなかった。そこらじゅうに衣服やらゴミやらが散らかっている。世にいう汚部屋である。
「………それは後で説明するわ。事情があるのよ……」
ファナはゼノンから珍しく目を背けて、気まずそうに接する。先程までの余裕はどこ服風である。
「こんなものに事情も何もないと思いますけどね?見てくださいよ。手を伸ばすだけで散らかった服が取れるんですけど?」
そう言ってゼノンは散らかりまくった服に腕を突っ込み、適当に取り、ファナの前に示す。
「あら、あなたにもそういう欲求はあるのね」
「は?そういう……って………ぶはぁッ!!!」
ゼノンは自分が持っていた物を見て鼻血が飛び出した。
ゼノンの右手に握られていたのは純白のブラだった。それは誰のものかは一目瞭然で─
(でっか…!やべ!見ちまった!!つか、これぐらいしまっとけよ!!)
謎の罪悪感で心にダメージが入るゼノン。未だに鼻血は止まっていないが……。対してファナはただ笑うだけであった。
「し、師匠……。ティッシュくれ……」
「ふふ。面白いわね。女性に免疫がないのかしら?新鮮な反応だわぁ。つい遊びたくなっちゃう…」
魅惑的な表情で笑い続けるファナ。もしここにゼノン以外の者が居ればたとえ女性であろうと見蕩れていたに違いない。
「し、師匠……。じ、冗談言ってないでマジで……ブ、ブラ…につくから」
「冗談ではないのだけれど……。そもそもそれぐらい血液魔法でどうにでもなるでしょう?」
その言葉に先程までの朗らかな雰囲気が消える。先に仕掛けたのはファナ。そして雰囲気を消したのはゼノンの纏う雰囲気の変化である。……ゼノンの鼻からは未だに血が滴れているが。
「……やっぱり知ってたんだな」
「えぇ。まぁね。さて……色々と話さくちゃならないことがあるわよね…。お互いに…」
「どうやらそうみたいだな…。だが、その前に……」
お互いに纏う魔力がふつふつと溢れ出す。お互いを挟む机がガタガタと揺れていた。この場の雰囲気は今にも衝突寸前というところだ。
「ティッシュをくれ。マジで」
「…………締まらないわね」
しかし、その雰囲気はゼノンの一言によって吹き飛んでしまった。
ファナがゼノンのもとへティッシュを運び終えて簡単に治療した後には先刻までの雰囲気は完全に消し飛んでいた。
「さて、何から話そうかしら…」
自然と話はファナから始まることになった。そちらの方がスムーズだろうと2人は直感で察した。
ゼノンはただ黙ってファナの次の言葉を待った。
「…そうね。シンプルにいきましょうか。私の本名はファナ=ディアナでは無いの」
「…!?そう…なんですか!?」
ゼノンはその事実に対してかなりの驚きを見せた。それはゼノンにとってその事実が衝撃だったからに他ならなかったからだ。
「えぇ。私の本名は…ファナリズ=レイ=ミィーリエよ」
「……ファ……ナ………リズ…ミィー……リ…エ……」
その言葉にゼノンの言葉が途切れ途切れになってしまう。それぐらいその言葉はゼノンに衝撃を与えたのだ。
ゼノンの血が騒ぐ感覚に陥る。
「えぇ。正真正銘吸血鬼族の生き残りで……元…いえ、初代魔王の娘よ」
ファナからの衝撃の告白にさすがのゼノンも驚かずにはいられなかった。目を見開き、呼吸をすることすら忘れてしまうような感覚と血が騒ぐ感覚に陥る。
かつてアルスとミオ、そしてゼノンの3人でよく読んでいた絵本。その中の魔王の名前はミィーリエ…。
「ちょ、ちょっと待ってください!どこから聞けばいいのやら…」
ゼノンの中にはファナに関する疑問で溢れかえる。
「順番に話すから安心なさい」
そうしてファナはゆっくりと自分の禁断の過去を明かし始めた
「えぇ…。何から言えばいいのやら……」
ゼノンはファナに通されて今はディアナ邸のリビング……らしき部屋にいた。
「師匠……」
「…何かしら?」
「この部屋の残場はどういうことでしょうか?ご説明願いたい」
ゼノンとファナがいるところはもはや部屋と呼べるものではなかった。そこらじゅうに衣服やらゴミやらが散らかっている。世にいう汚部屋である。
「………それは後で説明するわ。事情があるのよ……」
ファナはゼノンから珍しく目を背けて、気まずそうに接する。先程までの余裕はどこ服風である。
「こんなものに事情も何もないと思いますけどね?見てくださいよ。手を伸ばすだけで散らかった服が取れるんですけど?」
そう言ってゼノンは散らかりまくった服に腕を突っ込み、適当に取り、ファナの前に示す。
「あら、あなたにもそういう欲求はあるのね」
「は?そういう……って………ぶはぁッ!!!」
ゼノンは自分が持っていた物を見て鼻血が飛び出した。
ゼノンの右手に握られていたのは純白のブラだった。それは誰のものかは一目瞭然で─
(でっか…!やべ!見ちまった!!つか、これぐらいしまっとけよ!!)
謎の罪悪感で心にダメージが入るゼノン。未だに鼻血は止まっていないが……。対してファナはただ笑うだけであった。
「し、師匠……。ティッシュくれ……」
「ふふ。面白いわね。女性に免疫がないのかしら?新鮮な反応だわぁ。つい遊びたくなっちゃう…」
魅惑的な表情で笑い続けるファナ。もしここにゼノン以外の者が居ればたとえ女性であろうと見蕩れていたに違いない。
「し、師匠……。じ、冗談言ってないでマジで……ブ、ブラ…につくから」
「冗談ではないのだけれど……。そもそもそれぐらい血液魔法でどうにでもなるでしょう?」
その言葉に先程までの朗らかな雰囲気が消える。先に仕掛けたのはファナ。そして雰囲気を消したのはゼノンの纏う雰囲気の変化である。……ゼノンの鼻からは未だに血が滴れているが。
「……やっぱり知ってたんだな」
「えぇ。まぁね。さて……色々と話さくちゃならないことがあるわよね…。お互いに…」
「どうやらそうみたいだな…。だが、その前に……」
お互いに纏う魔力がふつふつと溢れ出す。お互いを挟む机がガタガタと揺れていた。この場の雰囲気は今にも衝突寸前というところだ。
「ティッシュをくれ。マジで」
「…………締まらないわね」
しかし、その雰囲気はゼノンの一言によって吹き飛んでしまった。
ファナがゼノンのもとへティッシュを運び終えて簡単に治療した後には先刻までの雰囲気は完全に消し飛んでいた。
「さて、何から話そうかしら…」
自然と話はファナから始まることになった。そちらの方がスムーズだろうと2人は直感で察した。
ゼノンはただ黙ってファナの次の言葉を待った。
「…そうね。シンプルにいきましょうか。私の本名はファナ=ディアナでは無いの」
「…!?そう…なんですか!?」
ゼノンはその事実に対してかなりの驚きを見せた。それはゼノンにとってその事実が衝撃だったからに他ならなかったからだ。
「えぇ。私の本名は…ファナリズ=レイ=ミィーリエよ」
「……ファ……ナ………リズ…ミィー……リ…エ……」
その言葉にゼノンの言葉が途切れ途切れになってしまう。それぐらいその言葉はゼノンに衝撃を与えたのだ。
ゼノンの血が騒ぐ感覚に陥る。
「えぇ。正真正銘吸血鬼族の生き残りで……元…いえ、初代魔王の娘よ」
ファナからの衝撃の告白にさすがのゼノンも驚かずにはいられなかった。目を見開き、呼吸をすることすら忘れてしまうような感覚と血が騒ぐ感覚に陥る。
かつてアルスとミオ、そしてゼノンの3人でよく読んでいた絵本。その中の魔王の名前はミィーリエ…。
「ちょ、ちょっと待ってください!どこから聞けばいいのやら…」
ゼノンの中にはファナに関する疑問で溢れかえる。
「順番に話すから安心なさい」
そうしてファナはゆっくりと自分の禁断の過去を明かし始めた
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